原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案
参議院 環境委員会
平成29年法律第15号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- H29.3.10趣旨説明環境委員会 34
- H29.3.14質疑環境委員会 4244
- H29.3.17参考人招致・参考人質疑・質疑・討論・採決・附帯決議環境委員会 5274
- H29.3.23委員長報告・採決本会議 1263
参議院環境委員会
- H29.3.30趣旨説明環境委員会 57
- H29.4.4質疑環境委員会 6140
- H29.4.6質疑・討論・採決・附帯決議環境委員会 788
- H29.4.7委員長報告・採決本会議 1429
提案理由
山本公一 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災) 平成29年3月10日ただいま議題となりました原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
原子力利用における安全性向上に向けた取り組みとしては、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、厳格な規制基準が策定され、各原子力施設について原子力規制委員会による審査が行われています。今後、これらの審査で確認された安全の水準が、施設の運転段階において継続的に維持向上されるためには、原子力施設に対する検査制度の見直しが不可欠です。また、国際的にテロ行為への対応が求められる中、放射性同位元素に係るセキュリティー対策も講ずる必要があります。これらについて、平成二十八年に我が国が国際原子力機関から受領した総合規制評価サービス報告書の中で指摘がなされたところでございます。
本法律案は、こうした状況を踏まえ、原子力利用における安全対策を強化し、より高い安全水準の確保を目指して、事業者及び規制機関の双方の取り組みを強化しようとするものです。
次に、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。
第一に、原子力事業者等に対する検査制度を見直し、施設の基準への適合維持及びその確認について原子力事業者等の責任を明確にするとともに、原子力規制委員会は、原子力事業者等の保安活動全般を包括的に検査し、その検査の結果に基づき総合的な評定を行い、次の検査に反映していくこととしております。
第二に、危険性の高い放射性同位元素を取り扱う事業者に対し、防護措置を義務づけ、テロ対策を充実強化していくこととしております。
第三に、放射線審議会の所掌として、従来の諮問された事項に関する調査審議及び答申に加え、放射線障害の防止に関する調査審議及び意見具申の事務を追加することとしております。
このほか、放射性廃棄物の処分が安全に行われるための規制の整備等、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要です。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第193回国会衆議院環境委員会議録第3号1頁(平成29年3月10日)〔山本公一環境大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一本改正により国際規制物資使用者間での少量核燃料物質の譲渡し又は譲受け、国際規制物資使用者による少量核燃料物質の輸出入が可能となった場合、取引の増加に伴い核燃料物質の移動が活発になることが予想され、これにより少量核燃料物質の所在等の把握が煩雑になることも考えられることから、少量核燃料物質の平和的利用が担保されるためにも、国際規制物資使用者に係る計量管理の強化及び効率化の検討を速やかに行い、必要な体制を整備すること。
二原子力施設の廃止措置の実行可能性を担保するため、廃止措置実施方針の定期的な見直し・更新を発電用原子炉設置者等に求めるとともに、あらかじめ適切な公表の方法を定めた上で、定期的に公表すること。
三中深度処分を行う第二種廃棄物埋設施設については、放射能濃度が比較的高い廃棄物を数百年にも及ぶ長期間取り扱うことから、その間、事業者によって安定的に事業が継続されるよう、当該事業者の体制強化を図る施策の実施も含め、必要な指導・監督を行うこと。また、事業者による管理終了後に放射性物質の漏えい等が発生した場合においては、国が責任を持ってその対処に当たること。
四放射性廃棄物を取り扱う埋設施設の立地選定に当たっては、有害物質であるポリ塩化ビフェニルのように、民間主導の処理の計画が頓挫したケースも過去に見られることから、立地選定及び処分が円滑に進むよう、国として立地の選定に積極的に関与すること。また、放射性廃棄物の埋設の事業を円滑に実施するためには立地自治体及び地元住民の協力が欠かせないことから、事業者と立地地域の合意形成が進むよう、国も積極的に働きかけていくこと。
五指定廃棄物埋設区域制度の創設に伴い、発電用原子炉及び試験研究炉施設の規制基準策定に向けた検討が今後進むこととなる一方で、再処理施設等から生ずる放射性廃棄物など、炉内等廃棄物以外の放射性廃棄物の中深度処分についてはこの検討の対象とされていないことから、当該廃棄物に係る規制基準についても早急に検討を進め、その結果を国民に分かりやすく、丁寧に説明すること。
六今回の原子力事業者等に対する検査制度の見直しは、国際原子力機関による総合規制評価サービスの指摘や福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえたものであることから、見直し後の検査制度に基づく取組状況について、国民に分かりやすく説明するとともに、国会に定期的に報告すること。
七原子力事業者等の保安活動全般を包括的に常時監視・評価するに当たっては、その具体的な方法をマニュアル等で明確化するなどにより十分な体制を整備すること。特に、この検査制度の運用においては高い能力が検査官に求められることから、その能力向上のための必要な措置を講じること。
八放射性同位元素、放射線発生装置及び核燃料物質等は、研究機関、大学、医療機関、民間企業等において幅広く使用されており、多様な放射性廃棄物が発生している状況にあることから、これらの施設を所管する関係各法律においても、早期に処理・処分の合理化に係る規定を整備すること。
九特定放射性同位元素防護規程の届出制度が創設されるに当たり、放射線障害予防規程との内容の重複等により、事業者からはセキュリティとセーフティの内容が重複し混乱を来すのではないかとの懸念が示されていることから、事業者に対し過度な負担を強いることとならないよう制度を構築すること。
十防護措置の対象となる血液照射装置は現在では使用されなくなってきているものの、同装置を廃棄するには多大な費用がかかり、廃棄されずに各施設に保管されている状況にあること等を踏まえ、防護措置が義務付けられることとなる装置の廃棄に対し、必要な支援策を検討すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一本改正により国際規制物資使用者間での少量核燃料物質の譲渡し又は譲受け、国際規制物資使用者による少量核燃料物質の輸出入が可能となった場合、取引の増加に伴い核燃料物質の移動が活発になることが予想され、これにより少量核燃料物質の所在等の把握が煩雑になることも考えられることから、少量核燃料物質の平和的利用が担保されるためにも、国際規制物資使用者に係る計量管理の強化及び効率化の検討を速やかに行い、必要な体制を整備すること。
二原子力施設の廃止措置の実行可能性を担保するため、廃止措置実施方針の定期的な見直し・更新を発電用原子炉設置者等に求めるとともに、あらかじめ適切な公表の方法を定めた上で、定期的に公表すること。
三中深度処分を行う第二種廃棄物埋設施設については、放射能濃度が比較的高い廃棄物を数百年にも及ぶ長期間取り扱うことから、その間、事業者によって安定的に事業が継続されるよう、当該事業者の体制強化を図る施策の実施も含め、必要な指導・監督を行うこと。また、事業者による管理終了後に放射性物質の漏えい等が発生した場合においては、国が責任を持ってその対処に当たること。
四放射性廃棄物を取り扱う埋設施設の立地選定に当たっては、有害物質であるポリ塩化ビフェニルのように、民間主導の処理の計画が頓挫したケースも過去に見られることから、立地選定及び処分が円滑に進むよう、国として立地の選定に積極的に関与すること。また、放射性廃棄物の埋設の事業を円滑に実施するためには立地自治体及び地元住民の協力が欠かせないことから、事業者と立地地域の合意形成が進むよう、国も積極的に働きかけていくこと。
五指定廃棄物埋設区域制度の創設に伴い、発電用原子炉及び試験研究炉施設の規制基準策定に向けた検討が今後進むこととなる一方で、再処理施設等から生ずる放射性廃棄物など、炉内等廃棄物以外の放射性廃棄物の中深度処分についてはこの検討の対象とされていないことから、当該廃棄物に係る規制基準についても早急に検討を進め、その結果を国民に分かりやすく、丁寧に説明すること。
六原子力規制委員会は、今回新設される第六十二条の二の二の趣旨を踏まえ、国際的な基準や先行する海外事例との整合を図りつつ、バックフィットの運用に関するルールや判断基準を明確化し、規制化するためのプロセスを整備すること。
七今回の検査制度の見直しにおいては、国際原子力機関による総合規制評価サービスの指摘や東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、科学的・技術的知見を基本に、国際的な基準や先行する海外事例との整合を図りつつ、原子力安全規制の実効性を高め、実質的な安全性を効果的に向上させることができる規制体系となるよう特段の配慮を行うこと。
八原子力規制検査及び総合的な評定に当たっては、国際原子力機関による総合規制評価サービスの指摘を踏まえ、安全への実質の影響程度で判定するといった考え方で厳格に検査を行うという指摘の理念が実現されるよう実施すること。また、見直し後も不断の検証を行いながら、継続的な改善を図っていくこと。
九原子力規制検査の導入に当たっては、安全上の重要性やリスク評価に着目して検査対象の選定を行い、その運用や判定の一貫性や予見性、透明性を確保する観点から、原子力事業者等との緊密かつ継続的なコミュニケーションを図りつつ、その具体的な方法をマニュアル等で明確化するなどにより実効性ある運用がなされるよう十分な体制を整備すること。
十原子力規制検査の運用においては高い能力が検査官に求められることから、同検査の運用開始までに資格付与等の能力管理の仕組みを整備・公表するとともに、同検査の運用に必要な人員を十分に確保し、検査の実効性を担保すること。
十一規制体系の大幅な変更を伴う新たな検査制度の導入に当たっては、原子力事業者等の実務を担う現場において過度な負担や無用な混乱が生じることのないよう、十分な準備期間を設定するとともに、その運用開始までに実際の運用のための評価・分析を含めた十分な検討を行い、新旧制度間の円滑な移行に万全を期すこと。
十二原子力規制委員会は、原子力規制に関する理解と信頼をより一層高めるため、見直し後の検査制度に基づく取組状況について、国民に分かりやすく説明するとともに、国会に定期的に報告すること。特に、原子力規制検査及び総合的な評定の結果に当たっては、根拠等含め明確かつ具体的に国民に対しても分かりやすく公表すること。
十三原子力規制委員会は、国際原子力機関による総合規制評価サービスの報告書を真摯に受け止め、今回の検査制度の見直し等にとどまることなく、自らのマネジメントシステムの確立、原子力事業者等とのコミュニケーション、高経年化に関する認可手続等に係る諸課題に関して、迅速かつ不断の改善に取り組むとともに、その状況を国会にも分かりやすく報告すること。
十四放射性同位元素、放射線発生装置及び核燃料物質等は、研究機関、大学、医療機関、民間企業等において幅広く使用されており、多様な放射性廃棄物が発生している状況にあることから、これらの施設を所管する関係各法律においても、早期に処理・処分の合理化に係る規定を整備すること。
十五特定放射性同位元素防護規程の届出制度が創設されるに当たり、放射線障害予防規程との内容の重複等により、事業者からはセキュリティとセーフティの内容が重複し混乱を来すのではないかとの懸念が示されていることから、事業者に対し過度な負担を強いることとならないよう制度を構築すること。
十六防護措置の対象となる血液照射装置は現在では使用されなくなってきているものの、同装置を廃棄するには多大な費用がかかり、廃棄されずに各施設に保管されている状況にあること等を踏まえ、防護措置が義務付けられることとなる装置の廃棄に対し、必要な支援策を検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119301017)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。