土地改良法等の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
平成29年法律第39号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H29.4.18趣旨説明農林水産委員会 8194
- H29.4.20質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案農林水産委員会 9163
- H29.4.21委員長報告・採決本会議 2134
参議院農林水産委員会
- H29.5.16趣旨説明農林水産委員会 13237
- H29.5.18質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 14247
- H29.5.19委員長報告・採決本会議 2412
提案理由
山本有二 農林水産大臣 平成29年4月18日土地改良法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業の成長産業化を図るため、農地中間管理機構による担い手への農地の利用集積を促進しているところでございます。今後、高齢化の進行等に伴い、農地中間管理機構への農地の貸し付けは増加する見込みとなっておりますが、その際、基盤整備が十分に行われていない農地につきましては、担い手が借り受けないおそれがございます。その一方、農地中間管理機構に農地を貸し付けた所有者は基盤整備のための費用を負担する用意はなく、このままでは基盤整備が滞り、結果として、担い手への農地の集積、集約化が進まなくなる可能性がございます。
また、農業用用排水施設につきましては、今後十年間で、ダムなどの基幹的な施設の約四割が標準耐用年数を超過する見込みでございます。こうした中で、近年、東日本大震災等の巨大地震が日本各地で発生しており、ため池等の農業用用排水施設の耐震化事業を迅速かつ機動的に実施していくことが求められております。
さらに、近年、パイプラインが破裂する等の突発事故が増加しており、突発事故に迅速かつ機動的に対応していくことが必要でございます。
こうした状況を踏まえ、平成二十八年十一月に改定された農林水産業・地域の活力創造プランに基づき、土地改良制度について、農地の利用の集積の促進、防災及び減災対策の強化、事業実施手続の合理化に関する措置を講ずるため、この法律案を提出した次第でございます。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、農地の利用の集積の促進に関する措置であります。農地中間管理機構が借り入れている農地について、農業者からの申請によらず、都道府県が、農業者の費用負担や同意を求めずに基盤整備事業を実施できる制度を創設することとしております。
第二に、防災及び減災対策の強化に関する措置であります。ため池等の農業用排水施設の耐震化について、農業者からの申請によらず、国または地方公共団体が、原則として農業者の費用負担や同意を求めずに事業を実施できる制度を創設することとしております。
また、土地改良施設の突発事故への対応について、農業者からの申請によらず、国または地方公共団体が、災害復旧事業と同一の手続で事業を実施できるよう措置することとしております。
さらに、除塩事業を土地改良法上の災害復旧事業として位置づけることとしております。
第三に、事業実施手続の合理化に関する措置であります。国または都道府県が行う土地改良事業の申請人数要件を廃止することとしております。
また、土地改良施設の更新事業のうち、技術革新等に起因する機能向上を伴うものに係る同意手続を簡素化することとしております。
さらに、土地に共有者がある場合等、代表者一人を選任し、共有地に係る一人の事業参加資格者等とみなすこととしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
以上でございます。
第193回国会衆議院農林水産委員会議録第8号22頁(平成29年4月18日)〔山本有二農林水産大臣発言・発言番号192〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
最近の農業・農村を取り巻く情勢変化の中で、土地改良事業が、良好な営農条件を備えた農地・農業用水の確保と有効利用を通じて、農業の生産性の向上、食料自給率・食料自給力の維持向上、農村地域の活性化、国土の保全、防災・減災等に果たす役割は一層重要なものになっている。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記
一都道府県が、農地中間管理機構が農地中間管理権を有する農用地を対象とする申請によらない土地改良事業を実施するに当たっては、人・農地プランとの調和に十分配慮するとともに、整備された農用地が確実かつ円滑に担い手に貸し付けられるよう指導・助言を行うこと。
二農業者の費用負担を求めない土地改良事業の実施に際しては、事業要件の適合性について透明性を確保しながら、農業者の費用負担を要する従前からの事業との間で不公平感が生ずることのないよう、既存事業における農業者の費用負担の在り方について、農業者の経営状況を勘案しつつ、検討を進め、その実質的な軽減が図られるよう配慮するとともに、農地転用防止措置の厳格な運用を図ること。
三農業者からの申請によらず、農業者の同意を求めずに実施する土地改良事業については、現場の混乱を招かないよう、事前に十分な説明を行うとともに、丁寧な運用に努めること。なお、ため池等の農業用用排水施設の耐震化を目的とした事業については、事業の対象が必要以上に絞られることのないよう、弾力的な運用を図ること。
四農業農村整備事業関係予算の配分に当たっては、農地中間管理機構関連の事業だけでなく、防災・減災対策に係る事業をはじめ、農村現場のニーズに応えた事業が確実に実施されるよう十分留意すること。
最近の農業・農村を取り巻く情勢変化の中で、土地改良事業が、良好な営農条件を備えた農地・農業用水の確保と有効利用を通じて、農業の生産性の向上、食料自給率・食料自給力の維持向上、農村地域の活性化、国土の保全、防災・減災等に果たす役割は一層重要なものになっている。よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一都道府県が、農地中間管理機構が農地中間管理権を有する農用地を対象とする申請によらない土地改良事業を実施するに当たっては、人・農地プランとの調和に十分配慮するとともに、整備された農用地が確実かつ円滑に担い手に貸し付けられるよう指導・助言を行うこと。
二農業者の費用負担を求めない土地改良事業の実施に際しては、事業要件の適合性について透明性を確保しながら、農業者の費用負担を要する従前からの事業との間で不公平感が生ずることのないよう、既存事業における農業者の費用負担の在り方について、農業者の経営状況を勘案しつつ、検討を進め、その実質的な軽減が図られるよう配慮するとともに、農地転用防止措置の厳格な運用を図ること。
三農業者からの申請によらず、農業者の同意を求めずに実施する土地改良事業については、現場の混乱を招かないよう、事前に十分な説明を行うとともに、丁寧な運用に努めること。なお、ため池等の農業用用排水施設の耐震化を目的とした事業については、事業の対象が必要以上に絞られることのないよう、弾力的な運用を図ること。
四農業農村整備事業関係予算の配分に当たっては、農地中間管理機構関連の事業だけでなく、防災・減災対策に係る事業をはじめ、農村現場のニーズに応えた事業が確実に実施されるよう十分留意すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119301028)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。