健康増進法の一部を改正する法律案
参議院 厚生労働委員会
平成30年法律第78号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
- H30.6.8趣旨説明厚生労働委員会 27228
- H30.6.8趣旨説明・質疑本会議 3518
- H30.6.13質疑厚生労働委員会 28505
- H30.6.15参考人招致・参考人質疑・質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 29237
- H30.6.19委員長報告・討論・採決本会議 3949
参議院厚生労働委員会
- H30.7.4趣旨説明・質疑本会議 3222
- H30.7.5趣旨説明・質疑厚生労働委員会 26392
- H30.7.10参考人招致・参考人質疑・質疑厚生労働委員会 27232
- H30.7.12質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 28117
- H30.7.18委員長報告・討論・採決本会議 3548
提案理由
加藤勝信 厚生労働大臣・内閣府特命担当大臣(拉致問題) 平成30年6月8日ただいま議題となりました健康増進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
我が国では、平成十五年以来、健康増進法により、多数の者が利用する施設を管理する者に受動喫煙の防止措置を講じる努力義務が設けられ、これまで一定の成果を上げてきました。しかし、依然として多くの国民がこうした施設において受動喫煙を経験している状況にあり、二年後の東京オリンピック・パラリンピックを一つの契機として国民の健康増進を一層図るためには、受動喫煙対策を更に強化していくことが必要です。
このため、望まない受動喫煙の防止を図る観点から、多数の者が利用する施設等について、その区分に応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、当該施設等の管理権原者が講ずべき措置等について定めることとし、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならないこととします。
第二に、多数の者が利用する施設等を第一種施設、第二種施設、喫煙目的施設及び旅客運送事業自動車等に区分して喫煙可能な場所を定め、何人も、その場所以外の場所で喫煙をしてはならないこととします。
また、これらの施設等の一部の場所において、厚生労働省令で定める基準に適合した室等を専ら喫煙をすることができる場所として定めることができることとし、当該場所を定めるときは、必要な事項を記載した標識を掲示しなければならないこととします。
第三に、多数の者が利用する施設等の管理権原者等は、喫煙禁止場所に喫煙器具及び設備を設置してはならないこととし、喫煙可能な場所に二十歳未満の者を立ち入らせてはならないこととします。
第四に、現に存する飲食営業が行われている施設のうち、一定の要件を満たす施設については、受動喫煙の防止に関する国民の意識や当該施設における受動喫煙を防止するための取組の状況を勘案して別に法律で定める日までの間、当該施設の管理権原者は、当該施設の屋内の全部又は一部の場所を喫煙をすることができる場所として定めることができることとし、当該場所を定めるときは、必要な事項を記載した標識を掲示しなければならないこととします。
第五に、第二種施設等の管理権原者は、加熱式たばこによる受動喫煙が人の健康に及ぼす影響に関する科学的知見に鑑み、当分の間、当該施設等の屋内の一部の場所のうち、厚生労働省令で定める基準に適合した室を加熱式たばこのみの喫煙をすることができる場所として定めることができることとし、当該場所を定めるときは、必要な事項を記載した標識を掲示しなければならないこととします。
最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十二年四月一日としています。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。
御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
第196回国会衆議院厚生労働委員会議録第27号32頁(平成30年6月8日)〔加藤勝信厚生労働大臣発言・発言番号226〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一既存特定飲食提供施設に係る特例措置については、法施行後できる限り速やかに、当該施設における受動喫煙防止措置の実施状況に関する実態調査等を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。
二飲食提供施設に係る既存又は新規の区別については、現場の混乱を招くことのないよう、国が指針で判断基準を明確に示すよう、速やかに検討すること。
三指定たばこについては、WHOでは紙巻きたばこと同様の扱いであることに鑑み、指定たばこによる受動喫煙が人の健康に及ぼす影響に関する調査研究を一層推進し、可能な限り早期に結論を得て、その結果に基づき、紙巻きたばこと同様に取り扱うなど、必要な措置を速やかに講ずること。
四第一種施設のうち学校等子どもが主に利用する施設については、特定屋外喫煙場所の状況等の実態調査を行い、その結果に基づき、子どもの受動喫煙が生じることのないよう、敷地内完全禁煙の実施の可能性について早期に検討すること。
五保健所の業務量の増大が見込まれることを踏まえ、保健所の更なる充実・強化に努めるとともに、運用における手続の簡素化、管理権原者が適切に退出命令を発出できるなど受動喫煙防止対策の実効性の確保を図ること。
六第二次健康日本21で示された成人の喫煙率の目標の確実な達成に向け、喫煙をやめたい人への禁煙支援等のたばこ対策の一層の推進を図ること。
七喫煙可能な場所・空間において従業員の受動喫煙をできるだけ避けるよう必要な措置を講ずること。
八FCTC枠組み条約が求めている「喫煙室のない屋内完全禁煙」実現に向け、課題の整理や周知・啓発に取り組むこと。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一既存特定飲食提供施設に係る特例措置については、法施行後できる限り速やかに、当該施設における受動喫煙防止措置の実施状況に関する実態調査等を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。
二飲食提供施設に係る既存又は新規の区別については、現場の混乱を招くことのないよう、国が指針で判断基準を明確に示すべく、速やかに検討すること。
三指定たばこによる受動喫煙が人の健康に及ぼす影響に関する調査研究を一層推進し、可能な限り早期に結論を得て、その結果に基づき、必要な措置を速やかに講ずること。
四第一種施設のうち学校等子どもが主に利用する施設については、特定屋外喫煙場所の状況等の実態調査を行い、その結果に基づき、子どもの受動喫煙が生じることのないよう、敷地内完全禁煙の実施の可能性について早期に検討すること。
五第二種施設等における喫煙専用室や指定たばこ専用喫煙室の技術的基準については、本法の施行日までに喫煙専用室等を設置する事業者の負担に鑑み、早期に示すこと。その際、喫煙専用室等から流出した煙による受動喫煙が生じないよう、環境工学等の専門家を含めた適切な委員構成の検討会の下で最新の科学的知見に基づいた基準を定めること。また、受動喫煙防止対策に積極的に取り組む中小事業者に対し、費用の助成や税制上の措置等の適切な支援策を講ずること。
六喫煙可能店から禁煙店への変更を行うに当たっては、当該施設内が受動喫煙の生じない環境にあることを確認することができるよう、受動喫煙が生じない状態に至る状況を条件ごとに調査研究すること。
七喫煙可能な場所等に掲示する標識については、望まない受動喫煙を防止する観点から、外国人を含む全ての人にとって分かりやすい標識とすること。また、標識の内容、大きさ、掲示場所等について早期に示すこと。
八保健所の業務量の増大が見込まれることを踏まえ、保健所の体制の更なる充実・強化に努めること。また、運用における手続の簡素化を図るとともに、管理権原者による適切な退出命令の発出など受動喫煙防止対策の実効性を確保すること。
九第二次健康日本21で示された成人の喫煙率の目標の確実な達成に向け、喫煙をやめたい人への禁煙支援等のたばこ対策の一層の推進を図るとともに、家庭における受動喫煙の機会を減少させるための取組や、妊産婦や未成年者の喫煙をなくすための取組を進めること。
十従業員が望まない受動喫煙に遭わないようにするため、労使でしっかり話し合い、必要な措置が講ぜられるよう取り組むとともに、管理権原者等が二十歳未満の者を喫煙可能な場所・空間に立ち入らせることのないよう、実効性ある措置を講ずること。
十一FCTC枠組み条約が求めている「喫煙室のない屋内完全禁煙」実現に向け、課題の整理や周知・啓発に取り組むこと。
十二個別の受動喫煙防止対策を実施する地方自治体と本法における喫煙・禁煙の区域等の違いで混乱が生じないよう、分かりやすい表示の徹底や、制度の広報・周知に取り組むとともに、地方自治体との情報共有・連携に努めること。
十三受動喫煙防止対策により、結果として喫煙率の低下及びたばこ消費量の減少が考えられることから、たばこ関連産業で働く労働者の雇用等を注視し、その状況を見極め必要な対策を講ずること。
十四本法施行後五年を経過した場合の検討規定を踏まえ、本法の施行状況や受動喫煙防止対策の実施状況について取りまとめを行い、適切に公表すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119601047)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。