農薬取締法の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
平成30年法律第53号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H30.5.30趣旨説明農林水産委員会 18144
- H30.5.31質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 19144
- H30.6.1委員長報告・採決本会議 337
参議院農林水産委員会
- H30.6.5趣旨説明農林水産委員会 205
- H30.6.7質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 21138
- H30.6.8委員長報告・採決本会議 2760
提案理由
齋藤健 農林水産大臣 平成30年5月30日農薬取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農薬取締法は、農業生産の安定を図り、国民の健康を保護すること等を目的として、農薬について登録の制度等を設けているところであります。
農薬の安全性を一層向上していくためには、最新の科学的知見を的確に反映させられるようにすることが極めて重要であります。また、良質かつ低廉な農薬を供給し、農業の競争力を強化していくためには、規制を合理化することも重要であります。
こうした観点から、農薬について、最新の科学的知見に照らして再評価を行う制度を導入するとともに、登録審査の見直し等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、再評価制度の導入についてであります。
全ての農薬について、定期的に安全性等の再評価を受けなければならないこととしております。
また、農林水産大臣は、再評価等により、農作物、人畜及び環境等に害を及ぼすおそれがあると認めるときは、登録を変更し、又は取り消すことができることとしております。
第二に、農薬の登録審査の見直しについてであります。
農薬の登録申請時に、当該申請に係る農薬の農薬原体が、現に登録を受けている農薬の農薬原体と成分等が同等であるときは、提出すべき資料の一部を省略できることとしております。
また、農薬使用者や環境に対する安全性を確保するため、登録時の審査事項に、使用時の被害防止方法や生活環境動植物への影響等を追加することとしております。
さらに、農家にとって防除に有効な農薬が常に確保されるよう、病害虫防除等に特に必要性が高い農薬や、他の農薬と比較して特に安全性が高い農薬については、優先的に審査を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第196回国会衆議院農林水産委員会議録第18号20頁(平成30年5月30日)〔齋藤健農林水産大臣発言・発言番号142〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
農薬は、農産物の安定生産に必要な生産資材であるが、その販売・使用については最新の科学的知見を的確に反映し、安全性を向上させることが不可欠である。よって、政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記
一登録された農薬の再評価制度の実施に当たっては、農薬の安全性の更なる向上を図ることを旨として行うこと。また、農薬に係る関係府省の連携を強化し評価体制を充実するとともに、新規農薬の登録に遅延が生じないようにすること。
二最新の科学的知見に基づく定期的再評価又は随時評価により、農作物等、人畜又は環境への安全性等に問題が生ずると認められる場合には、当該農薬につき、その登録の内容の変更又は取消しができるようにすること。また、定期的再評価の初回の評価については、可及的速やかに行うこと。
三マイナー作物に使用できる農薬については、作物群を単位とした登録が可能な品目を増やすための作物のグループ化の動きを促進する等の必要な措置を充実させること。
四良質かつ低廉な農薬の選択肢を広げるために、先発農薬の規格に係る情報を迅速かつ適切に公開し、ジェネリック農薬の開発・普及を促進すること。
五生活環境動植物についてのリスク評価手法を早急に確立し、登録の際に必要となる試験成績の内容等を速やかに公表すること。
六安全な農産物の生産及び農薬使用者の安全を確保し、農薬による事故を防止するために、登録に係る適用病害虫の範囲及び使用方法、貯蔵上又は使用上の注意事項等を農薬使用者にわかりやすい手法で表示及び情報提供が行われるよう措置し、農薬の安全かつ適正な使用及び保管管理の徹底を図ること。また、農薬使用の際に、農薬使用者及び農薬散布地の近隣住民に被害が出ないようにするため、農林水産大臣及び都道府県知事は農薬使用者に対して十分な指導及び助言を行うこと。
七制度の運用及び見直しについては、規制改革推進会議等の意見は参考とするにとどめ、農業生産の安定を図り、国民の健康を保護することを前提に、農業者等の農薬使用者、農薬の製造者・販売者、農産物の消費者等の意見や、農薬の使用実態及び最新の科学的知見を踏まえて行うこと。
農薬は、農産物の安定生産に必要な生産資材であるが、その販売・使用については最新の科学的知見を的確に反映し、安全性を向上させるとともに、人の健康や環境への影響を考慮し、安全かつ適正に使用していくことが不可欠である。よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一登録された農薬の再評価制度の実施に当たっては、農薬の安全性の更なる向上を図ることを旨として行うこと。また、農薬に係る関係府省の連携を強化し評価体制を充実するとともに、新規農薬の登録に遅延が生じないようにすること。
二最新の科学的知見に基づく定期的再評価又は随時評価により、農作物等、人畜又は環境への安全性等に問題が生ずると認められる場合には、当該農薬につき、その登録の内容の変更又は取消しができるようにすること。また、定期的再評価の初回の評価については、可及的速やかに行うこと。
三マイナー作物に使用できる農薬については、作物群を単位とした登録が可能な品目を増やすための作物のグループ化の動きを促進する等の必要な措置を充実させること。
四良質かつ低廉な農薬の選択肢を広げるために、先発農薬の規格に係る情報を迅速かつ適切に公開し、ジェネリック農薬の開発・普及を促進すること。
五農薬の登録制度の見直しにおいて、農薬メーカーの負担にも配慮し、農業者への良質かつ低廉な農薬の提供を推進すること。
六生活環境動植物についてのリスク評価手法を早急に確立し、登録の際に必要となる試験成績の内容等を速やかに公表すること。
七試験に要する費用・期間の効率化や国際的な動物試験削減の要請に鑑み、定量的構造活性相関の活用等を含む動物試験の代替法の開発・活用を促進すること。また、国内外の法制度で明記されている動物試験における3R(代替法活用、使用数削減、苦痛軽減)の原則に鑑み、不合理な動物実験の重複を避けるなど、3Rの有効な実施を促進すること。
八安全な農産物の生産及び農薬使用者の安全を確保し、農薬による事故を防止するために、登録に係る適用病害虫の範囲及び使用方法、貯蔵上又は使用上の注意事項等を農薬使用者にわかりやすい手法で表示及び情報提供が行われるよう措置し、農薬の安全かつ適正な使用及び保管管理の徹底を図ること。また、農薬使用の際に、農薬使用者及び農薬散布地の近隣住民に被害が出ないようにするため、農林水産大臣及び都道府県知事は防除業者を含む農薬使用者に対して十分な指導及び助言を行うこと。
九非農耕地用除草剤が農薬として使用されないよう表示の徹底や販売店に対して十分な指導を行うこと。
十制度の運用及び見直しについては、規制改革推進会議等の意見は参考とするにとどめ、農業生産の安定を図り、国民の健康を保護することを前提に、農業者等の農薬使用者、農薬の製造者・販売者、農産物の消費者等の意見や、農薬の使用実態及び最新の科学的知見を踏まえて行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119601050)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。