農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
令和元年法律第12号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H31.4.9趣旨説明農林水産委員会 5140
- H31.4.11質疑農林水産委員会 6144
- H31.4.17質疑農林水産委員会 7206
- H31.4.18修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案農林水産委員会 825
- H31.4.23委員長報告・採決本会議 2055
参議院農林水産委員会
- R1.5.9趣旨説明農林水産委員会 8119
- R1.5.14質疑・参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 9279
- R1.5.16質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 10179
- R1.5.17委員長報告・討論・採決本会議 1864
提案理由
吉川貴盛 農林水産大臣 平成31年4月9日農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明いたします。
農業の成長産業化を図るためには、担い手の経営規模を拡大するとともに、分散錯圃を解消していくことにより、農業の生産性を向上させることが必要であることから、各都道府県に農地中間管理機構を設置し、担い手への農地利用の集積、集約化を進めているところであります。
農地中間管理機構が活動を開始した平成二十六年以降、担い手の農地利用面積のシェアは着実に上昇しているものの、その伸びは鈍化しており、今後さらなる農地利用の集積、集約化を進めるためには、地域における話合いの活性化や、農地中間管理事業を始めとする関係制度の見直し、担い手確保のための措置の改善を図る必要があります。
こうした状況を踏まえ、農地中間管理事業に係る手続の簡素化、農地中間管理機構と農業委員会その他の関係機関との連携強化、農用地利用改善事業等による担い手への農地の集約の加速化、農地利用の集積に支障を及ぼす場合の転用不許可要件への追加等の措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。
次に、法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、地域における農業者等による協議の場の実質化であります。
農業者等による地域協議の場において、市町村が農地に関する地図を活用して農業者の年齢別構成及び農業後継者の確保の状況その他の必要な情報の提供に努めることとするとともに、協議の場における農業委員会の役割を明確化いたします。
第二に、農地中間管理機構の仕組みの改善であります。
農地中間管理機構による担い手への農用地等の貸付けについては、農地中間管理機構が借受けと貸付けを同時に行う場合には、農用地利用配分計画によらず、農用地利用集積計画のみに基づき行うことができることとするとともに、農用地利用配分計画の認可申請後の縦覧等の手続を廃止いたします。
第三に、農地利用の集積、集約化を支援する体制の一体化であります。
農地中間管理機構が農用地利用配分計画の案の提出等の協力を求めることができる対象に、農用地の利用の促進を行う者であって市町村が指定するものを追加し、農地中間管理事業の実施地域について、市街化区域外の区域に拡大するとともに、所要の経過措置を講じた上で、農地利用集積円滑化事業を農地中間管理事業に統合一体化いたします。
第四に、担い手の確保等、農地利用の集積、集約化を促進するための措置の充実であります。
まず、農用地利用規程において、農用地の所有者等の同意を得て、利用権の設定等を受ける者を認定農業者及び農地中間管理機構に限定する仕組みを創設いたします。
次に、複数の市町村の区域内において農業経営を営む農業者の農業経営改善計画については、都道府県知事又は農林水産大臣が認定する仕組みを創設するとともに、農地所有適格法人に出資している会社の役員が農業経営改善計画に従って出資先の法人の役員を兼務する場合等には、役員の常時従事者要件を緩和いたします。
また、青年等就農資金について償還期限を延長いたします。
さらに、農地の転用不許可要件について、地域における担い手に対する農地利用の集積に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合等を追加いたします。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第198回国会衆議院農林水産委員会議録第5号20頁(平成31年4月9日)〔吉川貴盛農林水産大臣発言・発言番号138〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
農業者の減少及び高齢化、農地面積の減少が進む中、農業の生産性を向上し、持続可能なものとすることが不可欠である。そのため、担い手の育成・確保を図りつつ、担い手への農地の集積・集約化を加速化させること等により、農用地の利用の効率化及び高度化を一層促進することが重要である。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記
一地域における農業者等による協議の場において作成する人・農地プランが、単に支援措置を活用するためのものではなく、地域の農業の将来像を見通すことのできるものとして実質化されるよう、地域の農業事情に精通した市町村、農業委員会等が、農業者等の協議において調整能力を発揮しうるよう、その活動に対して十分な支援を行うこと。また、農業者等による協議の場が適時適切に開催されるとともに、その協議の場に地域の農業者はもとより、新たに農業経営を営もうとする者等多様な農業者等が参画し、十分な議論を行い、関係者の合意が形成されるよう留意すること。その際、これらの取組に対して十分な支援を行うこと。
二農地利用集積円滑化事業の農地中間管理事業への統合一体化に当たっては、これまで旧円滑化団体が実績を有している地域において混乱が生じないよう、旧円滑化団体の機能が存続し、効果を発揮していることを明確化した上で、本改正内容を丁寧に周知すること。
三農地中間管理機構が、農用地利用配分計画案の提出等の協力を求めることができる対象として追加される市町村が指定するものの基準については、各地域における農地の集積・集約化の取組等を踏まえ、旧円滑化団体を位置付ける等、地域の実情に即した実効ある体制を整備すること。
四中山間地域等の条件不利地域においては、農地の受け手不足等、平坦地との格差により農地の集積・集約化を進めることが困難であることに鑑み、当該地域の実情を考慮した事業運用を図るとともに、関連施策との連携を図る等効果的な支援措置を講ずること。
五複数の市町村にわたる農業経営改善計画の認定等に当たっては、申請する農業者に混乱を生じさせず、円滑な認定等が行われるよう、農林水産省、都道府県及び市町村が相互に協力・連携する体制を整備すること。
六農用地利用改善団体が農用地利用規程に利用権の設定等を受ける者を認定農業者及び農地中間管理機構に限定する旨を定めようとするため、農地の所有者等の同意を得るに当たっては、極力、全ての農地の所有者等の同意が得られるよう努めること。
七認定農業者及び認定新規就農者に関する情報の利用等に当たっては、本法の施行に必要な限度を超えることのないよう十分に配慮すること。
八新規就農者の定着状況について把握・分析し、その結果と現場のニーズ等を踏まえながら、新規就農に係る支援措置を講ずること。
九農地転用の不許可要件として追加される、地域における効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合について、具体的な事項を早急に示し、転用期待の抑制につながる実効性あるものとすること。
十この法律の施行後五年を目途として、施行状況等の勘案を行うに当たっては、施行直後より、農地及び農業経営をめぐる多様な状況、農地の集積・集約化によるコストの低減効果等について、常時、きめ細かく把握し、分析すること。
農業者の減少及び高齢化、農地面積の減少が進む中、農業の生産性を向上し、持続可能なものとすることが不可欠である。そのため、担い手の育成・確保を図りつつ、担い手への農地の集積・集約化を加速化させること等により、農用地の利用の効率化及び高度化を一層促進することが重要である。よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一地域における農業者等による協議の場において作成する人・農地プランが、単に支援措置を活用するためのものではなく、地域の農業の将来像を見通すことのできるものとして実質化されるよう、地域の農業事情に精通した市町村、農業委員会等が、農業者等の協議において調整能力を発揮しうるよう、その活動に対して十分な支援を行うこと。また、農業者等による協議の場が適時適切に開催されるとともに、その協議の場に地域の農業者はもとより、新たに農業経営を営もうとする者等多様な農業者等が参画し、十分な議論を行い、関係者の合意が形成されるよう留意すること。その際、これらの取組に対して十分な支援を行うこと。
二農地利用集積円滑化事業の農地中間管理事業への統合一体化に当たっては、これまで旧円滑化団体が実績を有している地域において混乱が生じないよう、旧円滑化団体の機能が存続し、効果を発揮していることを明確化した上で、本改正内容を丁寧に周知すること。
三農地中間管理機構が、農用地利用配分計画案の提出等の協力を求めることができる対象として追加される市町村が指定するものの基準については、各地域における農地の集積・集約化の取組等を踏まえ、旧円滑化団体を位置付ける等、地域の実情に即した実効ある体制を整備すること。
四中山間地域等の条件不利地域においては、農地の受け手不足等、平坦地との格差により農地の集積・集約化を進めることが困難であることに鑑み、当該地域の実情を考慮した事業運用を図るとともに、関連施策との連携を図る等効果的な支援措置を講ずること。
五複数の市町村にわたる農業経営改善計画の認定等に当たっては、申請する農業者に混乱を生じさせず、円滑な認定等が行われるよう、農林水産省、都道府県及び市町村が相互に協力・連携する体制を整備すること。
六農用地利用改善団体が農用地利用規程に利用権の設定等を受ける者を認定農業者及び農地中間管理機構に限定する旨を定めようとするため、農地の所有者等の同意を得るに当たっては、極力、全ての農地の所有者等の同意が得られるよう努めること。
七認定農業者及び認定新規就農者に関する情報の利用等に当たっては、本法の施行に必要な限度を超えることのないよう十分に配慮すること。
八新規就農者の定着状況について把握・分析し、その結果と現場のニーズ等を踏まえながら、新規就農に係る支援措置を講ずること。
九農地転用の不許可要件として追加される、地域における効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合について、具体的な事項を早急に示し、転用期待の抑制につながる実効性あるものとすること。
十この法律の施行後五年を目途として、施行状況等の勘案を行うに当たっては、施行直後より、農地及び農業経営をめぐる多様な状況、農地の集積・集約化によるコストの低減効果等について、常時、きめ細かく把握し、分析すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119801023)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。