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国会審議›第198回国会›閣法第29号
閣法第198回国会 第29号成立

農業用ため池の管理及び保全に関する法律案

平成31年法律第17号 農業用ため池の管理及び保全に関する法律
提出平成31年2月19日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立平成31年4月19日
平成31年法律第17号
審議会議 6回・発言 365(政府答弁等 146)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. H31.3.14趣旨説明農林水産委員会 3117
  2. H31.3.20質疑・採決農林水産委員会 4145
  3. H31.3.26委員長報告・採決本会議 1419

参議院農林水産委員会

  1. H31.4.16趣旨説明農林水産委員会 665
  2. H31.4.18質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 7190
  3. H31.4.19委員長報告・採決本会議 1341

提案理由

吉川貴盛 農林水産大臣 平成31年3月14日

農業用ため池の管理及び保全に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明いたします。

 農業用ため池は、農業生産に不可欠な農業用水を供給する施設として、西日本地域を中心に多くの施設が築造され、我が国農業の発展に重要な役割を果たしてきたところです。

 しかしながら、近年、台風等による豪雨や大規模な地震により農業用ため池が被災する事例が発生している一方で、江戸時代以前に築造された古い施設や築造時期が明らかでない施設が多いことから、権利者の世代交代が進み、権利関係が不明確かつ複雑になる事例や、離農や高齢化により利用者を主体とする管理組織が弱体化している事例など、日常の維持管理が適正に行われなくなることが懸念される状況にあります。

 このような状況を踏まえ、農業用ため池が有する農業用水の供給機能の確保を図りつつ、決壊による水害等の被害の防止を図る観点から、防災上重要な農業用ため池を指定し、必要な防災工事の施行を命ずることができることとする等の措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。

 次に、法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、農業用ため池の届出についてであります。

 農業用ため池の所有者等に対し都道府県知事への届出を義務づけるとともに、都道府県知事が農業用ため池に関するデータベースを整備し、公表することとしています。また、農業用ため池の所有者等は、当該農業用ため池の適正な管理に努めなければならないこととし、農業用ため池の管理上必要な措置が行われていないときは、都道府県知事が必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができることとしています。

 第二に、特定農業用ため池の指定についてであります。

 都道府県知事は、決壊による水害等の災害により周辺の区域に被害を及ぼすおそれのある農業用ため池を特定農業用ため池として指定することができることとしています。特定農業用ため池の保全に影響を及ぼすおそれのある土地の掘削等の行為について都道府県知事の許可制とするほか、市町村長は災害時の避難に関する印刷物配布等の措置を講ずるよう努めることとしています。

 第三に、特定農業用ため池の防災工事の施行についてであります。

 特定農業用ため池の決壊を防止するために施行する工事及び廃止のために施行する工事について、都道府県知事への工事計画の事前届出を義務づけるとともに、必要な工事が適切に行われない場合には、都道府県知事が防災工事の施行に関する命令及び代執行を行うことができることとしています。

 第四に、裁定による特定農業用ため池の管理についてであります。

 市町村長は、特定農業用ため池の管理上必要な措置が行われていない場合であって、所有者を確知することができないときは、都道府県知事の裁定により、施設管理権を取得することができることとしています。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

第198回国会衆議院農林水産委員会議録第3号20頁(平成31年3月14日)〔吉川貴盛農林水産大臣発言・発言番号115〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

参議院 農林水産委員会平成31年4月18日

農業用ため池は、農業用水を供給する施設として我が国農業の発展に重要な役割を果たしてきた。近年、台風等による豪雨や大規模な地震等により農業用ため池が被災する事例が発生している一方で、江戸時代以前に築造された古い施設や築造時期が明らかでない施設が多く、管理が適正に行われなくなることが懸念される状況にある。よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。

一都道府県及び市町村が農業用ため池の適正な管理及び保全に関する施策を講ずるに当たって、農業用ため池に係る正確な情報が、都道府県の整備する農業用ため池に関するデータベースに蓄積されることが前提となる。このため、所有者等による届出が確実に行われるよう周知徹底を図るとともに、市町村が農業用ため池に係る情報を把握できるよう配慮すること。

二決壊による水害等により周辺区域に被害を及ぼすおそれがあるため池の防災工事が迅速かつ確実に行われるよう、特定農業用ため池の指定の要件を適切に定めること。

三農業用ため池の管理や廃止に当たっては、地域における水利用の在り方、農業用ため池の位置付け、必要な対策について、農業用ため池の所有者・管理者、農業用水の供給を受ける農業者及び地方公共団体の関係者が十分に話し合いを行うよう、ガイドラインの策定等による支援を行うこと。

四地方公共団体又は農業用ため池の所有者等が施行する防災工事に対して、適切な財政上の支援を確保するとともに、農業用ため池の所有者等が行う適正な管理に対して、必要となる資金面及び技術面からの援助を実施すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119801029)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。