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閣法第198回国会 第31号成立修正あり

国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案

令和元年法律第31号 国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律
提出平成31年2月26日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立
令和元年法律第31号
審議会議 13回・発言 1,107(政府答弁等 387)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. H31.4.25趣旨説明・質疑本会議 2136
  2. R1.5.8趣旨説明農林水産委員会 9144
  3. R1.5.9質疑農林水産委員会 10141
  4. R1.5.14参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 1188
  5. R1.5.15質疑農林水産委員会 12215
  6. R1.5.16修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案農林水産委員会 1323
  7. R1.5.21委員長報告・討論・採決本会議 2529

参議院農林水産委員会

  1. R1.5.22趣旨説明・質疑本会議 1916
  2. R1.5.23趣旨説明・質疑農林水産委員会 11207
  3. R1.5.28参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 1266
  4. R1.5.30質疑農林水産委員会 13213
  5. R1.6.4質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 1473
  6. R1.6.5委員長報告・討論・採決本会議 2379

提案理由

吉川貴盛 農林水産大臣 平成31年4月25日

国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 我が国の森林については、戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎えております。この森林資源を伐って、使って、植えるという形で循環利用していくことで、先人の築いた貴重な資産を継承、発展させることが、これからの森林・林業政策の主要課題であります。

 こうした課題に対応するため、昨年の第百九十六回国会で成立した森林経営管理法においては、経営管理が不十分な民有林を意欲と能力のある林業経営者に集積、集約化する新たな森林管理システムを構築することとされております。

 この新たな森林管理システムを円滑に実施し、こうした林業経営者を育成するためには、安定的な事業量の確保が必要となります。そのためには、民有林からの木材供給を補完する形で、国有林から、長期、安定的に林業経営者が樹木を採取できるよう措置することが有効であります。

 このような認識の下、効率的かつ安定的な林業経営の育成を図るため、国有林野の一定区域において、国有林野の公益的機能の維持増進や地域の産業振興等に配慮した上で、木材の需要者と連携する事業者が、一定期間、安定的に樹木を採取できる権利を創設するとともに、併せて、川上側の林業と木材の需要拡大を行う川中、川下側の木材関連産業の連携により木材の安定供給を確保する環境整備を行うため、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、樹木採取権の設定についてであります。

 農林水産大臣は、効率的かつ安定的な林業経営の育成を図るため、国有林野の一定の区域を樹木採取区として指定した上で、当該区域において生育している樹木を、一定の期間、安定的に採取する権利として、樹木採取権を設定することができるものとしております。

 第二に、樹木採取権の設定を受ける者の選定についてであります。

 樹木採取権の設定を受ける者については、農林水産大臣が公募を行い、公募に応じた者のうちから、森林の経営管理を効率的かつ安定的に行う能力を有することや、民有林からの木材の供給を圧迫することがないよう林業経営者が川中、川下側の木材関連業者と連携すること等を条件とした上で、地域における産業の振興への寄与の程度等を勘案し、選定するものとしております。

 第三に、樹木採取権の行使についてであります。

 国有林野の公益的機能の維持増進等を図るため、樹木採取権の設定を受けた者は、事業を開始する前に、施業の計画や現行の国有林における伐採のルールなど樹木の採取の具体的な条件等を定めた契約を五年ごとに農林水産大臣と締結しなければならないものとしております。この契約に係る重大な違反があったとき等の場合は、農林水産大臣は樹木採取権を取り消すことができるものとしております。

 第四に、樹木の採取跡地における植栽についてであります。

 農林水産大臣は、樹木採取区内の樹木の採取跡地において国有林野事業として行う植栽の効率的な実施を図るため、樹木採取権者に対し、当該植栽をその樹木の採取と一体的に行うよう申し入れるものとしております。

 第五に、木材の安定取引に取り組む事業者に対する金融上の措置についてであります。

 独立行政法人農林漁業信用基金は、林業経営者と川中、川下側の木材関連業者が、木材の需要の開拓等に関する事業計画を共同で作成し、都道府県知事等の認定を受けた場合に、その計画に係る事業に必要な資金の供給を円滑にするため、資金の貸付け及び債務の保証を行うものとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願いを申し上げます。(拍手)

     ————◇—————

 国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

第198回国会衆議院会議録第21号6頁(平成31年4月25日)〔吉川貴盛農林水産大臣発言・発言番号20〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会令和元年5月16日

我が国の国土面積の約二割、森林面積の約三割を占める国有林野は、重要な国民共通の財産であり、国土の保全、水源の涵養、林産物の供給等、広く国民全体の利益につながる多面的機能を有している。また、国有林野事業は、平成十年度の抜本的改革で「公益的機能の維持増進」を旨とする管理経営方針に大きく転換し、平成二十五年度には公益重視の管理経営を一層推進するとともに、一般会計で行う事業に移行している。昨今、頻発している自然災害への対応や、地球温暖化防止に対する国民の強い関心等も踏まえ、国有林野の有する公益的機能は、より一層十全に発揮されることが求められている。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記

一国民共通の財産である国有林野の管理経営は、国民の理解と協力を得ながら適切に行う必要があることを再認識し、今後とも、公益重視の管理経営を一層推進していくとともに、多様な機能の発揮に対する国民の期待に応えるため、引き続き、国が責任を持って一元的に行うこと。

二樹木採取権の設定及び樹木採取区の指定に当たっては、地域における継続的・安定的な雇用の拡大、産業の発展及び所得水準の向上等の地域における産業の振興に対する寄与の程度を重視して行うとともに住民の福祉の向上に寄与する取組を妨げないよう配慮すること。その際、地域の中小規模の林業経営者等の育成整備につながるよう配慮するとともに、地域産業に悪影響を及ぼさないよう配慮すること。

三樹木採取権実施契約に含むこととなる施業の計画は、国有林の公益的機能が維持増進されるよう、管理経営基本計画及び地域管理経営計画に適合したものとなるよう関係者に周知すること。

四樹木採取区の指定に当たっては、地域の林業経営者等の育成整備に資する観点から、従来から国有林野事業が行っている立木販売事業や伐採請負事業はもとより、民有林の経営に悪影響を生じさせないようにすること。

五樹木採取権の存続期間は、制度の適正かつ安定的な運用と地域の実情を踏まえた林業経営者等の育成を図るとともに、適時適切にその検証を行い、十年を基本とすること。

六公益的機能の維持増進及び資源の循環利用の観点から、樹木採取権者と樹木採取権実施契約を締結する際には、樹木の採取と採取跡地における植栽を一体的に行わなければならないことを、契約書において明確化すること。また、採取跡地における植栽を適切に行うことのできる技術と能力を有する者を早急に育成するとともに、技術開発による機械化を促進すること。

七林業の担い手の育成・確保のため、森林に関する知識の普及・啓発を行うとともに、新規就業者やその希望者に対する林業の技術及び経営に関する研修を充実強化すること。また、林業経営者の経営改善、労働安全衛生の強化をはじめとする就業環境改善に向けた対策の強化を図ること。

八木材の安定供給、造林・保育・間伐等の施業の効率化、森林の有する多面的機能を持続的に発揮していくために必要不可欠な路網整備、鳥獣被害対策、立地条件等に応じた針広混交林化等の多様な森林づくりを推進するとともに、所要の予算を確保すること。

九本法による措置が木材価格の下落につながることのないよう木材の需給動向を十分勘案し、万全の措置を講ずること。また、国産材の供給量の増加に見合った需要拡大のため、公共建築物等の木造化・木質化、輸出力の強化、CLT等の新製品・技術の開発・普及・新規需要の創出等を加速化し、川上から川下までの安定的、効率的な供給体制が構築されるよう必要な措置を講ずること。

十公益重視の管理経営はもとより、地域の実情に即した林業経営の低コスト化等に向けた先駆的な技術の開発・普及と民有林との連携の更なる推進のため、森林管理局等の地方組織の職員の人材育成、適正配置など、国有林野事業の実施体制を強化すること。

参議院 農林水産委員会令和元年6月4日

我が国の国土面積の約二割、森林面積の約三割を占める国有林野は、重要な国民共通の財産であり、国土の保全、水源の涵養、林産物の供給等、広く国民全体の利益につながる多面的機能を有している。また、国有林野事業は、平成十年度の抜本的改革で「公益的機能の維持増進」を旨とする管理経営方針に大きく転換し、平成二十五年度には公益重視の管理経営を一層推進するとともに、一般会計で行う事業に移行している。昨今、頻発している自然災害への対応や、地球温暖化防止に対する国民の強い関心等も踏まえ、国有林野の有する公益的機能は、より一層十全に発揮されることが求められている。よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。

一国民共通の財産である国有林野の管理経営は、国民の理解と協力を得ながら適切に行う必要があることを再認識し、今後とも、学識経験を有する者の意見も取り入れ、生物多様性の保全や災害防止等の森林の公益的機能を重視した管理経営を一層推進していくこと。また、多様な機能の発揮に対する国民の期待に応えるため、引き続き、国が責任を持って一元的に行うこと。

二樹木採取権の設定及び樹木採取区の指定に当たっては、地域における継続的・安定的な雇用の拡大、産業の発展及び所得水準の向上等の地域における産業の振興に対する寄与の程度を重視して行うとともに住民の福祉の向上に寄与する取組を妨げないよう配慮すること。その際、地域の中小規模の林業経営者等の育成整備につながるよう配慮するとともに、地域産業に悪影響を及ぼさないよう配慮すること。

三樹木採取権実施契約に含むこととなる施業の計画は、国有林の公益的機能が維持増進されるよう、管理経営基本計画及び地域管理経営計画に適合したものとなるよう関係者に周知すること。

四樹木採取区の指定に当たっては、地域の林業経営者等の育成整備に資する観点から、従来から国有林野事業が行っている立木販売事業や伐採請負事業はもとより、民有林の経営に悪影響を生じさせないようにすること。また、公益的機能の維持増進に悪影響を及ぼさないよう、森林の特性に応じたゾーニングを踏まえ、樹木採取区の指定を行うこと。その際、関係自治体及び学識経験を有する者の意見も聴くこと。

五樹木採取区において皆伐を行う際には、斜面崩壊等による森林の裸地化を極力回避するため、森林の気候条件、斜度等を加味した上で、伐採面積が過大なものとならないよう配慮すること。

六樹木採取権の存続期間は、制度の適正かつ安定的な運用と地域の実情を踏まえた林業経営者等の育成を図るとともに、適時適切にその検証を行い、十年を基本とすること。

七公益的機能の維持増進及び資源の循環利用の観点から、樹木採取権者と樹木採取権実施契約を締結する際には、樹木の採取と採取跡地における植栽を一体的に行わなければならないことを、契約書において明確化すること。また、樹木採取権者が契約を履行しなかった場合は、国による確実な再造林を行うこと。

八採取跡地における植栽を適切に行うことのできる技術と能力を有する者を早急に育成するとともに、技術開発による機械化を促進すること。

九林業の担い手の育成・確保のため、森林に関する知識の普及・啓発を行うとともに、新規就業者やその希望者に対する林業の技術及び経営に関する研修を充実強化すること。また、林業経営者の経営改善、労働安全衛生の強化をはじめとする就業環境改善に向けた対策の強化を図ること。

十木材の安定供給、造林・保育・間伐等の施業の効率化、森林の有する多面的機能を持続的に発揮していくために必要不可欠な路網整備、鳥獣被害対策、立地条件等に応じた広葉樹林化及び針広混交林化等の多様な森林づくりを推進するとともに、所要の予算を確保すること。

十一本法による措置が木材価格の下落につながることのないよう木材の需給動向を十分勘案し、万全の措置を講ずること。また、国産材の供給量の増加に見合った需要拡大のため、公共建築物等の木造化・木質化、輸出力の強化、CLT等の新製品・技術の開発・普及・新規需要の創出等を加速化し、川上から川下までの安定的、効率的な供給体制が構築されるよう必要な措置を講ずること。

十二公益重視の管理経営はもとより、地域の実情に即した林業経営の低コスト化等に向けた先駆的な技術の開発・普及と民有林との連携の更なる推進のため、森林管理局等の地方組織の職員の人材育成、適正配置など、国有林野事業の実施体制を強化すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119801031)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。