特許法等の一部を改正する法律案
参議院 経済産業委員会
令和元年法律第3号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院経済産業委員会
- H31.4.10趣旨説明経済産業委員会 6218
- H31.4.12質疑・採決・附帯決議経済産業委員会 7186
- H31.4.16委員長報告・採決本会議 1936
参議院経済産業委員会
- H31.4.25趣旨説明経済産業委員会 65
- R1.5.9質疑・採決・附帯決議経済産業委員会 7157
- R1.5.10委員長報告・採決本会議 1664
提案理由
世耕弘成 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 平成31年4月10日特許法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
第四次産業革命により既存の業種の垣根を越えたオープンイノベーションが進む中、中小・ベンチャー企業がすぐれた技術を生かして飛躍するチャンスが拡大しております。また、商品、サービスそのもののみならず、すぐれたデザインを提供し、ユーザーの満足度を高めることが、競争力を左右する重要な要素になってきております。
こうした状況を踏まえ、苦労して取得した権利で大切な技術等を十分に守れるよう、産業財産権に関する訴訟制度を改善するとともに、デジタル技術を活用したデザインの保護やブランド構築等のため、意匠制度等を強化する必要があることから、本法律案を提出した次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、産業財産権に関する訴訟制度の見直しです。
第一に、特許権の侵害の可能性が高い場合には、裁判所が選定する中立な技術専門家が被疑侵害者の工場等に立ち入り、特許権の侵害立証に必要な調査を行い、裁判所に報告書を提出する制度を創設します。
第二に、侵害者が得た利益のうち、権利者の生産能力等を超えるとして賠償が否定されていた部分について、侵害者にライセンスしたとみなして損害賠償を請求できるようにする等、損害賠償額の算定方法を見直します。
次に、意匠制度の改善です。
第一に、物品に記録、表示されていない画像デザインや、建築物の外観、内装のデザインを、新たに意匠法の保護対象とします。
第二に、自己の登録意匠等に類似する意匠の登録を認める関連意匠制度を拡充し、一貫したコンセプトに基づき開発されたデザインの保護を可能とします。
第三に、意匠権の存続期間を、登録日から二十年から、出願日から二十五年に変更します。
第四に、模倣品の取締りを回避する目的で侵害品を構成部品に分割して製造、輸入する等の行為を意匠権侵害とみなし、取り締まれるようにします。
次に、商標制度の改善です。
国、地方公共団体、非営利の公益団体等がみずからを表示する著名な商標権について、他人に通常使用権を許諾することを可能とします。
以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
第198回国会衆議院経済産業委員会議録第6号23頁(平成31年4月10日)〔世耕弘成経済産業大臣発言・発言番号216〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
高齢化社会・人口減少社会などの社会問題に対処し、経済産業の活性化を図るため、イノベーションの促進・強化と日本社会への実装化が極めて重要である。この問題意識に基づき、政府は本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一特許法等の知的財産制度を有効に機能させ、かつ、その社会的役割が十分に発揮されるよう、制度の不断の見直しを行うとともに、制度運用の実効性を注視していくこと。
二いわゆる「懲罰的賠償制度」及び「二段階訴訟制度」の導入については、諸外国の動向も注視しつつ、引き続き検討すること。
三厳しい国際競争環境の下、懲罰的賠償制度の導入や証拠収集制度の見直し等、諸外国における知的財産制度改革が急激に進展する状況において、諸外国で活動する日本国民が不利になることのないよう注視し、状況の変化に応じてスピード感のある制度改革が実現できるよう、諸外国における関連情報の収集・分析を強化すること。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一我が国産業の国際競争力強化やイノベーション創出等の重要性に鑑み、特許法等の知的財産制度が有効に機能し、その役割が十分に果たされるよう、諸外国における制度改革の進展に適切に対応しつつ、制度の不断の見直しを行うとともに、制度運用の実効性を注視していくこと。
二新たに創設される査証制度については、営業秘密等の保護に留意しつつ、必要な査証が適切に実施され、実効的な権利保護が図られるよう、その運用について適宜検証し、必要な見直しの検討を行うこと。
三いわゆる「懲罰的賠償制度」及び「二段階訴訟制度」の導入については、諸外国の動向も注視しつつ、引き続き検討すること。
四意匠権の保護対象の拡充に当たっては、クリアランス負担の軽減や十分な審査体制の確保に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119801032)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。