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国会審議›第200回国会›閣法第5号
閣法第200回国会 第5号成立

農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律案

令和元年法律第57号 農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律
提出令和元年10月11日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立
令和元年法律第57号
審議会議 6回・発言 348(政府答弁等 136)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. R1.10.29趣旨説明農林水産委員会 34
  2. R1.11.6質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 5153
  3. R1.11.7委員長報告・採決本会議 541

参議院農林水産委員会

  1. R1.11.12趣旨説明農林水産委員会 3148
  2. R1.11.19質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 4166
  3. R1.11.20委員長報告・採決本会議 535

提案理由

江藤拓 農林水産大臣 令和元年10月29日

農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 我が国の農林水産物、食品の輸出については、日本食への世界的な関心の高まりや日本産農林水産物、食品に対する高い信頼等を背景に急増しているところですが、輸出を更に増大させていくためには、輸出先国との協議により輸出可能な国や農林水産物、食品の幅を広げるとともに、輸出先国の規制等に適合した農林水産物、食品の生産を拡大していく必要があります。このため、農林水産物、食品の輸出の促進に政府が一体となって戦略的に取り組むための体制を整備するとともに、輸出証明書の発行などの手続の整備や、輸出のための取組を行う事業者の支援を行っていくことが重要であります。

 こうした観点から、農林水産省に農林水産物・食品輸出本部を設置し、同本部に、農林水産物、食品の輸出の促進に関する実行計画を作成するとともに、輸出を円滑化するための措置や、輸出事業計画の認定等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、農林水産物・食品輸出本部の設置についてであります。

 農林水産大臣を本部長とする農林水産物・食品輸出本部を設置し、輸出の促進に関する基本的な政策の企画立案及び推進や、関係行政機関の事務の調整を行うこととしております。また、本部は、輸出の促進に関する基本方針や、具体的な対応を明らかにした実行計画を作成し、進捗状況を管理することとしております。

 第二に、国等が講ずる輸出を円滑化するための措置についてであります。

 主務大臣及び都道府県知事等は、輸出証明書の発行、輸出先国が定める要件に適合する生産区域の指定及び加工施設の認定をすることができることとしております。また、加工施設の認定については、主務大臣の登録を受けた民間の専門能力のある機関も行うことができることとしております。

 第三に、輸出事業計画の認定についてであります。

 事業者が輸出の拡大のため生産の合理化等を図る輸出事業計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けた場合には、日本政策金融公庫による長期低利融資等の支援措置を受けられることとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

第200回国会衆議院農林水産委員会議録第3号1頁(令和元年10月29日)〔江藤拓農林水産大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会令和元年11月6日

我が国では、人口減少や高齢化を背景に、今後国内の食市場は縮小する一方、世界に目を転じると、アジアを中心とした新興国では経済成長、人口増加が進んでおり、世界全体の食市場は大きく拡大するものと見込まれている。また、我が国の農林水産物・食品は、安全でおいしいと諸外国から高い評価を受けており、農林水産物・食品の輸出額は昨年まで六年連続で過去最高を更新している。こうした中、世界の食市場の更なる獲得に向けては、成長著しいアジア諸国のみならず、富裕層を擁する欧米の大市場も重視した、一層、戦略的・積極的な取組が必要である。しかしながら、輸出先国政府による食品安全、動植物検疫上の規制が我が国の農林水産物・食品の輸出拡大の障害となる事例があることに加え、一部の国・地域が平成二十三年の原発事故に伴う輸入規制措置を依然として実施しているなど、厳しい課題にも直面している。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記

一農林水産物・食品輸出本部が輸出促進を担う司令塔組織として十分に機能するよう、実効ある組織体制を整備すること。

二流通の広域化や国際化が進む中で、日本産農林水産物・食品のブランド力を維持・向上し、競争力を強化していくため、GAP認証等、世界の食市場において通用する認証を取得しようとする取組を更に推進すること。

三食品・農林水産物等の輸入条件としてHACCPの取組を求める動きが世界的に広がっている現状を踏まえ、HACCPの導入等に取り組む事業者に対し、その事業規模に即したきめ細かな支援措置を実施すること。

四我が国の地理的表示や地名の海外における不正使用や、第三者による商標登録、植物新品種の海外流出が行われないよう、適切に対応すること。また、農林水産業の輸出力強化に向け、知的財産の戦略的活用に取り組むこと。

五和牛は関係者が長い年月をかけて改良してきた我が国固有の貴重な財産であり、不正に外国に持ち出されたり、使用されたりすることのないよう、流通管理の在り方や知的財産としての遺伝資源の保護の在り方について、法整備も含めた検討を加速すること。

六原発事故に伴う輸入規制措置の緩和・撤廃に向けて、政府間交渉に必要な情報・科学データの収集・分析等を十分に行い、諸外国・地域に正確な情報を提供した上で、科学的根拠に立った対応を引き続き強く要請すること。

七昨年九月に国内において二十六年ぶりに発生した豚コレラについて、その発生及び感染拡大の原因を徹底的に究明・分析した上で、あらゆる手段を行使し、将来の輸出拡大も見据え、一刻も早い事態の終息に努めること。

八農林水産物・食品の輸出促進に取り組むに当たっては、農林漁業者の経営の安定と所得の向上、農山漁村の活性化に資するよう、十分留意すること。

参議院 農林水産委員会令和元年11月19日

我が国では、人口減少や高齢化を背景に、今後国内の食市場は縮小する一方、世界に目を転じると、アジアを中心とした新興国では経済成長、人口増加が進んでおり、世界全体の食市場は大きく拡大するものと見込まれている。また、我が国の農林水産物・食品は、安全でおいしいと諸外国から高い評価を受けており、農林水産物・食品の輸出額は昨年まで六年連続で過去最高を更新している。こうした中、世界の食市場の更なる獲得に向けては、成長著しいアジア諸国のみならず、富裕層を擁する欧米の大市場も重視した、一層、戦略的・積極的な取組が必要である。しかしながら、輸出先国政府による食品安全、動植物検疫上の規制が我が国の農林水産物・食品の輸出拡大の障害となる事例があることに加え、一部の国・地域が平成二十三年の原発事故に伴う輸入規制措置を依然として実施しているなど、厳しい課題にも直面している。よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。

一農林水産物・食品輸出本部が輸出促進を担う司令塔組織として十分に機能するよう、実効ある組織体制を整備すること。

二農林水産物・食品の輸出に必要な輸出証明書の申請及び発行その他の手続並びに相談についてワンストップサービスを早期に構築するなど、輸出に取り組む事業者の負担軽減措置の実現に早急に取り組むこと。また、農林水産物・食品の輸出に取り組む農林漁業者が、自らの輸出産品及び輸出先国・地域に適した地域商社・海外バイヤー等とのマッチングが適切に実現するよう、十分に支援すること。

三輸出証明書の発行、生産区域の指定、加工施設の認定等を行う地方自治体及び加工施設の認定等を行う登録認定機関がその業務を適切かつ円滑に行うことができるよう、輸入規制の基準等の解釈その他の情報を適時適切に共有するとともに、これら関係機関との連携強化に努めること。

四流通の広域化や国際化が進む中で、日本産農林水産物・食品のブランド力を維持・向上し、競争力を強化していくため、GAP認証等、世界の食市場において通用する認証を取得しようとする取組を更に推進すること。

五食品・農林水産物等の輸入条件としてHACCPの取組を求める動きが世界的に広がっている現状を踏まえ、HACCPの導入等に取り組む事業者に対し、その事業規模に即したきめ細かな支援措置を実施すること。

六我が国の地理的表示や地名の海外における不正使用や、第三者による商標登録、植物新品種の海外流出が行われないよう、適切に対応すること。また、農林水産業の輸出力強化に向け、知的財産の戦略的活用に取り組むこと。

七和牛は関係者が長い年月をかけて改良してきた我が国固有の貴重な財産であり、不正に外国に持ち出されたり、使用されたりすることのないよう、流通管理の在り方や知的財産としての遺伝資源の保護の在り方について、法整備も含めた検討を加速すること。

八原発事故に伴う輸入規制措置の緩和・撤廃に向けて、政府間交渉に必要な情報・科学データの収集・分析等を十分に行い、諸外国・地域に正確な情報を提供した上で、科学的根拠に立った対応を引き続き強く要請すること。

九昨年九月に国内において二十六年ぶりに発生したCSF(豚コレラ)について、その発生及び感染拡大の原因を徹底的に究明・分析した上で、あらゆる手段を行使し、将来の輸出拡大も見据え、一刻も早い事態の終息に努めること。

十農林水産物・食品の輸出促進に取り組むに当たっては、農林漁業者の経営の安定と所得の向上、農山漁村の活性化に資するよう、十分留意すること。

十一輸出促進にあわせて、我が国農林水産業の生産基盤の強化と生産の拡大を図り、国産農林水産物を原材料とする高付加価値商品等の研究開発及び成果利用の促進に対する支援を拡充すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120001005)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。