国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案
参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会
令和2年法律第34号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方創生に関する特別委員会
- R2.4.2趣旨説明・質疑本会議 1441
- R2.4.2趣旨説明地方創生に関する特別委員会 44
- R2.4.7質疑地方創生に関する特別委員会 5225
- R2.4.15討論・採決地方創生に関する特別委員会 6115
- R2.4.16委員長報告・討論・採決本会議 1937
参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会
- R2.5.13趣旨説明・質疑本会議 1630
- R2.5.13趣旨説明地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 44
- R2.5.15質疑地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 5149
- R2.5.22質疑・討論・採決・附帯決議地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 6166
- R2.5.27委員長報告・討論・採決本会議 1948
提案理由
北村誠吾 内閣府特命担当大臣(規制改革・地方創生) 令和2年4月2日国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
国家戦略特区は、岩盤のように固い規制や制度を打ち砕き、我が国経済社会の構造改革を進める突破口として、待機児童の解消、先端医療の促進、農業への民間参入、新たな観光市場の開拓といった多様な分野において、これまでに百一項目の規制改革を実現いたし、これらを活用した合計三百四十五の事業を実行に移してまいりました。
我が国における地域課題、とりわけ人口減少、超高齢化、労働人口の減少等に的確に対応するには、AIやビッグデータの活用を含む、我が国が有する最先端技術を暮らしに実装し、未来の生活を先行実現することが不可欠であります。国際的にも、これらの最先端技術を取り込んだまちづくりが急速に進みつつあります。我が国においてもその場を積極的に創出していかなければ、第四次産業革命の成果を自国の経済活力に取り入れるための世界的な競争に取り残されてしまいかねません。
本法律案は、こうした情勢を背景として、国家戦略特別区域会議や全国の地方公共団体、産業界からの提案を踏まえ、国家戦略特別区域諮問会議等において検討した結果に基づき、第四次産業革命における最先端技術を活用し、未来の暮らしを先行実現するスーパーシティー構想の実現に向けた制度の整備など、地域から要望の強い、新たな制度改革事項を盛り込んだものであります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、スーパーシティー構想の実現に向け、複数の先端的サービス間でデータを収集、整理いたし、提供するデータ連携基盤の整備事業を法定化し、事業の実施主体が、国や自治体等に対して、その保有するデータの提供を求めることができる規定を盛り込むこととしております。
また、スーパーシティーを構成する複数の先端的サービス事業が、同時かつ一体的に実現できるよう、複数分野の規制改革を一体的、包括的に進める特別の手続を規定することとしております。
さらに、スーパーシティーについて、各府省による協力を強化するために国がデータ連携基盤を整備する者を援助する規定、データ連携基盤整備事業の実施主体に都市間の相互連携強化のための基準を遵守させる規定を盛り込むとともに、法施行後三年以内を目途に施策を検討し必要な措置を講じることを規定することとしております。
第二に、自動車の自動運転、無人航空機の遠隔操作又は自動操縦その他の技術革新の進展に即応した高度な産業技術の有効性の実証を行う事業を定めた区域計画において、関係行政機関の同意の上、内閣総理大臣の認定を受けたときには、道路運送車両法等の関連四法の特例措置を受けられることとしております。
第三に、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業について、認定を受けることができない者として、暴力団員等を規定するとともに、認定を受けた事業者に対する立入検査及び業務改善命令、それらの違反者に対する罰則についての規定を盛り込むこととしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたす次第であります。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
――――◇―――――
国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第201回国会衆議院会議録第14号13頁(令和2年4月2日)〔北村誠吾内閣府特命担当大臣(規制改革発言・発言番号33〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一国家戦略特別区域制度の運用に当たっては、いやしくも特定の者や、その関連企業に不当な利益を与え、国民の疑惑や不信を招くことのないよう、その公平性・透明性を十分確保すること。
二国家戦略特別区域における規制改革事項を決定する場合には、指定及び決定に至る全ての過程の透明性・公正性の確保、議事内容の速やかな公表等を求めた平成二十九年の国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の趣旨を徹底すること。
三地方公共団体の長等を構成員とする国家戦略特別区域会議(以下「区域会議」という。)に特定の事業者を構成員として追加する際には、その過程や議論の内容等に関する情報公開の徹底により、公平性、公正性及び透明性を確保すること。
四スーパーシティ事業を実施する際の標準的な接続仕様(API)の設計に際しては、その過程や事業者の選定及び議論の内容等について、情報公開の徹底により透明性を確保すること。
五スーパーシティとする区域の指定基準を、国家戦略特別区域基本方針に定めるに当たっては、当該区域において住民満足度を高め、暮らしの課題を解決する観点から、推進する利点のみならず、プライバシー侵害への懸念等に対しても十分な説明と配慮がなされ、住民自治や民主主義に基づく決定や運用が担保される「住民目線の構想」が策定されるようにすること。
六住民合意を要件として行う規制の特例措置の求めについては、国家戦略特別区域諮問会議が内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告できることも踏まえ、内閣総理大臣はスーパーシティに係る基本方針を定めるに当たっては地方自治の尊重を徹底すること。
七スーパーシティ事業における新たな規制の特例措置を求めるに当たって必要となる住民合意については、住民の意向を十分に反映させるとの観点から、内閣府は、区域会議において、具体的かつ明確な手続を定めるよう努めること。その際、内閣府令で定めるところにより添付することとされている「住民合意を証する書面」が何を指すものなのか、議会による否決は可能なのかも含め、地方公共団体に対し明確に示すこと。また合意後も、住民が継続的に関与する仕組みを検討すること。
八国家戦略特別区域データ連携基盤整備事業を行う実施主体に適用する安全管理基準は、個人情報の流出防止に万全を期したものを策定するとともに、その実施主体に対して、当該基準の遵守を徹底させること。またスーパーシティ事業を行う事業者に対し、本人の同意なしに顔認証システムによる個人情報の収集が行われることのないよう、個人情報保護関係法令の遵守を徹底し、サイバーセキュリティや、個人情報の流出防止を徹底するよう指導すること。
九国や地方公共団体が、住民個人への合意や通知なく、個人情報を事業者に提供することのないよう、区域会議はプライバシー権や人権、国民の知る権利について考慮すること。その際、区域会議の構成員に事業者が含まれることに鑑み、政府は必要な監視を行うこと。
十スーパーシティ事業に関し、万が一、個人情報が流出した場合に備えて、事後対応、補償措置等に関する運用を明確にすること。
十一スーパーシティ事業に係る個人情報は本人同意の下で取り扱うとしているが、未成年者等、意思表示の難しい者からの「同意」「不同意」取付けの方法については、十分な説明をすること。
十二スーパーシティ内での公共交通機関の縮小や廃止、現金のみの買物ができなくなるなど、新たな格差の発生や社会の寛容性が失われぬよう、デジタルデバイドについても特段の配慮を行うこと。
十三スーパーシティ内で収益が上がらないことを理由に企業が突然、事業撤退することによる住民への影響やリスクを十分に想定し、対応策を講ずること。
十四ライドシェア事業のような安全や雇用に問題が指摘されている事業の実証については、規制法令に違反するものが認定されることのないよう厳に対応すること。
十五国家戦略特別区域革新的技術実証事業(地域限定型の規制のサンドボックス制度)に係る技術実証評価委員会委員の選定に当たっては、評価及び監視の中立性を確保するため、実証事業者と利害関係を有する者を選定しないようにすること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101005)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。