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閣法第201回国会 第34号成立修正あり

年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案

令和2年法律第40号 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律
提出令和2年3月3日 内閣
付託衆議院 厚生労働委員会
参議院 厚生労働委員会
成立
令和2年法律第40号
審議会議 12回・発言 1,533(政府答弁等 614)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院厚生労働委員会

  1. R2.4.14趣旨説明・質疑本会議 1831
  2. R2.4.14趣旨説明厚生労働委員会 8162
  3. R2.4.17質疑・修正案趣旨説明・修正案厚生労働委員会 9181
  4. R2.4.24質疑厚生労働委員会 10172
  5. R2.5.8質疑・修正案撤回・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案厚生労働委員会 11252
  6. R2.5.12委員長報告・採決(修正)本会議 2333

参議院厚生労働委員会

  1. R2.5.15趣旨説明・質疑本会議 1734
  2. R2.5.19趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・質疑厚生労働委員会 12120
  3. R2.5.21質疑厚生労働委員会 13294
  4. R2.5.26参考人招致・参考人質疑・質疑厚生労働委員会 14228
  5. R2.5.28質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 15219
  6. R2.5.29委員長報告・採決本会議 2030

提案理由

加藤勝信 厚生労働大臣 令和2年4月14日

ただいま議題となりました年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 今後の社会経済の変化を展望すると、人手不足が進行するとともに、健康寿命が延伸し、中長期的には現役世代の人口の急速な減少が見込まれる中で、特に高齢者や女性の就業が進み、より多くの人がこれまでよりも長い期間にわたり多様な形で働くようになることが見込まれます。こうした社会経済の変化を年金制度に反映し、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図る必要があります。

 今般、こうした社会経済の変化に対応し、年金制度の機能を強化するため、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、被用者保険の適用範囲を拡大するため、短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件について、段階的に引き下げます。また、五人以上の個人事業所に係る適用業種に、弁護士、税理士等の資格を有する者が行う法律又は会計に係る業務を行う事業を追加します。

 第二に、高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため、在職中の老齢厚生年金受給者の年金額を毎年定時に改定することとします。また、特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、その支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準を引き上げ、支給停止とならない範囲を拡大します。

 第三に、現在六十歳から七十歳までとされている年金の受給開始時期の選択肢を、六十歳から七十五歳までに拡大します。

 第四に、確定拠出年金の加入可能年齢を引き上げるとともに、受給開始時期の選択肢を拡大します。また、確定拠出年金における中小企業向け制度の対象範囲の拡大、企業型確定拠出年金加入者の個人型確定拠出年金加入の要件緩和など、制度面及び手続面の改善を行います。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和四年四月一日としています。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

第201回国会衆議院会議録第18号3頁(令和2年4月14日)〔加藤勝信厚生労働大臣発言・発言番号11〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 厚生労働委員会令和2年5月8日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一短時間労働者に対する被用者保険の適用については、被用者には被用者保険を適用するとの考え方に立ち、更なる適用拡大に向け、検討を促進すること。特に、当分の間の経過措置となっている企業規模要件については、できる限り早期の撤廃に向け、速やかに検討を開始すること。

二被用者保険の適用拡大により保険料負担が増加する中小企業に対しては、各種の支援措置の充実を検討すること。

三今後の年金制度の検討に当たっては、これまでの財政検証において、国民年金の調整期間の見通しが厚生年金保険の調整期間の見通しと比較して長期化し、モデル年金の所得代替率に占める基礎年金の額に相当する部分に係るものが減少していることが示されていることを十分に踏まえて行うこと。

四将来の所得代替率の低下が見込まれる基礎年金の給付水準の引上げ等を図るため、国民年金の加入期間を延長し、老齢基礎年金額の算定の基礎となる年数の上限を四十五年とすることについて、基礎年金国庫負担の増加分の財源確保策も含め、速やかに検討を進めること。

五年金の繰下げ受給については、年金額が増額される一方で、加給年金や振替加算が支給されない場合があること、社会保険料や所得税、住民税の負担が増加する場合があることについても、国民に分かりやすい形で周知徹底すること。

六年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)等が管理・運用する年金積立金については、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことから、市場の動向等を踏まえた適切なリスク管理を行うこと。また、会計検査院から開示を求められていたストレステスト等の中長期のリスク情報については、GPIFの業務概況書に記載するなど少なくとも年一回は公表すること。

七国民が高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を行うに当たって、これに対する支援を公平に受けられるようにする等その充実を図る観点から、個人型確定拠出年金及び国民年金基金の加入の要件、個人型確定拠出年金に係る拠出限度額及び中小事業主掛金を拠出できる中小事業主の範囲等について、税制上の措置を含め全般的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

八年金生活者支援給付金の額その他の事項については、低所得である高齢者等の生活状況、低所得者対策の実施状況及び老齢基礎年金の額等を勘案し、総合的に検討すること。

九今後、社会保障の支え手である現役世代の負担増が見込まれる中、特に子育て世代の負担軽減を図るため、被用者保険には産前産後・育児休業期間の保険料の免除制度が設けられていることを踏まえ、財政負担の在り方にも留意しつつ、国民年金の検討と併せて国民健康保険の保険料における配慮の必要性や在り方等についても検討すること。

参議院 厚生労働委員会令和2年5月28日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一被用者保険の適用については、被用者には被用者保険を適用するとの考え方に立ち、個人事業所に係る適用業種の見直しも含めた更なる適用拡大に向け、検討を促進すること。特に、短時間労働者に対する被用者保険の適用に係る企業規模要件については、あくまで経過措置として規定されたものであり、本来撤廃すべきものであることから、被用者保険の適用拡大により保険料負担が増加する中小企業に対する支援の拡充等を進めつつ、できる限り早期の撤廃に向け、速やかに検討を開始すること。あわせて、労働時間要件及び賃金要件に係る適用拡大についても検討に着手し、早期に必要な措置を講ずること。

二被用者保険適用の可能性があるにもかかわらず、適用されずに取り残されている労働者について適用の徹底を図るとともに、労働政策と連携を図りつつ、脱法的な被用者保険の適用逃れを防止するための対策を講ずること。あわせて、厚生年金保険の適用・徴収対策に係る日本年金機構の組織体制の強化を進めること。

三複数の雇用関係に基づき複数の事業所で勤務する者が、いずれの事業所においても単独では適用要件を満たさないが労働時間等を合算して適用要件を満たす場合について、更なる企業規模要件の見直しとあわせ、実務上の実行可能性も踏まえつつ、雇用保険の取扱い等も考慮し、該当する労働者にふさわしい保障の在り方について検討を行うこと。

四次期財政検証に向けて、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う急速な景気後退や暮らし方、働き方の変化等による社会経済への長期的な影響等について、早期に検討を開始し、その結果を踏まえた財政検証を実施すること。加えて、次期財政検証では、全要素生産性上昇率や実質賃金上昇率の長期の前提について足下の状況を踏まえ、現実的かつ多様な経済前提の下でその結果を示すとともに、モデル年金世帯以外の多様な世帯の所得代替率を試算するなど、より実態に即した検証を行うこと。

五前回の財政検証後に行われたピアレビューで指摘された確率的将来見通しと分布推計について、引き続きその実現について指摘されている様々な課題を含めて検討を行い、その検討結果を公表すること。

六基礎年金制度の創設時において、基礎年金が国民の老後生活の基礎的部分を保障するものとして設定された経緯も踏まえ、将来の所得代替率の低下が見込まれる基礎年金の給付水準の引上げ等を図るため、国民年金の加入期間を延長し、老齢基礎年金額の算定の基礎となる年数の上限を四十五年とすることについて、基礎年金国庫負担の増加分の財源確保策も含め、速やかに検討を進めること。

七年金の繰下げ受給については、年金額が増額される一方で、加給年金や振替加算が支給されない場合があることや、社会保険料、所得税、住民税等の負担が増加することについても、国民に分かりやすい形で周知徹底するとともに、国民が年金額と社会保険料等の負担の変化を簡易にイメージできるような方策を検討すること。

八年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)等が管理・運用する年金積立金については、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことから、市場の動向等を踏まえた適切なリスク管理を行うこと。また、国民が理解しやすい情報開示に努めるとともに、会計検査院から開示を求められていたストレステスト等の中長期のリスク情報については、GPIFの業務概況書に記載するなど少なくとも年一回は公表すること。なお、GPIFの経営委員会の委員構成など年金積立金の管理運用に関して、諸外国の実態にも倣い、被保険者の代表の意向が適切に反映されること等を念頭に置いた制度運営や見直しの検討を行うこと。

九自営業者等の高齢期の経済基盤の充実を図るため、国民年金基金や個人型確定拠出年金(iDeCo)への加入の促進を図ること。また、個人型確定拠出年金の加入者手数料等に係る透明性を確保するため、国民年金基金連合会等に対し、手数料の算定根拠に関する情報公開を定期的に行うよう促すこと。

十昭和六十一年の制度創設以降、共働き世帯が著しく増加しているといった時代の変化を踏まえ、国民年金第三号被保険者制度の在り方について検討を進めること。

十一年金生活者支援給付金の在り方については、低所得である高齢者等の生活状況、低所得者対策の実施状況、老齢基礎年金の額等を勘案し、総合的に検討すること。

十二今後、社会保障の支え手である現役世代の負担増が見込まれる中、特に子育て世代の負担軽減を図るため、被用者保険には産前産後・育児休業期間の保険料の免除制度が設けられていることを踏まえ、財政負担の在り方にも留意しつつ、国民年金における本法附則第二条第四項の検討と併せて国民健康保険の保険料における配慮の必要性や在り方等についても検討すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101034)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。