新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律案
参議院 厚生労働委員会
令和2年法律第54号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院厚生労働委員会
- R2.6.12趣旨説明・質疑・採決・附帯決議厚生労働委員会 18119
- R2.6.12委員長報告・採決本会議 2458
提案理由
加藤勝信 厚生労働大臣 令和2年6月9日ただいま議題となりました新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止のための措置が労働者及び事業主に及ぼす影響の緩和を図ることを目的として、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止のための措置の影響による労働者の失業の予防を図るため、これらの影響により事業主が休業させ、休業期間中の休業手当の支払いを受けることができなかった雇用保険の被保険者に対し、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を支給する事業を実施することができることとしています。
また、雇用保険の被保険者でない労働者についても、予算の定めるところにより、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金に準じて、同趣旨の給付金を支給することができることとしています。
第二に、新型コロナウイルス感染症等の影響による求職活動の長期化等に対応するため、雇用保険の基本手当の受給資格者に対し、その給付日数を六十日、一部の者については三十日延長できることとしています。
第三に、雇用保険の安定的な財政運営を確保するため求職者給付等に要する費用の一部について、令和二年度及び令和三年度に限り、一般会計から雇用勘定に繰り入れることができることとしています。
また、雇用調整助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金及び新型コロナウイルス感染症小学校休業等対応コース助成金を支給する事業に要する費用のうち、当該事業に基づき支給又は助成をする額と基本手当の日額の最高額との差等を考慮して政令で定めるところにより算出した額について、両年度に限り、一般会計から雇用勘定に繰り入れることとしています。
さらに、両年度において、育児休業給付及び雇用安定事業に要する費用を、雇用勘定の積立金から借り入れることができることとしています。
最後に、この法律案の施行期日は、公布の日としています。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。
御審議の上、速やかに可決いただくことをお願いいたします。
第201回国会衆議院厚生労働委員会議録第16号4頁(令和2年6月9日)〔加藤勝信厚生労働大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一新型コロナウイルス感染症対応休業支援金等の事業は、賃金の支払いその他の労働契約に関する労働者及び使用者の自主的な交渉の重要性を勘案し、雇用安定事業その他これに類する事業との関連を十分に勘案しつつ、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の甚大な影響に鑑み限定的に設けられたものであることを十分に踏まえること。
二新型コロナウイルス感染症対応休業支援金等について、休業手当の支払を受けることができない労働者が確実に支給を受けることができるよう、その周知徹底を図ること。
三新型コロナウイルス感染症対応休業支援金等の支給に当たっては、これらの措置が特別の措置であることを踏まえ、休業手当の支払の状況等を勘案して、国民の勤労意欲の増進を阻害することがないよう適切な配慮を行うこと。また、雇用調整助成金のオンライン申請について運用停止が繰り返されていることを踏まえ、申請受付から支給までの事務手続を迅速かつ確実に遂行することができるよう、必要な体制整備に努めること。
四雇用調整助成金の上限額引上げ措置が講ぜられる前に休業手当を支払って雇用調整助成金の支給を受けた事業主が当該措置に応じて休業手当を追加して支払った場合、雇用調整助成金の差額分の追加の支給が可能であることを周知するとともに、上限額引上げ措置が適用される時期に遡って適切に支給できるよう必要な措置を講ずること。
五登録型派遣労働者も雇用調整助成金の対象となることができることから、安易に労働契約の解除をせず雇用を継続することを派遣元事業主に対し指導等を行うこと。
六雇用保険の基本手当の給付日数の延長に関する特例について、全国の公共職業安定所において統一的な取扱いがなされるよう、適用基準の明確化を図ること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一本法に基づく「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金」(以下「休業支援金」という。)及び休業支援金に準じた特別の給付金が創設された場合でも、事業主はその責に帰すべき事由による休業の場合においては労働基準法第二十六条に基づく休業手当を支払う義務を免れるものではなく、雇用調整助成金を活用して積極的に労働者の雇用維持を図ることが基本であることについて、引き続き周知徹底及び必要な指導を行うこと。
二休業支援金の申請に必要な書類及び関連情報について、労働者又は都道府県労働局長からの求めがあった場合には事業主は速やかに協力・対応すべきであり、その旨、通達等により、事業主及び労働者双方への周知徹底を図ること。
三休業支援金については、何より迅速な支給が求められることから、本法の施行後、速やかに申請受付が開始されるよう最大限の努力を払うとともに、申請に必要な書類や手続のできる限りの簡素化を図り、速やかな支給に向けた十分な体制を整備すること。また、給付額の決定に用いられる休業前賃金の算定においては、新型コロナウイルス感染症等の影響で減収となった期間が基準とならないよう柔軟な制度設計を行うこと。
四雇用調整助成金の上限額引上げ措置が講ぜられる前に休業手当を支払って雇用調整助成金の支給を受けた事業主が当該措置に応じて休業手当を追加して支払った場合、雇用調整助成金の差額分の追加の支給が可能であることを周知するとともに、労使間で協定を再締結すること等により休業手当が追加支給された場合には、再申請による助成金の追加支給をできるだけ速やかに実施すること。また、雇用調整助成金の支給の迅速化については、申請書類の更なる簡素化や申請受付・審査体制の一層の強化を図るとともに、オンライン申請については運用停止が繰り返されている問題を踏まえ、再発防止を徹底した上で可能な限り早期の運用再開を図ること。
五休業支援金の支給対象とならない労働者の中にも、休業手当が適切に支払われていない労働者、特に短時間労働者や派遣労働者などの非正規雇用労働者が多数存在する実態を十分に認識し、引き続き事業主には積極的な雇用の維持や休業手当の支払を求めるとともに、その他の生活・生計支援策も最大限に活用して当該労働者の生活を支えること。
六派遣労働者、特に登録型や日雇型の派遣労働者については、三角関係の雇用契約の中でとりわけ弱い立場に置かれている者が多数存在することから、派遣先・派遣元事業主に対して現在有効な派遣契約・雇用契約の維持・継続に努めること及び休業の際に休業手当を支払うことを強く要請するとともに、既に派遣契約・雇用契約が終了している派遣労働者については、早急に次の派遣先が確保されるよう最大限の努力を行うことや、派遣元の従業員として雇用契約を締結し、休業手当の支払や休業支援金の支給対象となるよう努めることなど、政府として積極的な要請・指導を行うこと。
七雇用保険の基本手当の給付日数の延長に関する特例について、全国の公共職業安定所において統一的な取扱いがなされるよう、適用基準の明確化を図ること。
八今後の失業者数の増減や求人数の増減の動向などを注意深くモニターしつつ、失業者の安定的な求職活動を支える措置を積極的に講じていくこと。また、求職者給付や職業訓練受講給付金を受給できない失業者に対する生活支援策の拡充・強化を検討し、必要な措置を講ずること。
九今後、企業の倒産・廃業・休業の動向や失業者数・休業者数の動向などを注意深くモニターし、国民の生活、暮らし、雇用の維持・確保を最大の使命と位置付け、引き続きの雇用・生計維持のための政策を前例にとらわれずに講じていくこと。とりわけ生活保護制度が最後のセーフティネットとして確実に機能し、保護されるべき国民が迅速かつ適切に保護されるよう、地方自治体に対する要請や財政措置を徹底すること。
十国は、地方自治体等が、労働基準法が適用される職員に対し、新型コロナウイルス感染症等の影響により休業させた場合は、同法第二十六条に基づき休業手当を支払うよう、必要な措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101059)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。