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閣法第204回国会 第50号成立

災害対策基本法等の一部を改正する法律案

令和3年法律第30号 災害対策基本法等の一部を改正する法律
提出令和3年3月5日 内閣
付託衆議院 災害対策特別委員会
参議院 災害対策特別委員会
成立
令和3年法律第30号
審議会議 6回・発言 333(政府答弁等 131)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院災害対策特別委員会

  1. R3.4.8趣旨説明災害対策特別委員会 44
  2. R3.4.15質疑・採決・附帯決議災害対策特別委員会 5168
  3. R3.4.16委員長報告・採決本会議 2229

参議院災害対策特別委員会

  1. R3.4.21趣旨説明災害対策特別委員会 55
  2. R3.4.23質疑・採決・附帯決議災害対策特別委員会 6142
  3. R3.4.28委員長報告・採決本会議 1919

提案理由

小此木八郎 国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災・海洋政策) 令和3年4月8日

おはようございます。お世話になります。

 ただいま議題となりました災害対策基本法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 本法律案は、頻発する自然災害に対応して、特定災害対策本部の設置、非常災害対策本部等の本部長及び設置時期の見直し、市町村による個別避難計画の作成、避難のための立ち退きの勧告及び指示の一本化、広域にわたる避難住民等の受入れに関する協議手続の整備、災害救助法に基づく救助の対象の拡大等の措置を講ずることで、災害対策の実施体制の強化及び災害時における円滑かつ迅速な避難の確保を図ることを目的とするものであります。

 以上が、この法律案を提出する理由であります。

 次に、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、災害対策の実施体制の強化についてであります。

 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に、当該災害が非常災害に該当するに至らない規模であるものの、地域の状況等を勘案して災害応急対策を推進するために特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、防災担当大臣等を本部長とする特定災害対策本部を設置し、災害応急対策の総合調整等を行うこととしております。

 また、非常災害対策本部の本部長を国務大臣から内閣総理大臣に変更することとし、これに伴い必要となる本部の組織、本部長の権限等に係る規定の整備を行うこととするほか、非常災害対策本部又は緊急災害対策本部を、災害が発生するおそれがある場合から設置できることとしております。

 さらに、中央防災会議の委員として内閣総理大臣が任命する者に、内閣危機管理監を追加することとしております。

 このほか、内閣府設置法において、内閣府に防災分野を掌理する特命担当大臣を必置することとしております。

 第二に、住民等の円滑かつ迅速な避難を確保するための措置の拡充についてであります。

 自ら避難をすることが困難な高齢者等の避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、市町村長は、避難行動要支援者のうち本人の同意を得られた者について、避難支援等の内容を定める個別避難計画の作成に努めなければならないこととしております。また、避難支援等の実施に必要な限度で、当該計画に記載された情報についての市町村内部での利用を可能とするほか、消防機関、民生委員などの避難支援等関係者等への外部提供について、平時には避難行動要支援者及び避難支援等実施者の同意を得た場合又は条例に特別の定めがある場合においてできることとし、災害時にはそれらの者の同意を得なくてもできることとしております。

 また、住民の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、市町村長による避難のための立ち退きの勧告及び指示を指示に一本化し、必要と認める居住者等に対し従来の勧告の段階において指示することができることとするほか、要配慮者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るための必要な情報提供等の配慮を行うものとし、また、事態に照らし緊急を要する等と認めるときは緊急安全確保措置を指示することができることとしております。

 さらに、市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生するおそれがある場合であって、予想される災害の事態に照らし、避難指示の立ち退き先を当該市町村内の避難場所とすることが困難な場合等において、広域的な避難のための居住者等の受入れについて他の市町村長に協議できることとし、協議を受けた市町村長は、正当な理由がある場合を除き、当該居住者等を受け入れることとしております。また、市町村長からの要求に基づき、都道府県知事は、居住者等の受入れについて他の都道府県知事と協議しなければならないこと等とするほか、都道府県知事は、居住者等の運送について運送事業者へ要請することができること等としております。

 このほか、災害救助法において、非常災害等が発生するおそれがある場合において、都道府県知事等は、国の災害対策本部の所管区域とされた市町村の区域内において、同法による救助を実施できることとしております。

 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

 ありがとうございました。

第204回国会衆議院災害対策特別委員会議録第4号1頁(令和3年4月8日)〔小此木八郎国家公安委員会委員長発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 災害対策特別委員会令和3年4月15日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について留意すべきである。

一新たな避難情報の運用開始に当たっては、的確な発令に繋がるよう市町村に対して十分な説明を行うとともに、住民等の確実な避難に繋がるよう制度の周知に努めること。

二国の災害対策本部を設置するに当たっては、「誰も取り残さない」というインクルーシブ防災及びSDGsの概念に鑑み、その構成員には、災害時における男女共同参画担当、障がい者施策担当等の職を務める者が必要に応じて含まれるよう留意すること。特に非常災害対策本部を設置する場合において、当該職を担当する特命担当大臣が設置されているときは、当該特命担当大臣も必要に応じて本部員とするよう努めること。

三各市町村における個別避難計画の作成が進むよう、速やかに取組指針を改定するとともに、災害対応人材の確保、各種の財政措置、先進・優良事例に関する情報の提供、市町村等の情報共有の場の設置等、必要な支援を行うこと。特に、市町村について福祉部局と防災部局の綿密な連携が図られるよう後押しすること。

四障がい者、高齢者等への実効性の高い避難支援を可能とするため、平常時における避難行動要支援者名簿及び個別避難計画に係る情報の避難支援等関係者への事前提供を進めることができるよう、市町村を支援すること。

五水防法等に基づく避難確保計画による避難支援の対象外の避難行動要支援者については、速やかに個別避難計画を作成する等、切れ目のない避難支援が行われるよう、適切な助言をすること。

六福祉避難所の在り方については、「令和元年台風第十九号等を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループ」の最終とりまとめを踏まえ、その改善に努めること。

七広域避難については、地方公共団体の相互応援や民間事業者等との協力に関する協定の締結等、住民等への周知啓発、避難訓練の実施、優良事例に関する情報の提供等、平常時から円滑な実施に向けた取組を進めること。また、広域避難のみならず、自らの地方公共団体内での垂直避難、公共施設や民間の大型商業施設への避難など、現実的に対応可能な複数の避難パターンも組み合わせることで、地域における総合的な避難対策の一層の強化が図られるよう支援すること。

八国、都道府県及び市町村の防災会議の委員の任命については、女性、障がい者、高齢者など多様な主体の視点を取り入れることができるよう、制度及び運用の改善に努めること。

参議院 災害対策特別委員会令和3年4月23日

政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。

一新たな避難情報の運用開始に当たっては、的確な発令につながるよう市町村に対して十分な説明を行うとともに、住民等の確実な避難につながるよう制度の周知に努めること。また、より正確かつ迅速な避難情報を提供するため、AIの活用によるSNS情報の分析、デジタル技術等を活用し、災害リスクの予測精度向上に努めること。

二国の災害対策本部を設置するに当たっては、「誰も取り残さない」というインクルーシブ防災及びSDGsの概念に鑑み、その構成員には、災害時における男女共同参画担当、障がい者施策担当等の職を務める者が必要に応じて含まれるよう留意すること。特に非常災害対策本部を設置する場合において、当該職を担当する特命担当大臣が設置されているときは、当該特命担当大臣も必要に応じて本部員とするよう努めること。

三各市町村における個別避難計画の作成が進むよう、速やかに取組方針を改定するとともに、防災や災害対応人材の確保、各種の財政措置、先進・優良事例に関する情報の提供、市町村等の情報共有の場の設置等、必要な支援を行うこと。特に、市町村について福祉部局と防災部局の綿密な連携が図られるよう後押しすること。

四障がい者、高齢者等への実効性の高い避難支援を可能とするため、平常時における避難行動要支援者名簿及び個別避難計画情報の避難支援等関係者への事前提供を進めることができるよう、市町村を支援すること。なお、個別避難計画情報の提供に当たっては、個別避難計画情報の漏えい防止措置や秘密保持義務が徹底されるよう市町村に必要な助言・指導を行うこと。

五水防法等に基づく避難確保計画による避難支援の対象外の避難行動要支援者については、速やかに個別避難計画を作成する等、切れ目のない避難支援が行われるよう、適切な助言をすること。

六福祉避難所の在り方については、「令和元年台風第十九号等を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループ」の最終とりまとめを踏まえ、要配慮者が福祉避難所等に確実に避難できる環境を整備するとともに、避難計画における保健、医療、福祉的な面を含めた質の確保を図ろうとする市町村への人的・財政的支援を強化すること。

七広域避難については、地方公共団体の相互応援や民間事業者等との協力に関する協定の締結等、住民等への周知・啓発、避難訓練の実施、優良事例に関する情報の提供等、平常時から円滑な実施に向けた取組を進めること。また、広域避難のみならず、自らの地方公共団体内での垂直避難、公共施設や民間の大型商業施設への避難など、現実的に対応可能な複数の避難パターンも組み合わせることで、地域における総合的な避難対策の一層の強化が図られるよう支援すること。

八国、都道府県及び市町村の防災会議の委員の任命については、女性、障がい者、高齢者など多様な主体の視点を取り入れることができるよう、制度及び運用の改善に努めること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120401050)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。