航空法等の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
令和3年法律第65号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- R3.5.12趣旨説明国土交通委員会 15147
- R3.5.14質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 16183
- R3.5.18委員長報告・採決本会議 2726
参議院国土交通委員会
- R3.5.28趣旨説明・質疑本会議 2642
- R3.6.1趣旨説明国土交通委員会 185
- R3.6.3質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 19142
- R3.6.4委員長報告・採決本会議 2873
提案理由
赤羽一嘉 国土交通大臣 令和3年5月12日ただいま議題となりました航空法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
現在、新型コロナウイルス感染症の流行により、過去に例を見ない規模で航空需要の減少が続いており、航空業界は大変厳しい経営状況にございます。こうした状況下においても、航空ネットワークを維持、確保していくため、国と航空会社等が連携し、航空運送事業の基盤強化を図っていく必要がございます。
また、今後の航空需要の回復や国際的なイベントの開催も見据え、航空機や空港を標的としたテロ、ハイジャック等の危害行為の発生を防ぎ、航空機の旅客等の安全を確保するために、航空機に搭乗する旅客に確実に保安検査を受検させるための仕組み等を設ける必要があります。
さらに、ドローンなどの無人航空機は、近年、その利活用が急速に進展しており、人手不足等の社会課題の解決や新たな付加価値の創造に資する技術として、将来に向けてその役割の拡大が期待されております。今後、都市部上空での荷物配送や広域巡回警備、災害対応、インフラ点検等の幅広い用途に無人航空機を有効活用し、多くの人が利便性を享受できるようにするためには、現在飛行を認めていない有人地帯上空での補助者なし目視外飛行、いわゆるレベル4飛行の実現が必要不可欠です。このため、無人航空機が有人地帯の上空を飛行する場合の安全を厳格に担保するための仕組みを整備する必要があります。
このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第でございます。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、世界的規模の感染症の流行等により本邦航空会社の経営に甚大な影響が生じ、安全かつ安定的な航空ネットワークの維持、確保が必要な場合における、国土交通大臣による航空運送事業基盤強化方針の策定や、定期航空旅客運送事業者による航空運送事業基盤強化計画の作成及び届出、その実施状況等の報告等を内容とする制度を構築することとし、あわせて、令和三年度において航空会社等への支援措置を講じることを踏まえた所要の規定を整備することとしております。
第二に、航空機や空港等に対するテロ、ハイジャック等の危害行為の防止のため、航空機に搭乗する旅客等に対し保安検査の受検を義務づけるとともに、保安職員が職務遂行のため必要な指示を出す権限を明確化することといたします。また、国土交通大臣が危害行為防止基本方針を策定し、関係者の役割分担や連携強化について定めるとともに、保安対策全体を主体的にマネジメントすることにより、国のリーダーシップを強めることとしております。さらに、検査会社に対する監督の強化等について規定することとしております。
第三に、無人航空機のレベル4飛行の実現に向け、国土交通大臣による無人航空機の機体の安全性を認証する制度と操縦者の技能を証明する制度を創設することとしております。これにより、技能証明を有する者が、機体認証を受けた無人航空機を、運航管理の方法等を確認するための許可、承認を受けた上で飛行させる場合には、レベル4飛行で想定されている第三者の上空を飛行できるようにいたします。あわせて、これまで国土交通大臣による許可、承認を必要としていた飛行について手続の合理化を進めるとともに、無人航空機を飛行させる者に対する飛行計画の通報や事故等が発生した場合の報告の義務づけなど、運航ルールも整備することとしております。さらに、無人航空機に係る事故等の防止に寄与するため、運輸安全委員会の調査対象となる航空事故に無人航空機に係る事故のうち重大なものを追加することとしております。
そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、何とぞ御審議、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
第204回国会衆議院国土交通委員会議録第15号22頁(令和3年5月12日)〔赤羽一嘉国土交通大臣発言・発言番号145〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一定期航空旅客運送事業者及び国管理空港運営権者への支援に当たっては、新型コロナウイルス感染症の甚大な影響が長期化していることを踏まえ、安全かつ安定的な航空ネットワークが維持されるよう着実に実施すること。
二危害行為防止基本方針においては、ハイジャック・テロ防止対策は、国家安全保障上重要な対策と位置付け、国が責任をもって主導的な役割を果たすものであることを明確に示すとともに、その責任を果たすよう努めること。また、危害行為防止基本方針の策定や変更に当たっては、関係者の意見を十分に踏まえた上で検討すること。そのため、保安検査に関する有識者会議を継続し、関係者の議論の場を設定すること。
三保安検査の実施に当たっては、保安検査の確実性と旅客の利便性との両立を図るため、保安検査員の処遇の改善及び保安検査の質の高度化等の保安対策強化に必要な措置を講じること。また、旅客等に対し、保安検査の受検の義務付け及び妨害行為等の場合の罰則について十分な周知を図ること。
四保安検査における国、地方公共団体、空港会社、航空会社、保安検査会社等の役割分担の見直しについて、諸外国との比較を十分に行い、期間を定めて検討を行うこと。
五保安検査の適正な費用負担の在り方について、早期に見直しを検討すること。特に、航空会社も費用を負担している現在の制度では、民間企業の経営状況でその費用に影響が生じる可能性があることを十分に考慮し、検討を進めること。
六旅客から徴収している保安料については、その位置付けや意義を明確にした上で、旅客に対し周知を行うとともに、保安料の引き上げが必要な場合には、引き上げの意義や必要性について旅客等に丁寧な説明を行うこと。
七無人航空機の有人地帯での補助者なしの目視外飛行については、安全性を最大限確保する必要があることから、運航管理方法に係る許可を行うに際し、飛行の方法及び場所に応じて生じるリスクを十分に審査した上で行うこと。
八無人航空機は、物流等への幅広い活用や国民生活の利便性の向上に寄与することが期待されることから、技術革新等による機体の安全性や性能向上等を検証しつつ、無人航空機に係る規制については、適宜見直しを行うこと。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一定期航空旅客運送事業者及び国管理空港運営権者への支援に当たっては、新型コロナウイルス感染症の甚大な影響が長期化していることを踏まえ、安全かつ安定的な航空ネットワークが維持されるよう着実に実施すること。
二危害行為防止基本方針においては、ハイジャック・テロ防止対策は、国家安全保障上重要な対策と位置付け、国が責任をもって主導的な役割を果たすものであることを明確に示すとともに、その責任を果たすよう努めること。また、危害行為防止基本方針の策定や変更に当たっては、関係者の意見を十分に踏まえた上で検討すること。そのため、保安検査に関する有識者会議を継続し、関係者の議論の場を設定すること。
三保安検査の実施に当たっては、保安検査の確実性と旅客の利便性との両立を図るため、保安検査員の処遇の改善及び保安検査の質の高度化等の保安対策強化に必要な措置を講じること。また、旅客等に対し、保安検査の受検の義務付け及び妨害行為等の場合の罰則について十分な周知を図ること。
四保安検査における国、地方公共団体、空港会社、航空会社、保安検査会社等の役割分担の見直しについて、諸外国との比較を十分に行い、期間を定めて検討を行うこと。
五保安検査の適正な費用負担の在り方について、旅客から徴収している保安料の意義や位置付け、水準の見直しの必要性も含めて、早期に見直しを検討すること。特に、航空会社も費用を負担している現在の制度では、民間企業の経営状況でその費用に影響が生じる可能性があることを十分に考慮し、検討を進めること。
六無人航空機の有人地帯での補助者なしの目視外飛行については、安全性を最大限確保する必要があることから、運航管理方法に係る許可を行うに際し、飛行の方法及び場所に応じて生じるリスクを十分に審査した上で行うこと。
七無人航空機は、物流等への幅広い活用や国民生活の利便性の向上に寄与することが期待されることから、技術革新等による機体の安全性や性能向上等を検証しつつ、無人航空機に係る規制については、適宜見直しを行うこと。
八無人航空機に係る登録講習機関制度等の運用に当たっては、民間団体がこれまでに蓄積してきた知見を十分に活用するとともに、登録講習機関等が実施する講習が一定の教育水準を確保することができるよう、必要な助言・指導を行うこと。
九ラジコン等模型飛行機の登録申請時の負担の発生等により、愛好者が減少し、そのものづくり、文化的価値の継承が困難となるような事態を避けるため、手続の在り方等について、関係者を交え、必要な検討を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120401060)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。