宅地造成等規制法の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
令和4年法律第55号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- R4.3.29趣旨説明・質疑本会議 1529
- R4.4.1趣旨説明国土交通委員会 6176
- R4.4.6視察委員報告・質疑国土交通委員会 7181
- R4.4.8参考人招致・参考人質疑国土交通委員会 8123
- R4.4.13修正案趣旨説明・質疑・修正案国土交通委員会 9315
- R4.4.20修正案撤回・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案国土交通委員会 10147
- R4.4.21委員長報告・討論・採決(修正)本会議 2246
参議院国土交通委員会
- R4.5.11趣旨説明・質疑本会議 2148
- R4.5.12趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・質疑国土交通委員会 12181
- R4.5.17参考人招致・参考人質疑国土交通委員会 1384
- R4.5.19質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 14164
- R4.5.20委員長報告・採決本会議 2440
提案理由
斉藤鉄夫 国土交通大臣 令和4年3月29日宅地造成等規制法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
昨年七月に静岡県熱海市において発生した土石流災害では、多くの貴い生命や財産が失われ、上流部の盛土が崩落したことが被害の甚大化につながったとされております。このほかにも、全国各地で盛土の崩落による人的、物的被害が確認されており、盛土による災害の防止は喫緊の課題となっております。同様の被害が二度と繰り返されることがないよう、盛土等による災害から国民の生命、身体を守る観点から、盛土等を行う土地の用途やその目的にかかわらず、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する法制度を整備することが強く求められております。
このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、危険な盛土等を隙間なく規制するため、都道府県知事等が、宅地、農地、森林等の土地の用途にかかわらず、盛土等により人家等に被害を及ぼし得る区域を規制区域として指定できることとし、農地、森林の造成や土石の一時的な堆積も含め、規制区域内で行われる盛土等を許可の対象とすることとしております。
第二に、盛土等の安全性を確保するため、盛土等を行うエリアの地形、地質等に応じて、災害防止のために必要な許可基準を設定し、工事の計画を事前に審査するとともに、施工状況の定期報告、施工中の中間検査及び工事完了時の完了検査を実施し、許可基準に沿った安全対策の実施を確認することとしております。
第三に、工事後においても継続的に盛土等の安全性を担保するため、盛土等が行われた土地について、土地所有者等が安全な状態に維持する責務を有することを明確化し、災害防止のため必要なときは、都道府県知事等が土地所有者等や他の原因行為者に対して是正措置等を命令することができることとしております。
第四に、違反行為に対する罰則が抑止力として十分に機能するよう、無許可での行為や命令への違反等について、行為者及び法人に対する罰則を大幅に強化することとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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第208回国会衆議院会議録第15号1頁(令和4年3月29日)〔斉藤鉄夫国土交通大臣発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域の指定を円滑に進められるよう、基本方針、政省令等の案をできるだけ早く都道府県等に示すとともに、具体的な盛土計画がある地域を含め基礎調査の予備的な調査を施行日前に実施するよう促し、また、土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づく基礎調査の結果の活用を検討し、基礎調査の早期完了を目指すこと。さらに、これらに必要な財政的支援を検討するとともに、専門的知識を有する職員が不足する地方公共団体への技術的支援のため、地方整備局等に配置する担当職員の増員等、支援に係る体制の整備に努めること。
二盛土等に伴う災害から生命及び財産を守るという目的の重要性に鑑み、想定外の災害が発生しないよう、盛土等に伴う災害のリスクがある区域については、関係行政機関の適切な連携により、的確に規制区域の指定がされるようにすること。規制区域の指定の際に、都道府県等が適切に業務を行うことができるよう、きめ細かなガイドラインの策定や地方公共団体に対する必要な助言等の支援に努めること。
三本法により、地方公共団体は、規制区域の指定や行政代執行等、難しい判断が求められることから、負担の軽減を図るため、必要に応じ有識者等から意見を聴くよう促すこと。
四都道府県は、市町村が有する地形、地質、盛土等に関する情報の共有を図る等市町村との連携を図るよう促すこと。また、工事主が許可の申請を行う際に必要となる説明会等において住民等から出された要望等を踏まえ、周辺環境に十分に配慮した工事が行われるよう取り組むこと。
五盛土等による災害防止のため、規制区域内において、都道府県知事等による勧告、改善命令及び行政代執行が適時適切に実施されるよう、既存不適格である特定盛土等を含め、いかなる基準を満たせば対象となるのかをガイドライン等で明確に示すこと。また、行政代執行に係る必要な財政的支援を検討すること。
六工事許可の技術的基準の策定に当たっては、現行の基準にとらわれることなく、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災等で起きた滑動崩落が起きないことを担保できる厳格な基準とすること。また、宅地造成のための盛土等、建設残土の一時保管のための盛土等、開発のための森林の形質の変更等多様な現場実態やリスクに見合った具体的な基準にすること。
七都道府県知事等による不適切な盛土等の早期発見に資するため、都道府県知事等が地域住民、関係市町村長等から盛土等に関する情報の提供を得られやすい体制の整備を推進すること。また、警察による違法な盛土等の取締りの実効性を高めるため、体制の整備、関係機関との連携等を強化すること。
八近年増加が懸念される所有者不明土地においても不適切な盛土等が発生しないよう、関係行政機関が連携し適切な措置を講じること。
九建設残土の搬入及び搬出について、定期的に実態把握を行うとともに、建設発生土の工事間利用に係るマッチングを推進すること。また、公共工事や民間工事を問わず、可能な限り指定利用等を促すこと。さらに、必要な残土処分場の確保のため、行政による施設確保を含め残土処分場の適正な確保のための方策を検討すること。
十工事主及び工事施行者が建設工事の施工に当たり、できるだけ建設発生土の発生を抑制するよう、設計・工法の改善や場内利用の促進を図ること。
十一本法の今後の施行状況等を踏まえ、盛土等に関する工事に携わる優良な事業者が評価される仕組みについて検討すること。
十二本法の今後の施行状況、関連する法令の運用状況等を踏まえ、本法の規制区域外における規制の在り方並びに大規模な工事から発生した土砂等の管理を適正に行うためのトレーサビリティ制度及び自然災害、大規模な工事等により発生した土砂等の置場が確保されるための具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を検討すること。
十三不適切な盛土等による災害を防止するため、本法と砂防法、森林法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等関係法令を所管する関係府省庁との連携や調整を密に行うこと。また、主務大臣である国土交通大臣と農林水産大臣の権限と責任を明確にすること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域の指定を円滑に進められるよう、基本方針、政省令等の案を可能な限り早期に都道府県等に示すとともに、基本方針等においては、規制区域の全体像及び具体的な内容を示すこと。また、具体的な盛土計画がある地域を含め基礎調査の予備的な調査を施行日前に実施するよう促すとともに、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づく基礎調査の結果の活用を検討し、基礎調査の早期完了を目指すこと。さらに、これらに必要な財政的支援を検討するとともに、専門的知識を有する職員が不足する地方公共団体への技術的支援のため、地方整備局等に配置する担当職員の増員等、支援に係る体制の整備に努めること。
二盛土等に伴う災害のリスクがある区域については、想定外の災害が発生しないよう、都道府県知事等の判断で幅広く柔軟できめ細かく規制区域が指定できるようにするとともに、関係行政機関の連携により、的確に規制区域の指定がなされるようにすること。また、都道府県等の基礎調査による客観的なリスク分析、市町村長の申出や都道府県知事等のパトロールによる政策的判断等、区域指定の意思決定手順を明確にするとともに、規制区域の指定に係る業務を適切に行えるよう、きめ細かなガイドラインの策定や地方公共団体に対する必要な助言等の支援に努めること。さらに、「市街地」、「市街地となろうとする土地の区域」や「斜面地」のいずれにも該当しない平坦で広範な農地等の中に位置する人家や鉄道等の公共公益施設の利用者等に対する安全確保が、限定的な区域指定によって阻害されることのないよう、都道府県知事等による必要かつ十分な規制区域の指定がなされるようにすること。
三本法に基づく都道府県知事等による勧告、改善命令及び行政代執行が適時適切に実施されるよう、既存不適格である特定盛土等を含め、ガイドライン等により、具体的かつ明確な基準等を丁寧に示すこと。また、本法により、地方公共団体は、規制区域の指定や行政代執行等、難しい判断が求められることから、負担の軽減を図るため、必要に応じ有識者等から意見を聴くよう促すこと。さらに、行政代執行に係る必要な財政的支援を検討すること。
四工事許可の技術的基準の策定に当たっては、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災等で見られた滑動崩落の防止を担保できる厳格な基準とすること。また、宅地造成のための盛土等、建設残土の一時保管のための盛土等、開発のための森林の形質の変更等の現場実態やリスクに見合った具体的な基準とすること。加えて、工事許可の申請時に必要となる説明会等での住民等からの要望等を踏まえ、周辺環境や運び込まれる建設残土の環境基準への適否に十分に配慮した工事が行われるよう取り組むこと。
五市町村が有する地形、地質、盛土等に関する情報の共有等、都道府県と市町村との連携を促すこと。また、都道府県知事等が地域住民、関係市町村長等から盛土等に関する情報の提供を得られやすい体制の整備を推進し、不適切な盛土等の早期発見につなげること。さらに、警察による違法な盛土等の取締りの実効性を高めるため、体制の整備、関係機関との連携等を強化すること。
六所有者不明土地においても不適切な盛土等が発生しないよう、関係行政機関が連携し適切な措置を講ずること。
七建設残土の搬入及び搬出の実態を定期的に把握するとともに、建設発生土の工事間利用に係るマッチングを推進すること。また、公共工事や民間工事を問わず、可能な限り指定利用等を促すこと。さらに、必要な残土処分場の適正な確保のための方策について、行政による施設確保を含め検討すること。加えて、建設工事の施工に当たり、建設発生土が可能な限り抑制されるよう、設計・工法の改善や場内利用の促進を図ること。
八本法の施行状況、関係法令の運用状況等を踏まえ、本法の規制区域外における規制の在り方並びに大規模工事から発生した土砂等の管理を適正に行うためのトレーサビリティ制度及び自然災害、大規模工事等により発生した土砂等の置場の確保に向けた具体的な方策について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を検討すること。
九不適切な盛土等による災害を防止するため、本法と砂防法、森林法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の関係法令を所管する関係府省庁間の連携や調整を密に行うこと。また、主務大臣である国土交通大臣と農林水産大臣の権限と責任を明確にすること。
十中間処理場に搬入された建設発生土の適正な処理を担保することの重要性に鑑み、本法による厳格な出口規制と併せて、中間処理場の管理運営の更なる実態把握に努め、必要な対策を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120801045)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。