港湾法の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
令和4年法律第87号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- R4.10.28趣旨説明国土交通委員会 2168
- R4.11.2質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 3198
- R4.11.4委員長報告・採決本会議 634
参議院国土交通委員会
- R4.11.8趣旨説明国土交通委員会 3154
- R4.11.10質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 4141
- R4.11.11委員長報告・採決本会議 666
提案理由
斉藤鉄夫 国土交通大臣 令和4年10月28日ただいま議題となりました港湾法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
港湾は、輸出入貨物の九九・六%が経由する国際サプライチェーンの拠点であり、その周辺地域を含めれば、我が国の二酸化炭素排出量の約六割を占める産業の多くが立地する地域であります。二〇五〇年カーボンニュートラル及び二〇三〇年度温室効果ガス四六%排出削減の実現に向けた動きが加速する中、我が国の港湾及び臨海部産業の競争力の強化並びに脱炭素社会の実現に貢献するため、官民の関係者が連携して計画的かつ効果的に港湾における脱炭素化に取り組む必要があります。
また、一昨年の国際クルーズ船内における感染症の感染拡大により、港湾機能に大きな支障が生じました。この教訓を踏まえ、感染症の感染拡大等の新たなリスクが発生した場合においても港湾機能を確実に維持するため、国が港湾管理者を支援する体制を強化する必要があります。
さらに、地域の交流拠点としての役割を担う港湾の緑地等の老朽化や魅力の低下等に対応するため、民間の活力を最大限生かして、緑地等の再整備と魅力向上とを効果的に推進する必要があります。
このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、官民の連携による脱炭素化の促進に資する港湾の効果的な利用を推進するため、港湾管理者が港湾脱炭素化推進計画を作成することができることとするとともに、同計画の目標を達成するため、港湾管理者が定める区域内における構築物の用途規制を柔軟に設定することができることとする等の措置を講ずることとしております。
第二に、非常災害時に、港湾管理者からの要請に基づいて国が港湾施設の管理を行うことができる制度について、その対象となる事象の範囲を、世界的規模の感染症の流行その他の港湾の機能を著しく損なうおそれのある事象に拡大することとしております。
第三に、港湾の緑地等において、カフェ、レストラン等の収益施設を整備するとともに、当該施設から得られる収益を還元して当該緑地等の再整備を行う民間事業者に対し、港湾管理者が行政財産である緑地等の貸付けを行うことを可能とする認定制度を創設することとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
第210回国会衆議院国土交通委員会議録第2号28頁(令和4年10月28日)〔斉藤鉄夫国土交通大臣発言・発言番号166〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一港湾における脱炭素化の推進には船社等港湾の利用者による取組も極めて重要であることから、水素やアンモニアを動力源とする船舶の利用見込みやこれらによる脱炭素化の数値目標、効果についても指標として明確化するとともに、これらの船舶の早期実用化に向け必要となる技術開発への支援にも努めること。
二港湾における脱炭素化の推進のため、地方港湾に対しても、港湾脱炭素化推進計画の策定を促すとともに、事業者が同計画に基づく港湾脱炭素化促進事業により取得する荷役機械に対する税制上の措置のみならず、同計画に伴って整備する港湾設備への補助等の予算措置について検討すること。あわせて、老朽化した港湾施設の更新、周辺道路の整備、航路の浚渫等、港湾管理に必要な事業に対する支援についても充実を図ること。
三港湾脱炭素化推進計画の実効性確保の観点から、関係事業者の労使双方が港湾脱炭素化推進協議会の構成員として参画できるよう、港湾管理者に配慮を求めること。
四感染症等のリスク発生時における港湾施設の管理代行が円滑に行われ、その機能が確実に維持されるよう、港湾管理者が要請を行うべき状況を事前に検討し、平常時から連携体制を確立する等十分に備えておくこと。
五港湾の緑地等の再整備等における民間事業者の活用に当たっては、都市部から離れた港湾にあっても、魅力ある賑わい空間が創出できるよう、アクセス確保の在り方について検討すること。
六港湾の緑地等の再整備における民間事業者の収益の充当に当たっては、同事業者の意見が十分に反映されるものとなるようにするとともに、認定された港湾環境整備計画以外の再整備等に関しては、民間事業者の収益を充当することがないよう、港湾管理者に配慮を求めること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一我が国の産業や港湾の国際競争力強化につなげるため、港湾における脱炭素化の取組を着実に推進するとともに、国際戦略港湾政策の強化、港湾の技術革新、港湾運営の諸課題の改善などに早期かつ適切に対応すること。また、港湾における脱炭素化の推進には船社等港湾の利用者による取組も極めて重要であることから、水素やアンモニアを動力源とする船舶の利用見込みやこれらによる脱炭素化の数値目標、効果についても指標として明確化するとともに、これらの船舶の早期実用化に向け必要となる技術開発への支援にも努めること。
二港湾における脱炭素化の推進のため、地方港湾に対しても、港湾脱炭素化推進計画の策定を促すとともに、事業者が同計画に基づく港湾脱炭素化促進事業により取得する荷役機械に対する税制上の措置のみならず、同計画に伴って整備する港湾施設への補助等の予算措置について検討すること。あわせて、老朽化した港湾施設の更新、周辺道路の整備、航路の浚渫等、港湾管理に必要な事業に対する支援についても充実を図ること。特に、水素等の関連施設における安全対策や保安対策については、港湾管理者等とともに万全を期すこと。
三港湾脱炭素化推進計画の実効性確保の観点から、関係事業者の労使双方が港湾脱炭素化推進協議会の構成員として参画できるよう、港湾管理者に配慮を求めること。特に、脱炭素化への取組や情報通信技術の活用が港湾労働者の雇用・就労に悪影響を及ぼさないよう関係者間の調整を十分に図ること。
四感染症等のリスク発生時における港湾施設の管理代行が円滑に行われ、その機能が確実に維持されるよう、港湾管理者が要請を行うべき状況を事前に検討し、平常時から連携体制を確立する等十分に備えておくこと。
五港湾の緑地等の再整備等における民間事業者の活用に当たっては、都市部から離れた港湾にあっても、魅力ある賑わい空間が創出できるよう、アクセス確保の在り方について検討すること。また、港湾における観光と物流の振興を両立させるため、観光客の増加によるオーバーツーリズムが物流に悪影響を及ぼさないよう港湾管理者等に適切な取組を促し、そのために必要な支援を行うこと。
六港湾の緑地等の再整備における民間事業者の収益の充当に当たっては、同事業者の意見が十分に反映されるものとなるようにするとともに、認定された港湾環境整備計画以外の再整備等に関しては、民間事業者の収益を充当することがないよう、港湾管理者に配慮を求めること。また、港湾管理者が民間事業者の作成する港湾環境整備計画の認定を適切に行えるよう、技術的助言やノウハウの提供を行うこと。
七気候変動や巨大地震による大規模災害に備えるとともに、災害時に早急な災害復旧を図れるよう、港湾における防災・減災対策を着実に推進し、そのために必要な国や港湾管理者の職員の確保に努めること。また、国や港湾管理者が行う港湾工事のための調査等を委託した民間事業者に対して立入権限が付与されることについて、港湾区域内の土地所有者等に十分な周知を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121001014)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。