日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案
参議院 文教科学委員会
令和5年法律第41号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文部科学委員会
- R5.4.21趣旨説明・質疑本会議 2212
- R5.4.21趣旨説明文部科学委員会 104
- R5.4.26質疑文部科学委員会 11170
- R5.5.10質疑・討論・採決・附帯決議文部科学委員会 12205
- R5.5.12委員長報告・採決本会議 2553
参議院文教科学委員会
- R5.5.17趣旨説明・質疑本会議 2330
- R5.5.23趣旨説明文教科学委員会 13179
- R5.5.25質疑・討論・採決・附帯決議文教科学委員会 14265
- R5.5.26委員長報告・採決本会議 2632
提案理由
永岡桂子 文部科学大臣 令和5年4月21日このたび政府から提出いたしました日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
近年、我が国に居住する外国人は増加傾向にあり、日本語教育を受けることを希望する外国人に対し、その希望や能力等に応じた日本語教育を受ける機会が最大限に確保されるよう、関係省庁の関連施策との有機的な連携を図りつつ、日本語教育の水準の維持向上を図ることが重要です。一方、現在、日本語教育機関における日本語教育の質を示す共通の指標が存在せず、日本語教育を受けることを希望する外国人が必要かつ正確な情報を十分に得られていない状況にあります。また、我が国において日本語教育に関する専門的な知識及び技能を必要とする業務に従事する者の質的かつ量的確保が十分でない状況です。
この法律案は、このような観点から、日本語教育の適正かつ確実な実施を図り、我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に寄与するため、日本語教育機関のうち一定の要件を満たすものを認定する制度を創設するとともに、認定日本語教育機関において日本語教育を行う者の資格について定めるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、日本語教育機関の設置者は、日本語教育課程を適正かつ確実に実施することができる日本語教育機関である旨の文部科学大臣の認定を受けることができることとし、文部科学大臣が、認定を受けた日本語教育機関の情報を多言語で公表することとしております。また、認定日本語教育機関における教育の質を担保するため、文部科学大臣は、必要な場合に報告徴収、勧告等を行うことができることとしております。さらに、認定基準を定めるに当たり、文部科学大臣は、審議会等の意見を聴くとともに、法務大臣に協議することとしております。また、文部科学大臣及び法務大臣その他の関係行政機関の長による協力についても規定しております。
第二に、日本語教員試験に合格し、かつ、実践研修を修了した者は、文部科学大臣の登録を受けることができることとし、認定日本語教育機関において日本語教育課程を担当する者は、当該登録を受けた者でなければならないこととしております。
第三に、文部科学大臣は、日本語教員試験の実施に関する事務を指定試験機関に、実践研修の実施に関する事務を登録実践研修機関にそれぞれ行わせることができることとするとともに、登録日本語教員養成機関が行う養成課程を修了した者に対しては、日本語教員試験の一部を免除することとし、これらの機関の指定、登録、監督等について所要の規定の整備を行うこととしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
――――◇―――――
日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第211回国会衆議院会議録第22号1頁(令和5年4月21日)〔永岡桂子文部科学大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一我が国が選ばれる国となるためにも日本語教育を更に推進することが必要であり、教育機関、事業者、地方公共団体等とともに、日本語教育に必要な環境を整備し、誰一人取り残されない多文化共生社会の実現に向けて、認定日本語教育機関や登録日本語教員による日本語教育が、地方も含めて幅広く行われるよう、財政措置を含めた支援策を検討し、必要な措置を講ずること。
二認定日本語教育機関や登録日本語教員が、留学分野だけでなく就労及び生活・子育て分野でも広く活用されるよう、文部科学省及び法務省その他の関係省庁の連携の下、具体的な仕組みを検討し、その構築に努めること。また、認定日本語教育機関の認定基準の策定に当たっては、法務省告示校、大学留学生別科をはじめとする日本語教育機関のうち、一定の要件を満たすものが適切に認定されるものとすること。
三日本語教育を必要とする就学前段階からの子供が、ライフステージに合わせて幼稚園、保育所、認定こども園や小・中・高等学校、夜間中学等も含めた多様な場において適切な支援を受けられるよう、関係者及び関係機関の連携を密にするとともに、個々のニーズ、レベル、発達状況に応じた切れ目のない日本語学習機会の提供のための支援に必要な施策を講ずること。
四日本語教育における専門人材の確保が困難な状況にある中、留学生、児童生徒、生活者、就労者、難民・避難民、海外等の分野別の研修の充実をはじめとする日本語教師のキャリア形成支援、処遇や労働環境の改善等による人材確保策について具体的に検討すること。また、地域における日本語教育において、ボランティアや地域日本語教育コーディネーター等の担い手の確保が本法施行後も引き続き重要であることから、必要な人材確保のための支援を行うとともに、地方公共団体と適切に連携すること。
五現在の法務省告示校の教員要件を満たす者や現職の日本語教師に対する登録日本語教員への移行措置については、関係者の意見を十分に踏まえた上で早期に明確化するとともに、その周知に万全を期すこと。
六本法により創設される認定日本語教育機関及び登録日本語教員の制度について広く周知するとともに、日本語教育機関や日本語教師の専門性、社会的意義及び役割についての認知を高めること。
七外国人が基本的なコミュニケーション能力を得る上で、日本語の習得に取り組むことが有用であるという認識を、在留管理等の観点も含めて外国人の受入れ政策に関係する全ての省庁が共有すること。また、地方の出入国在留管理も含めた法務省と文部科学省の一体的な制度の運用に必要な体制を強化し、外務省、厚生労働省、総務省、経済産業省等の関係行政機関が連携して、本法に規定される事務の実施に万全を期すため、政府全体として必要な体制を整備すること。その上で、技能実習制度及び特定技能制度の見直しを含めた出入国在留管理政策の中においても、日本語学習に取り組むことを動機付けるとともに、日本語教育の費用負担における事業者等の責務の在り方を含めて適切な方策を検討し、運用に努めること。
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一我が国が選ばれる国となるためにも日本語教育を更に推進することが必要であり、教育機関、事業者、地方公共団体等とともに、日本語教育に必要な環境を整備し、誰一人取り残されない多文化共生社会の実現に向けて、認定日本語教育機関や登録日本語教員による日本語教育が、地方も含めて幅広く行われるよう、財政措置を含めた支援策を検討し、必要な措置を講ずること。
二認定日本語教育機関や登録日本語教員が、留学分野だけでなく就労及び生活・子育て分野でも広く活用されるよう、文部科学省及び法務省その他の関係省庁の連携の下、具体的な仕組みを検討し、その構築に努めること。また、認定日本語教育機関の認定基準の策定に当たっては、法務省告示校、大学留学生別科をはじめとする日本語教育機関のうち、一定の要件を満たすものが適切に認定されるものとすること。
三国際人権規約や児童の権利条約の趣旨を踏まえ、日本語教育を必要とする就学前段階からの子供が、ライフステージに合わせて幼稚園、保育所、認定こども園や小・中・高等学校、夜間中学等も含めた多様な場において適切な支援を受けられるよう、関係者及び関係機関の連携を密にするとともに、個々のニーズ、レベル、発達状況に応じた切れ目のない日本語学習機会の提供のための支援に必要な施策を講ずること。また、日本語を母語としない子供の日本語学習に当たっては、アイデンティティの確立、自己肯定感の育成等の観点から、母語や母文化の学びに対する支援にも努めること。
四日本語教育は、外国人に限らず、日本語に通じない日本国籍を有する者に対しても行われるものであることを踏まえ、外国にルーツを持つ者や、聴覚障害者など様々な事情により日本語学習が必要な者への日本語教育の機会についても、本法施行を契機として拡充を図ること。
五日本語教育における専門人材の確保が困難な状況にある中、留学生、児童生徒、生活者、就労者、難民・避難民、海外等の分野別の研修の充実をはじめとする日本語教師のキャリア形成支援、処遇や労働環境の改善等による人材確保策について具体的に検討すること。特に、登録日本語教員について、職務の重要性にふさわしい適切な賃金水準の確保に向けた方策の検討を進めること。また、地域における日本語教育において、ボランティアや地域日本語教育コーディネーター等の担い手の確保が本法施行後も引き続き重要であることから、必要な人材確保のための支援を行うとともに、地方公共団体と適切に連携すること。
六現在の法務省告示校の教員要件を満たす者や現職の日本語教師に対する登録日本語教員への移行措置については、移行に伴う負担に格段の配慮をした上で、関係者の意見を十分に踏まえつつ、早期に明確化するとともに、その周知に万全を期すこと。
七外国人が社会の一員として活躍し、全ての人が安全に安心して暮らすことができる社会の実現には適切な日本語教育の提供が不可欠であることから、本法により創設される認定日本語教育機関及び登録日本語教員の制度について広く周知し、日本語教育機関や日本語教師の専門性、社会的意義及び役割についての認知を高めるとともに、日本語教育についての国民の理解と関心を深めるよう啓発に努めること。
八外国人が基本的なコミュニケーション能力を得る上で、日本語の習得に取り組むことが有用であるという認識を、在留管理等の観点も含めて外国人の受入れ政策に関係する全ての省庁が共有すること。また、地方出入国在留管理局も含めた法務省と文部科学省の一体的な制度の運用に必要な体制を強化し、外務省、厚生労働省、総務省、経済産業省等の関係行政機関が連携して、本法に規定される事務の実施に万全を期すため、政府全体として必要な体制を整備すること。その上で、技能実習制度及び特定技能制度の見直しを含めた出入国在留管理政策の中においても、日本語学習に取り組むことを動機付けるとともに、日本語教育の費用負担における事業者等の責務の在り方を含めて適切な方策を検討し、運用に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121101022)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。