食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
令和6年法律第62号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- R6.4.25趣旨説明・質疑農林水産委員会 13139
- R6.5.8質疑農林水産委員会 14157
- R6.5.9参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 1593
- R6.5.15質疑農林水産委員会 16151
- R6.5.21質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 17281
- R6.5.23委員長報告・採決本会議 2924
参議院農林水産委員会
- R6.5.30趣旨説明農林水産委員会 13206
- R6.6.4質疑農林水産委員会 14228
- R6.6.6参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 15113
- R6.6.11質疑農林水産委員会 16209
- R6.6.13視察委員報告・質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 17235
- R6.6.14委員長報告・採決本会議 2731
提案理由
坂本哲志 農林水産大臣 令和6年4月25日続きまして、食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
近年、我が国の食料及び農業をめぐっては、国際情勢の変化等により世界の食料需給が変動する中で、国内の農地面積の減少、農業従事者の減少及び高齢化が進行していることなどから、将来にわたる国民への食料の安定供給の確保のための対策を講ずることが急務となっております。
このため、国内の農業生産の基盤である農地を確保し、その有効な利用を図る観点から、農地関連制度において、確保すべき農用地の面積目標の達成に向けた措置の強化、農地の不適切な転用の防止と適正かつ効率的な利用の確保、地域において人と農地の受皿となる法人経営の経営基盤の強化による農地の有効利用の促進等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、農業振興地域の整備に関する法律の一部改正であります。
まず、目的規定に、農業生産に必要な農用地等の確保及び食料の安定供給の確保を追加するとともに、国及び地方公共団体がそれぞれの立場から農用地等の確保に努めなければならない旨を規定することとしております。
次に、農用地区域に定めるべき土地として、地域計画の達成のために農業上の利用を確保することが必要であると認められる土地を追加するとともに、農用地区域からの除外に係る都道府県知事の同意の基準として、農用地の面積目標の達成に支障を及ぼすおそれがないと認められること等を追加し、その判断材料として、市町村に対し、面積目標への影響緩和措置等を記載した書面の提出を求めることとしております。
さらに、農林水産大臣は、必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、農用地等の確保のために必要な措置について勧告等を行うこととしております。
第二に、農地法の一部改正であります。
農地の権利取得の許可に当たって考慮すべき要素に、農作業の従事者の配置と農業関係の法令の遵守を追加するとともに、農地転用許可の際に定期的な報告等の必要な条件をつけることとし、また、違反転用により原状回復等の措置を命ぜられた者が期限までに命令に従わなかった場合に、都道府県知事がその旨及び土地の地番その他必要な事項を公表できることとしております。
第三に、農業経営基盤強化促進法の一部改正であります。
まず、農業経営発展計画制度の創設であります。農地所有適格法人であって、農業経営改善計画の認定を一定期間以上受けていること、地域計画に農業を担う者として記載されていること等の要件を満たす者が、物資又は役務の取引の相手方から出資を受け、その取引の推進等により農業経営の発展を図るための計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けた場合には、農地法における農地所有適格法人の議決権要件を緩和する特例を講ずることとしております。
次に、地域計画内の遊休農地の解消を迅速に進めるため、農地中間管理機構が当該農地の権利設定に関し都道府県知事に裁定を申請する手続を迅速化及び義務化することとしております。
第213回国会衆議院農林水産委員会議録第13号15頁(令和6年4月25日)〔坂本哲志農林水産大臣発言・発言番号80〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
世界人口の増加に伴い食料需要が増大する一方で、気候変動に伴う世界的な食料生産の不安定化等、世界の食料供給が不安定化することに伴い、我が国においても大幅な食料の供給不足が発生するリスクが増大していることから、政府が一体となり総合的に対策を実施することにより、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に支障が生ずる事態の発生をできるだけ回避し、又はこれらの事態が国民生活及び国民経済に及ぼす支障が最小となるようにすることが重要である。よって、政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記
一食料供給困難事態の未然防止を図るため、我が国農林水産業の生産基盤の強化に向けた平素の取組の充実に努めること。
二食料の輸入については、不測時に備えた平時からの取組が重要であることを踏まえ、輸入相手国との連携強化のための政府間対話等の実施に一層努めること。
三備蓄による対応は、国内生産量や輸入量が不足する場合の、初動的かつ即効性・確実性のある供給確保対策であることを踏まえ、特定食料等の備蓄に関して検討を行い、基本方針に適切に反映させるとともに、その他所要の措置を講ずるよう努めること。
四不測時において国民に必要な食料を供給するため、スイスにおける食料安全保障の状況のシミュレーションや評価のための意思決定支援システムを参考にして、生産する品目や作付農地などのシミュレーションを行う仕組みを構築すること。
五食料供給困難事態の発生等の公示に当たっては、国会に速やかに報告するとともに、国民生活及び国民経済に混乱が生ずることのないよう、国民に対し丁寧に説明すること。
六関係省庁が適切に役割分担するとともに相互に連携協力し、政府一丸となって食料供給困難事態対策を講ずること。
七計画届出の指示については、真に必要な者及び場合に限るなど、適切かつ慎重な運用に努めること。
八計画変更の指示に従わなかった場合等の公表については、公表された者が誹謗や中傷を受けるおそれがあることを踏まえ、適切かつ慎重な運用に努めること。また、公表措置の対象とならない「正当な理由」が認められる場合について、具体的な事例を挙げながら関係者にわかりやすく示すこと。
九食料供給困難事態が発生した際の対策その他の本法に基づく措置について、生産者を始めとする全ての関係者に対して、その目的及び内容について十分周知すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121301028)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。