スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案
参議院 経済産業委員会
令和6年法律第58号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院経済産業委員会
- R6.5.15趣旨説明経済産業委員会 14208
- R6.5.17質疑経済産業委員会 15236
- R6.5.22質疑・採決・附帯決議経済産業委員会 16216
- R6.5.23委員長報告・採決本会議 2924
参議院経済産業委員会
- R6.6.4趣旨説明経済産業委員会 145
- R6.6.6質疑経済産業委員会 15218
- R6.6.11質疑・採決・附帯決議経済産業委員会 16151
- R6.6.12委員長報告・採決本会議 2647
提案理由
自見はなこ 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策) 令和6年5月15日ただいま議題となりましたスマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
この法律案は、我が国においてスマートフォンが国民生活及び経済活動の基盤としての役割を果たしていることに鑑み、スマートフォンの利用に特に必要な特定ソフトウェアの提供等を行う事業者に対し、特定ソフトウェアの提供等を行う事業者としての立場を利用して自ら提供する商品又は役務を競争上優位にすること及び特定ソフトウェアを利用する事業者の事業活動に不利益を及ぼすことの禁止等について定めることにより、特定ソフトウェアに係る公正かつ自由な競争の促進を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、特定ソフトウェアの提供等を行う事業者のうち、当該特定ソフトウェアの提供等に係る事業の規模が、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配し得るものとして政令で定める規模以上であるものを、この法律の規制を受ける者として指定することとしています。
第二に、指定を受けた事業者に対し、個別アプリ事業者に対する不公正な取扱いの禁止等の禁止行為や、データの取得等の条件の開示に係る措置等の講ずべき措置を定めるとともに、この法律の遵守状況に関する報告書を公正取引委員会に提出しなければならないこととしています。
第三に、この法律に違反する疑いのある行為に対する公正取引委員会の調査権限や、違反行為を是正するための命令、課徴金納付命令等について定めることとしています。
第四に、セキュリティー確保、プライバシー保護、青少年保護等の観点から、公正取引委員会が関係行政機関の長に意見を求めることができるとともに、関係行政機関の長が公正取引委員会に対して意見を述べることができることとしています。
なお、この法律案は、一部を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。
以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第213回国会衆議院経済産業委員会議録第14号33頁(令和6年5月15日)〔自見はなこ内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策発言・発言番号206〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。
一デジタル市場の活性化やイノベーションの促進を図る観点から、特定ソフトウェアに係る市場における自由で開かれた公平・公正な競争環境の整備に取り組むとともに、セキュリティの確保、プライバシー保護、青少年保護、消費者保護等に関し必要な措置が講じられるように努め、競争と安全の両立の確保を図ること。この場合において、指定事業者によるセキュリティの確保、プライバシー保護、青少年保護等を理由とする過剰な措置が行われることのないよう、関係行政機関が連携して適切に対応すること。また、スマートフォンの安全・安心な利用と利便性確保のために、利用者に対し必要かつ十分な情報提供が行われるよう最大限努めること。
二指定事業者の禁止事項及び遵守事項について、本法の運用状況の検証等を通じ、競争上の問題の大きさに比して適切な規制になるように配慮するとともに、デジタル分野における技術革新、国内投資の促進、新たなビジネス形態等にも適切に対応することができるよう、必要に応じ見直しの検討を行うこと。
三指定事業者の禁止事項及び正当化事由並びに遵守事項について指定事業者が適切に対処するための指針については、関係事業者の予見可能性の確保及び競争と安全の両立が図られるよう、関係行政機関、関係有識者、関係民間事業者等を始め幅広い関係者の知見等を踏まえて可能な限り明確かつ具体的に策定するとともに、デジタル市場における情勢の変化等に対応し、適宜見直しを行うこと。また、検索エンジンに係る指定事業者の禁止行為については、検索エンジンを巡る適正な競争環境の確保に努めつつ、先行して制度の運用を行っている欧州の実施状況を分析し、検索エンジンに係る利用者のニーズへの即応性や的確性その他利用者の利便性が損なわれることがないよう配慮すること。
四本法の規制に関して、例えば、指定事業者以外の事業者によるアプリストアの提供について、指定事業者が、不当に高額な手数料等を徴収するなどにより、事実上参入を制限することがないよう、公正取引委員会は、指針においてその考え方を明確にすること。
五令和五年六月十六日に政府のデジタル市場競争会議において取りまとめられた「モバイル・エコシステムに関する競争評価 最終報告」において必要性が指摘された「う回的行為の禁止」について、指針や本法の運用においてその内容の明確化を図ること。
六アプリ開発者を始めとする公正取引委員会に本法の違反行為の報告及び措置の求めをした者の保護を図るため、その者に対する不利益取扱いの禁止の違反に係る本法第三十条による指定事業者に対する勧告及び命令等の必要な措置を適切に実施すること。
七本法の適切な運用を確保する観点から、専門部署の設置、デジタル分野の技術やビジネスに精通した専門人材の確保等、公正取引委員会の組織・人員等の体制を抜本的に強化し、公正取引委員会の独立性を確保するとともに、関係行政機関の間の連携強化を図ること。また、幅広い民間事業者の知見等を有効に活用するよう努めること。
八欧州や米国を始めとする諸外国の競争当局等との連携強化を図り、世界的なデジタル市場における競争政策の動向及び取組等を踏まえ、適時適切に必要な措置を講じること。
九青少年や保護者、教育関係者等のスマートフォンの利用に係るリテラシーの向上への取組が、関係行政機関の間の連携や関係民間機関等との連携の下で行われるように努めること。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一デジタル市場の活性化やイノベーションの促進を図る観点から、特定ソフトウェアに係る市場における自由で開かれた公平・公正かつ健全な競争環境の整備に取り組むとともに、セキュリティの確保、プライバシー保護、青少年保護、消費者保護等に関し必要十分な措置が講じられるように努め、競争と安心・安全の両立の確保を図ること。この場合において、指定事業者によるセキュリティの確保、プライバシー保護、青少年保護等が確実に担保される施策を確保しつつ、一方で健全な競争が阻害される過剰な措置が行われることのないよう、関係行政機関が連携して適切に対応すること。また、スマートフォンの安全・安心な利用と利便性確保のために、利用者に対し必要かつ十分な情報提供が行われるよう最大限努めること。
二指定事業者の禁止事項及び遵守事項について、本法の運用状況の検証等を通じ、競争上の問題の大きさに比して適切な規制になるように配慮するとともに、デジタル分野における知的財産の保護、技術革新、国内投資の促進、新たなビジネス形態等にも適切に対応することができるよう、必要に応じ見直しの検討を行うこと。
三指定事業者の禁止事項及び正当化事由並びに遵守事項について指定事業者が適切に対処するための指針に関しては、関係事業者の予見可能性の確保及び競争と安全の両立が図られるよう、関係行政機関や有識者、民間事業者や消費者・ユーザー代表等の、幅広い関係者の知見等を踏まえて、可能な限り明確かつ具体的に策定するとともに、デジタル市場における情勢の変化等に対応し、適宜見直しを行うこと。
四アプリストア等の開放により、有害・違法なアプリ等が提供されるリスクが高まることがないよう、正当化事由に関する具体的な考え方等を示す指針の策定・運用に当たっては、関係行政機関、関係団体、指定事業者を含む民間事業者や消費者・ユーザー代表等の知見を十分に活用し、セキュリティの確保、プライバシー保護、青少年保護、消費者保護等が確実に図られるものとなるよう取り組むこと。
五指定事業者以外の事業者によるアプリストアの提供について、指定事業者が、不当に高額な手数料等を徴収する等により、事実上参入を制限することがないよう、指針においてその考え方を明確にすること。
六アプリストアや検索エンジン等に係る指定事業者の禁止行為については、アプリストア及び検索エンジンを巡る適正な競争環境の確保に努めつつ、先行して制度の運用を行っている欧州の実施状況を分析し、利用者のニーズへの即応性や的確性その他利用者の利便性が損なわれることがないよう配慮すること。
七令和五年六月十六日に政府のデジタル市場競争会議において取りまとめられた「モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告」において必要性が指摘された「う回的行為の禁止」について、本法による規制が容易に回避されることがないよう、指針や本法の運用においてその内容の明確化を図ること。
八アプリ開発者を始め、本法の違反行為の報告及び措置の求めを公正取引委員会に行った者の保護を図るため、その者に対する不利益取扱いの禁止の違反に係る本法第三十条による指定事業者に対する勧告及び命令等の必要な措置を適切かつ確実に実施すること。
九本法の適切な運用を確保する観点から、専門部署の設置、デジタル分野の技術やビジネスに精通した専門人材の確保等、公正取引委員会の組織・人員等の体制を抜本的に強化するとともに、幅広い民間事業者や消費者・ユーザー代表等の知見等を活用するよう努めること。また、公正取引委員会の独立性を確保しつつ、関係行政機関の間の連携強化を図ること。
十欧州や米国を始めとする諸外国の競争当局等との連携強化を図り、世界的なデジタル市場における競争政策の動向及び取組等を踏まえ、国際協定等との整合性も十分に考慮し、適時適切に必要な措置を講ずること。
十一青少年保護及び青少年の心身の健全な成長等を図る観点から、青少年や保護者、教育関係者等におけるスマートフォン等の利用に係るリテラシーの向上が図られるよう最大限努めること。また、スマートフォンの利用を巡る青少年の保護の在り方について、関連する取組の状況や課題の整理、主要各国における最近の対策の動向の把握等を踏まえつつ、法制上の措置の必要性の有無も含め、関係省庁等が連携して、具体的な方策の検討を進めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121301062)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。