港湾法等の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
令和7年法律第25号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- R7.4.2趣旨説明国土交通委員会 5203
- R7.4.4質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 6207
- R7.4.8委員長報告・採決本会議 1738
参議院国土交通委員会
- R7.4.10趣旨説明国土交通委員会 85
- R7.4.15質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 9123
- R7.4.16委員長報告・採決本会議 1336
提案理由
中野洋昌 国土交通大臣 令和7年4月2日ただいま議題となりました港湾法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。
港湾は、海上輸送と陸上輸送の結節点であり、災害時における緊急物資や救援部隊の輸送拠点として重要な役割を担っております。
しかしながら、令和六年能登半島地震においては、港湾施設の被災、応急復旧に必要な資材の不足等により、一部の港湾において緊急物資等の円滑な輸送に支障が生じました。これを踏まえ、災害時において港湾が緊急物資等の輸送拠点としての機能を確実かつ迅速に確保できるよう体制を強化する必要があります。
また、近年、気候変動に伴う海水面上昇等の影響により、港湾における高潮等の被害が激甚化しており、今後この影響は更に深刻化することが懸念されています。これに対応するためには、港湾施設所有者等の協働に基づく護岸のかさ上げや貨物の流出防止対策等といった取組を促進する必要があります。
さらに、港湾管理者における技術職員不足が深刻化する中、港湾機能を適切に確保するため、国が港湾管理者を支援する体制を強化する必要があります。
加えて、洋上風力発電の導入を促進するため、港湾施設の効率的な利用を図る必要があります。
このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、緊急物資等の輸送拠点としての港湾機能の確保を図るため、非常災害により被災した港湾施設の応急復旧を緊急に行う必要がある場合における土石の収用等に係る措置等を講ずることとしております。
第二に、気候変動に伴う海水面上昇等に対応した港湾の保全を図るため、港湾管理者が協働防護計画を作成することができることとするとともに、同計画に定められた事業に係る協定制度の創設や、工事の許可の特例等の措置を講ずることとしております。
第三に、公共岸壁等の適切な機能確保を図るため、港湾管理者が管理する港湾施設について従前の機能を確保するために必要な改良工事を国土交通大臣が代行することができる制度を創設することとしております。
第四に、海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾における港湾施設の効率的な利用を図るため、発電事業者による一時的な利用の調整に関する協議会制度を創設することとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由です。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
第217回国会衆議院国土交通委員会議録第5号21頁(令和7年4月2日)〔中野洋昌国土交通大臣発言・発言番号201〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一協働防護計画に基づく最適化事業を円滑に推進するために、民間事業者に対する税制支援のみならず、協働防護協議会に対し、ガイドラインの作成、知見やノウハウの提供、人材支援といったソフト面での支援や助言を十分に行うこと。また、協働防護計画の作成に当たり、港湾管理者の組織体制や人材育成等の充実のための支援を強化すること。
二協働防護計画の作成に当たっては、政策決定を優先するのではなく、民間事業者が無理なく参加できるような計画となるよう港湾管理者に対し指導すること。また、計画の検討に際し、港湾施設を所有する民間事業者からの意見を十分聴いて、その趣旨を最大限尊重するとともに、特に中小事業者の置かれた厳しい経営環境や所有する港湾施設の現状等について十分配慮するよう、港湾管理者に対し指導すること。
三協働防護の主要関係者として、協働防護協議会への港湾労働者の代表の参画を確実に働きかけること。
四港湾管理者における技術職員不足に対しては、国による港湾工事の代行措置の実施と併せ、技術系職員の確保・育成及び定着のための施策に努めるとともに、賃金等の労働条件の改善が図られるようにすること。
五港湾施設の老朽化の進行に対し、港湾管理者の人員・予算の不足により港湾施設の維持管理が不十分となることがないよう、人員・予算の確保に努めるとともに、港湾施設の点検の効率化や適切なメンテナンス体制の在り方を検討し、持続可能な維持管理体制を実現すること。また、港湾施設の点検・整備におけるデジタル技術の導入を促進し、作業の効率化に向けた環境整備を図ること。
六海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭の一時的な利用については、一時的であっても長期・広範囲の埠頭の占用を伴うことから、埠頭の貸付けに当たっては一般の利用者の利便を妨げることがないよう十分留意すること。
七災害発生時に港湾施設の復旧作業に従事する人員の確保策の実効性について十分に検討を行うこと。特に、発災時は復旧作業に従事する者も被災者であるという視点に立ち、これらの者が無理なく復旧作業に従事できる体制の構築と、必要な環境の整備を図ること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一気候変動に伴う災害から港湾機能を確保するための対策については、日本沿岸の平均海面水位が二十一世紀の間、上昇し続けることが予測されていることを踏まえ、長期的な視点で取り組むこと。
二協働防護計画に基づく最適化事業を円滑に推進するために、民間事業者に対する税制支援のみならず、協働防護協議会に対し、ガイドラインの作成、知見やノウハウの提供、人材支援といったソフト面での支援や助言を十分に行うこと。また、協働防護計画の作成に当たり、港湾管理者の組織体制や人材育成等の充実のための支援を強化すること。
三協働防護計画の作成に当たっては、政策決定を優先するのではなく、民間事業者が無理なく参加できるような計画となるよう港湾管理者に対し促すこと。また、計画の検討に際しては、港湾管理者に対し、港湾施設を所有する民間事業者からの意見を十分聴いて、その趣旨を最大限尊重するとともに、特に中小事業者の置かれた厳しい経営環境や所有する港湾施設の現状等について、十分配慮するよう求めること。
四協働防護の主要関係者として、協働防護協議会への港湾労働者の代表の参画を確実に働きかけること。
五港湾管理者における技術職員不足に対しては、国による港湾工事の代行措置の実施と併せ、技術系職員の意見・要望をしっかり把握した上で、その確保・育成及び定着のための施策に努めるとともに、賃金、労働災害防止等の労働環境の改善が図られるようにすること。
六港湾施設の老朽化の進行に対し、港湾管理者の人員・予算の不足により港湾施設の維持管理が不十分となることがないよう、人員・予算の確保に努めるとともに、港湾施設の点検の効率化や適切なメンテナンス体制の在り方を検討し、持続可能な維持管理体制を実現すること。また、港湾施設の点検・整備におけるデジタル技術の導入を促進し、作業の効率化に向けた環境整備を図ること。
七海洋再生可能エネルギー発電は、日本全体のカーボンニュートラルの実現に向け、重要な役割を担うことから、その推進のため基地港湾としての機能を最大限発揮できるよう万全を期するとともに、海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭の一時的な利用については、長期かつ広範囲に埠頭の占用を伴う場合もあることから、埠頭の貸付けに当たっては一般の利用者の利便を妨げることがないよう十分留意すること。
八災害発生時に港湾施設の復旧作業に従事する人員の確保策の実効性について十分に検討を行うこと。特に、発災時は復旧作業に従事する者も被災者であるという視点に立ち、これらの者が無理なく復旧作業に従事できる体制の構築と、必要な環境の整備を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121701013)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。