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最高裁第二小法廷判決棄却民集28巻3号467頁

最二小判 昭和49年4月26日

昭和45年(オ)第603号 家屋収去土地明渡請求

裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
昭和49年4月26日 (1974-04-26)
事件番号
昭和45年(オ)第603号
事件名
家屋収去土地明渡請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
民集28巻3号467頁
原審
福岡高等裁判所 昭和42年(ネ)第411号 昭和44年12月24日
分野
民事

判示事項

賃料不払を理由とする不動産賃貸借の解除に催告を要しないとされた事例

裁判要旨

不動産の賃貸借において、賃借人が、約九年一〇か月の長期間賃料を支払わず、その間、当該不動産を自己の所有と主張して賃貸借関係の存在を否定し続けたなど原判示の事情(原判決理由参照)があるときは、賃貸人は、催告を要せず賃貸借を解除することができる。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人元村和安の上告理由及び上告人らの上告理由について。

一、原審確定の事実並びに本件記録によつて明らかな本件訴状の記載内容及び本訴における第一審以来の被上告人の主張に徴すれば、被上告人は、本件訴状において、本件不動産についての賃貸借契約が昭和二八年四月上告人Aより提起された訴訟の経過中に、既に合意により解除されているので、所有権に基づいてその返還を請求する旨主張するとともに、仮に右合意解除の効力が生じていないのであれば、改めて、上告人Aが本件不動産についての被上告人の所有権を否定して約一〇年間にわたり賃料の支払をしないことを理由として本件賃貸借契約を解除する旨の意思を表明していると解することができる。本件訴状における明渡の請求には、本件不動産の賃貸借契約を解除する旨の意思表示を含むとした原審の判断は正当であり、この点に関する所論は、原審の認定と異なる事実を前提とし、又は、独自の見解に基づいて原審の判断を非難するものにすぎず、採用することができない。二、原審は、本件不動産の賃借人である上告人Aが、その被承継人である母Dの生前を含めて、昭和二八年四月以降本件訴状送達に至るまで約九年一〇カ月の長期間、賃料を支払わなかつた事実を確定しているほか、この間、上告人Aが本件不動産が自己の所有であると主張して本件賃貸借関係そのものの存在さえも否定し続けてきた等の事実を確定しているのであり、このような事情のもとにおいては、賃貸人たる被上告人が催告を要せずして本件賃貸借契約を解除することができるとした原審の判断も、また、正当であり、その認定判断の過程に所論の違法はなく、論旨引用の判決は、いずれも本件と事案を異にし、適切ではない。

論旨は、すべて理由がなく、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 吉田豊

裁判官 岡原昌男

裁判官 小川信雄

裁判官 大塚喜一郎

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/52011/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。