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最高裁第二小法廷判決棄却民集15巻3号645頁収録判例内の被引用 6

最二小判 昭和36年3月31日

昭和32年(オ)第79号 新株発行無効請求

裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
昭和36年3月31日 (1961-03-31)
事件番号
昭和32年(オ)第79号
事件名
新株発行無効請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
民集15巻3号645頁
集民49号507頁
原審
東京高等裁判所  昭和31年11月16日
分野
民事

判示事項

有効な取締役会の決議を経ない新株発行の効力。

裁判要旨

株式会社を代表する権限のある取締役が新株を発行した以上、これにつき有効な取締役会の決議がなくても、右新株の発行は有効である。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人大久保兤の上告理由第一、二点について。

原判決が本件に関し、昭和二五年法律第一六七号によつて改正された商法の解釈として、株式会社の新株発行に関し、いやしくも対外的に会社を代表する権限のある取締役が新株を発行した以上、たとえ右新株の発行について有効な取締役会の決議がなくとも、右新株の発行は有効なものと解すべきであるとした判示は、すべて正当である。そして原判決が右判断の理由として、改正商法(株式会社法)はいわゆる授権資本制を採用し、会社成立后の株式の発行を定款変更の一場合とせず、その発行権限を取締役会に委ねており、新株発行の効力発生のためには、発行決定株式総数の引受及び払込を必要とせず、払込期日までに引受及び払込のあつた部分だけで有効に新株の発行をなし得るものとしている(第二八〇条の九)等の点から考えると、改正法にあつては、新株の発行は株式会社の組織に関することとはいえ、むしろこれを会社の業務執行に準ずるものとして取扱つているものと解するのが相当であることをあげていることもすべて首肯し得るところである。なお、取締役会の決議は会社内部の意思決定であつて、株式申込人には右決議の存否は容易に知り得べからざるものであることも、又右判断を支持すべき一事由としてあげることができる。論旨は右と反対の見地に立つて原判決を非難するものであるが、論旨の見解は当裁判所の採らないところである。

よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条、九三条を適用して裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤田八郎

裁判官 池田克

裁判官 河村大助

裁判官 奥野健一

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/54869/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674003)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。