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最高裁第二小法廷判決破棄差戻民集16巻4号955頁収録判例内の被引用 5

最二小判 昭和37年4月20日

昭和35年(オ)第3号 建物引渡所有権移転登記手続等請求

裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
昭和37年4月20日 (1962-04-20)
事件番号
昭和35年(オ)第3号
事件名
建物引渡所有権移転登記手続等請求
裁判の種類・結果
判決 破棄差戻
判例集等
民集16巻4号955頁
集民60号337頁
原審
高松高等裁判所  昭和34年10月17日
分野
民事

判示事項

本人が無権代理人を相続した場合における無権代理人行為の効力

裁判要旨

本人が無権代理人の家督を相続した場合、被相続人の無権代理行為は、右相続により当然には有効となるものではない。

参照法条

主文

原判決中上告人敗訴の部分を破棄し、本件を高松高等裁判所に差戻す。

理由

上告代理人長尾章の上告理由は、本判決末尾添付の別紙記載のとおりである。右上告理由第一点ないし第三点について。

原判決は、無権代理人が本人を相続した場合であると本人が無権代理人を相続した場合であるとを問わず、いやしくも無権代理人たる資格と本人たる資格とが同一人に帰属した以上、無権代理人として民法一一七条に基いて負うべき義務も本人として有する追認拒絶権も共に消滅し、無権代理行為の瑕疵は追完されるのであつて、以後右無権代理行為は有効となると解するのが相当である旨判示する。しかし、無権代理人が本人を相続した場合においては、自らした無権代理行為につき本人の資格において追認を拒絶する余地を認めるのは信義則に反するから、右無権代理行為は相続と共に当然有効となると解するのが相当であるけれども、本人が無権代理人を相続した場合は、これと同様に論ずることはできない。後者の場合においては、相続人たる本人が被相続人の無権代理行為の追認を拒絶しても、何ら信義に反するところはないから、被相続人の無権代理行為は一般に本人の相続により当然有効となるものではないと解するのが相当である。

然るに、原審が、本人たる上告人において無権代理人亡Dの家督を相続した以上、原判示無権代理行為はこのときから当然有効となり、本件不動産所有権は被上告人に移転したと速断し、これに基いて本訴および反訴につき上告人敗訴の判断を下したのは、法令の解釈を誤つた結果審理不尽理由不備の違法におちいつたものであつて、論旨は結局理由があり、原判決中上告人敗訴の部分は破棄を免れない。よつて、その他の論旨に対する判断を省略し、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤田八郎

裁判官 池田克

裁判官 河村大助

裁判官 奥野健一

裁判官 山田作之助

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/57723/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674055)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。