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最高裁第三小法廷判決棄却民集16巻5号1031頁収録判例内の被引用 1

最三小判 昭和37年5月1日

昭和35年(オ)第909号 約束手形金請求

裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
昭和37年5月1日 (1962-05-01)
事件番号
昭和35年(オ)第909号
事件名
約束手形金請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
民集16巻5号1031頁
集民60号519頁
原審
名古屋高等裁判所  昭和35年5月23日
分野
民事

判示事項

保険会社の支社長が商法第四二条にいう「支店」の営業の主任者にあたらないとされた事例

裁判要旨

保険会社の支社が、新規保険契約の募集と第一回保険料徴収の取次のみをその業務とし、保険会社の基本的事業行為たる保険契約の締結、保険料の徴収ならびに保険事故ある場合の保険金の支払業務を独立してする権限、組織を有しない場合、その支社長は商法第四二条にいう「支店」の営業の主任者にはあたらない。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人三宅厚三の上告理由について。

所論は縷々陳述するが、要するに、被上告会社D支社長Eが商法四二条にいう支店の営業の主任者に準ずるものと認められないとした原審の判断は、同条の解釈適用を誤つたものであるというのである。

しかし、商法四二条にいう「本店又ハ支店」とは商法上の営業所としての実質を備えているもののみを指称すると解するのを相当とするから、右のような実質を欠き、ただ単に名称・設備などの点から営業所らしい外観を呈するにすぎない場所の使用人に対し支配人類似の名称を付したからといつて、同条の適用があるものと解することはできない。保険業法四二条により商法四二条が準用される相互会社の場合も、叙上と事理を異にするものではないといわなければならない。原審が確定したところによれば、被上告会社は、保険契約の締結、保険料の徴收ならびに保険事故ある場合の保険金の支払をその基本的業務内容とするものであるが、同会社D支社は、新規保険契約の募集と第一回保険料徴收の取次がその業務のすべてであつて、被上告会社の基本的事業行為たる保険業務を独立してなす権限を有していないというのであり、右事実関係のもとにおいては、D支社は、被上告会社の主たる事務所と離れて一定の範囲において対外的に独自の事業活動をなすべき組織を有する従たる事務所たる実質を備えていないものであるから、商法四二条の支店に準ずるものではなく、したがつて、同支社長Eも同条にいわゆる支店の営業の主任者に準ずるものでないと解すべきであり、これと同趣旨に出た原判決は結局正当である。所論引用の当裁判所の判例は本件に適切でない。所論は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横田正俊

裁判官 河村又介

裁判官 垂水克己

裁判官 石坂修一

裁判官 五鬼上堅磐

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/57729/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674055)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。