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最高裁第三小法廷判決棄却民集21巻4号834頁

最三小判 昭和42年5月2日

昭和38年(オ)第469号 審決取消請求

裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
昭和42年5月2日 (1967-05-02)
事件番号
昭和38年(オ)第469号
事件名
審決取消請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
民集21巻4号834頁
集民87号377頁
原審
東京高等裁判所 昭和37年(行ナ)第52号 昭和38年1月29日
分野
民事
意見
裁判官全員一致個別意見なし

判示事項

商標権者は原登録商標の指定商品に類似する商品について連合商標の商標登録を受けうる既得権を有するか

裁判要旨

商標権者は、原登録商標の指定商品に類似する商品について、連合商標の商標登録を受けうる既得権を有するものではない。

参照法条

主文

本件各上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人古賀規矩之名義の上告理由について。

論旨は、要するに、本願各商標の登録を拒絶すべきものであるとした原審の判断が商標法の解釈適用を誤り、判例違反の違法をおかしたものである、という。しかし、出願に係る商標が原登録商標の連合商標として出願されたものであっても、引用登録商標と商標及び指定商品において類似している以上、その登録を拒絶すべきことは、当裁判所の判例とするところである(昭和三三年(オ)第一一〇四号昭和三六年六月二七日第三小法廷判決、民集一五巻六号一七三〇頁参照)。そして、本願各商標は、清酒及び模造清酒を指定商品とする登録商標「玉の光」の連合商標として登録出願されたものであるが、本願商標「玉乃光」又は「玉光」が引用登録商標「玉乃光」と同一又は類似であり、しかも、本願商標の指定商品清酒及び合成清酒が引用登録商標の指定商品焼酎と類似であることは、原判決の確定するところである。それ故、本願商標「玉乃光」及び「玉光」は、引用登録商標「玉乃光」と商標及び指定商品において互いに類似するものであるから、商標法四条一一号によつて、登録を受けることができない、といわなければならない。

上告人は、「類似商品例集」の下では、清酒及び模造清酒と焼酎とは非類似であるとされており、右の「類似商品例集」は法的性質のものであり、従つて、上告人は原登録商標の指定商品たる清酒及び模造清酒に類似する商品について連合商標の商標登録を受け得る既得権を有するのであるから、その後「類似商品例集」が改訂され、新らたに設けられた「類似商品審査基準」では清酒及び模造清酒ないし合成清酒と焼酎とが類似商品であるとされているとしても、本願各商標につき連合商標の商標登録を拒絶すべきではない、と抗争する。しかしながら、所論「類似商品例集」は、商標審査官の主観を排して商品類否の判定を統一し、かつ、商標出願人の便宜を図るため特許庁によつて設けられた基準であるが、指定商品としての商品の類否は、かかる基準の規定如何にかかわらず、取引事情の推移に伴つて変遷するものである。そして、連合商標となる商標は、それ自体独立の商標であつて、原登録商標に附随するものではないから、それが登録されるためには、前叙のごとく、登録時において、当該商標又は指定商品が他人の登録商標又はその指定商品と同一若しくは類似でないことを必要とする。それ故、所論のごとき連合商標の商標登録を受け得る既得権なるものの成立を認める余地はないのである。また、所論引用の大審院昭和一〇年一二月一四日判決は、旧々商標法(明治四二年法律第二五号)によつて登録された商標に係るものであつて、本件には適切でない。

されば、叙上と同趣旨に出た原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は、これに反する独自の見解に立脚してその違法をいうにすぎないものであり、採用の限りでない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横田正俊

裁判官 柏原語六

裁判官 田中二郎

裁判官 下村三郎

裁判官 松本正雄

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/57748/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674010)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。