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最高裁第三小法廷判決棄却民集19巻1号136頁収録判例内の被引用 2

最三小判 昭和40年2月9日

昭和39年(行ツ)第69号 市長選挙の当選の効力に関する訴願裁決取消請求

判示事項

候補者の氏名に近似するがその候補者の子の氏名に合致する記載のある投票を無効と認めた事例。

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裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
昭和40年2月9日 (1965-02-09)
事件番号
昭和39年(行ツ)第69号
事件名
市長選挙の当選の効力に関する訴願裁決取消請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
民集19巻1号136頁
集民77号333頁
原審
福岡高等裁判所  昭和39年5月9日
分野
行政

判示事項

候補者の氏名に近似するがその候補者の子の氏名に合致する記載のある投票を無効と認めた事例。

裁判要旨

候補者D道男の長男でその地方において著名人であるD道太の氏名に合致する記載のある投票は、原判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、無効と解すべきである。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人本村善太郎、同森静雄の上告理由について。

論旨は、要するに原判決が本件選挙における投票中漢字、平仮名、片仮名またはこれらを混用して「D(平仮名)みちた」と読まれる投票二四五票及びこれと同様の記載と認められる九票(以下併せてD道太票と称する。)を、候補者D道男の得票と認めず、これを同候補者の長男D道太に宛てられた無効投票と解したのに対し、右道太が本件選挙に立候補したと考えた選挙人はほとんどありえない実情にあつたのにかかわらずかかる判断をしたのは、証拠を無視し、かつ経験則に反して事実を確定し、ひいて公職選挙法の趣旨に反して投票の効力を判断したものというにある。本件においては、前記候補者のD家は八代地方における名家であり、道男及び道太は上告人ら主張の経歴ないし地位にあつて、いずれも同地方の著名人であることについては、当事者間に争はないのであるが、原判決は、かかる事実及び本件にあらわれた全証拠によつても、上告人らの主張するように、地方民一般に、市長といえば父のD(道男)を意味し、代議士といえば子のD(道太)を意味するという程度に、人物の区別が十分認識されていた事実、したがつてまた選挙人は、市長選挙に立候補といえば直ちに父のDを想起し、子のDがこれに立候補したと考えるはずのありえなかつた事実まではなお認めがたい旨を判示しているのである。そしてこの判断は、本件各証拠に徴しても、また氏名の近似する者についてはその人物に誤認混同の生ずる虞れの考えられることからいつても、必ずしも所論のように証拠を無視し経験則に反したものということはできない。論旨は、D道男の名が道太と誤記されやすかつた事情を詳論するが、D道太票のすべてがD道男の名の誤記によるものと推認するに足りない。したがつて、たとえD道太票のうちに道男の名を誤記した投票の存在が推測されるにしても、どれだけがそのような投票であり、どれだけがその表示どおり道太に宛てられた投票であるかを判別できるだけの根拠の認めがたい本件においては、結局、D道太票は、道太を選挙する意思をもつて投ぜられた疑のある投票と解するほかなく、D道太票のすべてを直ちにD道男の得票に算入することが許されないことは、投票効力の判断としてやむをえないところである。してみれば、仮に原判決がD道太票のすべてにつき候補者でない道太を表示したものと推認する強い事情のあるものと判断したのは妥当でないとしても、なお本件選挙において道太に投票する意思の選挙人のありえなかつた事情が肯認しがたいかぎり、D道太票を無効と断じた原判決の結論は動かしがたく、論旨は採用しがたいものといわなければならない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 柏原語六

裁判官 石坂修一

裁判官 五鬼上堅磐

裁判官 横田正俊

裁判官 田中二郎

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/57767/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674027)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。