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最高裁第三小法廷判決棄却民集20巻4号849頁収録判例内の被引用 3

最三小判 昭和41年4月26日

昭和40年(オ)第348号 貸金等併合請求

裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
昭和41年4月26日 (1966-04-26)
事件番号
昭和40年(オ)第348号
事件名
貸金等併合請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
民集20巻4号849頁
集民83号427頁
原審
大阪高等裁判所 昭和37年(ネ)第266号 昭和39年11月30日
分野
民事

判示事項

農業協同組合の金員貸付が組合の目的の範囲内に属しないとされた事例

裁判要旨

農業協同組合が組合員以外の者に対し、組合の目的事業と全く関係のない土建業の人夫賃の支払のため金員を貸し付けた等原判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、当該貸付は組合の目的の範囲内に属しないと解すべきである。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人南利三、同南逸郎の上告理由第一点について。

論旨は、上告組合から被上告人B1に対する本件金員貸付が組合員でない者に対してなされたことを理由に無効であるとした原審の判断は、事実誤認、審理不尽の違法を犯し、または農業協同組合法九九条、協同組合による金融事業に関する法律四条、八条に違反したものであるという。しかし、原審は、右金員貸付が組合員でない者に対してなされたことのみならず、上告組合代表理事であつた被上告人B2も右貸付が上告組合の目的事業とは全く関係のないものであり、従つて、右貸付が組合定款に違反することを承知して貸し付け、また被上告人B1も右事情を承知してこれを借り受けたものであつて、右貸付が組合の目的範囲内に属しないことが明らかであることを理由に、右貸付が無効であると判断しているのであり、原審の確定した事実関係のもとにおいては、右判断は是認するに足りるところである。論旨引用の当裁判所判例は、本件と場合を異にするものであつて、本件に適切ではない。論旨は、ひつきようするに、独自の見解に立つて、原判決を非難するに帰するものであつて、採用することができない。

同第二点について。

論旨は、上告組合と被上告人B1との間の本件貸付行為が有効であることを前提とするものであるところ、右貸付行為が無効である旨の原審の判断が正当であることは、前記第一点に対する判断に説示したとおりであり、従つて、所論は前提を欠くに帰するものであつて、採用するに由ない。

同第三点について。

論旨は、上告組合の主張立証を検討すれば、被上告人B2の保証にかかる被担保債権が上告組合の被上告人B1に対する不当利得返還債権であつたと解すべき余地があるのに、この点につき審理を怠つた原審には、審理不尽の違法があり、また、本件保証ならびに抵当権の各被担保債権を単に請求の趣旨の記載のみに基づいて判断し、これを混同するにいたつた原審には、理由そごの違法があるという。しかし、原審は、上告組合の本訴請求の趣旨のみならず、その主張するところを仔細に検討したうえで、上告組合が、結局、被上告人B1および同B3の上告組合に対して負担する原判示消費貸借契約に基づく借受金債務のうち二四〇万円について被上告人B2が保証をなし、さらに右保証債務を担保するため同被上告人において上告組合との間に自己所有の原判示物件につき抵当権設定契約を締結した旨を主張して、右保証債務の履行および抵当権設定契約に基づく登記義務の履行を求めているものと解し、その挙示の証拠により、被上告人B2の右保証が被上告人B1の原判示消費貸借契約上の債務を担保するためになされたことを認定し、右消費貸借が原判示の理由により無効である以上、右保証もまた無効であり、従つて右保証債務を担保するためなされた右抵当権設定契約もまた無効であると判断していることが明らかであり、右認定判断の過程に所論審理不尽、理由不備の違法は認められない。被上告人B2の上告組合に対して負担する保証債務は原判示不当利得返還債務を担保するためであつた旨の論旨は、上告組合の主張立証についての誤つた判断に基づくものである。

従つて、論旨はすべて採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横田正俊

裁判官 五鬼上堅磐

裁判官 柏原語六

裁判官 田中二郎

裁判官 下村三郎

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/57772/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674035)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。