主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人速水太郎の上告趣意のうち、憲法三一条違反をいう点の実質は、単なる法令違反の主張であり、その余は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(記録によれば、Aにつき売春防止法一二条違反の罪が成立することを前提に、被告人に対し同法一三条二項違反の罪が成立するとした原判決の判断は、正当である。)。また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官田中二郎の反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
裁判官田中二郎の反対意見は、次のとおりである。
多数意見は、「記録によれば、Aにつき売春防止法一二条違反の罪が成立することを前提に、被告人に対し同法一三条二項違反の罪が成立するとした原判決の判断は、正当である」と判示し、Aにつき売春防止法一二条にいわゆる管理売春の成立を肯認した原判決を支持しているが、原判決認定の具体的な事実関係のもとにおけるいわゆる「通い売春」がただちに右法条の定めるいわゆる管理売春の要件を具備するものといえるかどうか甚だ疑わしく、原判決は、管理売春の要件を不当に拡張解釈した憾みのあるものとして、にわかに賛成しがたい。この点に関する私の意見は、最高裁昭和四二年(あ)第六〇五号同年九月一九日第三小法廷決定・刑集二一巻七号九八五頁に述べたとおりであるから、ここにこれを援用する。
昭和四七年一二月一二日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 坂本吉勝
裁判官 田中二郎
裁判官 関根小郷
裁判官 天野武一
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/59645/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。