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最高裁第二小法廷判決破棄自判集刑122号775頁

最二小判 昭和32年12月20日

昭和31年(あ)第78号 関税法違反等

裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
昭和32年12月20日 (1957-12-20)
事件番号
昭和31年(あ)第78号
事件名
関税法違反等
裁判の種類・結果
判決 破棄自判
判例集等
集刑122号775頁
原審
広島高等裁判所  岡山支部  昭和30年11月29日
分野
刑事
意見
裁判官全員一致個別意見なし

主文

原判決中被告人両名に関する部分を破棄する。

被告人Aを免訴する。

被告人Bに対する本件公訴事実中関税法違反の点につき同被告人を免訴する。

同被告人を罰金二〇〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二〇〇円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

押収にかかる粳精米二九瓩の換価代金一一八八円はこれを同被告人から没収する。

当審における被告人Bの国選弁護人に支給した訴訟費用は同被告人の負担とする。

理由

被告人Bの弁護人田渕洋海の上告趣意並びに被告人A本人及び同被告人の弁護人高桑瀞の各上告趣意は末尾添附のとおりである。

職権により調査するに、被告人Bに対する本件公訴事実中関税法違反の点及び被告人Aに対する本件公訴事実は、これを要約すれば、右被告人両名は、C外数名と共謀の上、税関の免許を受けないで、南西諸島中のa島方面へ貨物を密輸出し、又同地から本邦に貨物を密輸入しょうと企て、(一)昭和二五年四月一八日岡山市b下より被告人B外二名に対する同年一二月二二日附起訴状添附別紙犯則物件一覧表記載の貨物を機帆船Dに積載してa島に向つて出帆し同年四月二七日同島「c」に到着し、その頃右貨物を陸揚げして該貨物の密輸出をなし、(二)同年五月五日頃、同c地において、前掲貨物と交換した砂糖五二五六斤、海人草二六二斤を前記Dに積載して出帆し、同月八日頃山口県E港に前記砂糖、海人草を陸揚げしてこれを密輸入したものであるというのである。

そして右各行為の当時には、右南西諸島a島は旧関税法(昭和二四年五月一四日法律六五号により改正された明治三二年法律六一号)一〇四条、昭和二四年五月二六日大蔵省令三六号により旧関税法の適用については外国と看做されていたのであるが、昭和二七年二月六日大蔵省令五号により、右大蔵省令三六号は改正され昭和二七年二月一一日以降は右地域は外国と看做されなくなり本邦の地域とせられることとなつた。従つて同日以降は右各関税法違反の事実のような、税関の免許を受けないで貨物を右地域に輸出する行為及び右地域から貨物を輸入する行為は、右大蔵省令改正の結果として、何ら犯罪を構成しないものとなつたのであつて、これによつて右行為の可罰性は失われたものというべく、被告人両名の右各関税法違反事件は、刑訴三三七条二号にいう「犯罪後の法令により刑が廃止されたとき」に該当するものと解しなければならない(昭和二七年(あ)第二四五六号、同三二年一〇月九日大法廷判決参照)従つて原判決中被告人両名に関する部分は、各被告人の弁護人等及び被告人A本人の各上告趣意に対する判断をするまでもなく、これを破棄しなければ著しく正義に反するものと認める。よつて刑訴四一一条五号を適用し原判決中被告人両名に関する部分を破棄し、同四一三条但書、四一四条、四〇四条、三三七条二号により主文二、三項のとおり各被告人にそれぞれ免訴の言渡をなし、被告人Bに対する本件公訴事実中食糧管理法違反の事実(原判決判示第三)を法律に照すと食糧管理法九条、三一条、同法施行令一一条、同法施行規則四七条、罰金等臨時措置法二条一項に該当するので所定刑中罰金刑を選択し、所定罰金額の範囲内において、同被告人を罰金二〇〇〇円に処し、右罰金を完納することができないときは、刑法一八条により金二〇〇円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置すべきものとし、押収にかかる粳精米二九瓩(但しその換価代金一一八八円)は、同被告人の本件食糧管理法違反行為を組成したものであつて、同被告人以外の者に属しないから同一九条一項一号、二項に則りこれを同被告人から没収し、訴訟費用の負担につき刑訴一八一条一項本文を適用し主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官安平政吉出席

昭和三二年一二月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小谷勝重

裁判官 藤田八郎

裁判官 河村大助

裁判官 奥野健一

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/61007/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1349104)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。