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最高裁第二小法廷判決棄却集民110号399頁収録判例内の被引用 6

最二小判 昭和48年11月2日

昭和45年(行ツ)第54号 不動産取得税賦課決定処分取消請求

裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
昭和48年11月2日 (1973-11-02)
事件番号
昭和45年(行ツ)第54号
事件名
不動産取得税賦課決定処分取消請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
集民110号399頁
分野
行政
この事件の審級
  1. 控訴審大阪高判昭和45・2・23(原判決取消)
  2. 上告審最二小判昭和48・11・2(棄却)

判示事項

売買契約の解除に基づく売主の所有権の回復と地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」

裁判要旨

売買契約の合意解除に基づく売主の所有権の回復は、それが合意によるものであると解除権の行使によるものであるとにかかわらず、地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたると解すべきである。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由について。

論旨は、要するに、本件売買契約の合意解除の実質は代金不払いを理由とする解除権の行使であり、右解除により契約の効力は遡及的に消滅し、法律的には所有権の移転がもともとなかつたものとして取り扱われるのであるから、本件合意解除に基づく所有権の復帰に対しては、不動産取得税を課することができないにもかかわらず、課税することができるとした原判決は、地方税法七三条の二第一項の解釈を誤つたものであるというにある。

不動産取得税は、いわゆる流通税の一種であり、不動産の取得者が当該不動産により取得しあるいは将来取得するであろう利益に着目して課せられるものではなく、不動産の移転という事実自体に着目して課せられるのをその本質とするものであることに照らすと、地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」とは、所有権の得喪に関する法律効果の側面からではなく、その経過的事実に則してとらえた不動産所有権取得の事実をいうものと解するのが相当である。売買契約の解除に基づく売主の所有権の回復も、その経過的事実に則してこれをみれば、それが合意によるものであると解除権の行使によるものであるとにかかわらず、一旦買主に移転した所有権が再び売主に移転したものというべきであり、したがつて、右にいう「不動産の取得」にあたると解すべきである。このことは、地方税法(昭和四五年法律第二四号による改正前のもの)七三条の七第一二号の二が、契約解除により不動産を取得する場合は原則として同法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたることを前提としたうえで、とくに「日本住宅公団又は地方住宅供給公社がその譲渡した不動産を当該不動産に係る譲渡契約の解除……により取得する場合における当該不動産の取得」だけを非課税としていることからも裏付けられる。そうすると本件売買契約の合意解除に基づく上告人の不動産所有権の回復が地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたるとして、これにつき不動産取得税を課することが許されるとした原審の判断は正当である。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 大塚喜一郎

裁判官 岡原昌男

裁判官 小川信雄

裁判官 吉田豊

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/62012/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。