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最高裁第一小法廷判決棄却集民155号139頁収録判例内の被引用 4

最一小判 昭和63年11月17日

昭和63年(行ツ)第60号 換地処分取消請求事件

裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
昭和63年11月17日 (1988-11-17)
事件番号
昭和63年(行ツ)第60号
事件名
換地処分取消請求事件
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
集民155号139頁
分野
行政
この事件の審級
  1. 控訴審福岡高判昭和62・12・17(原判決一部取消)
  2. 上告審最一小判昭和63・11・17(棄却)
意見
裁判官全員一致個別意見なし

判示事項

土地改良事業による換地処分につき、従前の土地全体とこれに対する換地全体とを総合的にみてその間に照応関係が認められれば足りるとした事例

裁判要旨

土地改良法五三条一項二号の照応関係は、従前の土地に所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限がある場合でない限り、同一所有者に対する従前の土地全体とこれに対する換地全体とを総合的にみてその間に認められれば足りる。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

一上告代理人竹中敏彦の上告理由第一点について

被上告人が上告人に対し第一審判決添付別紙(一)の「従前の土地」欄記載の土地に対する換地として同別紙の「換地」欄記載の土地を指定する処分(以下「本件換地処分」という。)をしたことは、第一審以来当事者間に争いがない事実であり、そもそも被上告人が従前の土地全体に対し換地全体を指定した旨の主張をしたことがないことは、本件記録上明らかである。したがつて、所論判断逸脱の主張は、前提を欠く。もつとも、被上告人は、本件換地処分の適法性に関し、第一審においては上告人に対する従前の土地全体とこれに対する換地全体との間に照応関係が認められるので本件換地処分は適法であると主張していたが、原審において各個の従前の土地とこれに対する換地との間にもそれぞれ照応関係が認められる旨主張するに至つた。そこで、被上告人の主張の変更は許されない旨の上告人の主張が、本件換地処分の適法性に関する被上告人の右主張の変更をも対象としているものとして考えるのに、原審が被上告人の右新たな主張を事実摘示していないことは原判決上明らかであるから、上告人の主張に対し原審が判断を示さなかつたことになるが、それは判決に影響を及ぼすものではない。結局、所論判断逸脱の主張は前提を欠くか、判決に影響を及ぼさないものであり、論旨は採用することができない。二同第二点の一について

被上告人の主張する照応関係は、同一所有者に対する従前の土地全体と換地全体とが総合的にみて照応していればよいとするものであり、所有者を異にする場合にも総合的に観察すればよいとするものではないところ、原判決が従前の土地を三つに分類したのは正に所有者が異なるためであり、同一所有者については従前の土地全体と換地全体とを総合的に比較して照応関係を判断しているのであつて、原判決の右判断は被上告人の主張と異なるものではなく、何ら弁論主義に違反するものではない。論旨は採用することができない。

三同第二点の三及び五について

土地改良法五三条一項二号の照応関係は、土地改良事業の目的に照らし、従前の土地に所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限がある場合でないかぎり、同一所有者に対する従前の土地全体と換地全体とを総合的にみてその間に認められれば足りるとする原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は採用することができない。

四同第二点の四及び第三点について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係及びその説示に照らし正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 佐藤哲郎

裁判官 角田禮次郎

裁判官 大内恒夫

裁判官 四ツ谷巖

裁判官 大堀誠一

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/62391/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。