TaiLexi AI日本の判例・法令
← ホーム
最高裁第一小法廷判決棄却集刑82号579頁

最一小判 昭和28年6月11日

昭和27年(あ)第5737号 賍物故買

裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
昭和28年6月11日 (1953-06-11)
事件番号
昭和27年(あ)第5737号
事件名
賍物故買
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
集刑82号579頁
原審
高松高等裁判所  昭和27年9月5日
分野
刑事
意見
裁判官全員一致個別意見なし

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人鍛治利一の上告趣意第一点は、憲法違反、判例違反をいうが、その実質は事実誤認を前提とする単なる訴訟法違反の主張を出でないので、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(原審の是認した第一審判決が、その挙示の証拠により判示物件はAが窃取したもので、被告人はこれをBから其の賍品たるの情を知つて買受けたことを認めたのは相当であり、論旨引用の判例は本件に適切でない。)同第二点は、労役場留置と実質において似ている上訴後の未決勾留一日の金額換算については、貨幣価値の変動に応ぜしむべく金二百円に改正されている(罰金等臨時措置法七条四項)から、労役場留置一日の換算は、少くとも二百円以下ではあり得ないにかかわらず、これを金百円に換算する旨の第一審判決を是認した原判決は憲法一四条違反であるというが、原判決の是認した第一審判決が刑法一八条所定の期間の範囲内において、被告人に対し金三万円の罰金不完納の場合の労役場留置期間の割合を一日金百円と定めたからといつて、憲法一四条違反でないことは、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)一四二六号、同二四年一〇月五日大法廷判決、判例集三巻一〇号、一六四六頁)の趣旨とするところであるのみならず刑訴四九五条及び罰金等臨時措置法七条四項は未決勾留の日数を金額に換算する場合には一日金二百円に折算する規定であり、刑法一八条は、刑の執行に代えて労役場に留置するのであるから、同条の留置は未決勾留とはその性質を異にするものであり、また留置一日に相応する金銭的換算率は、必ずしも自由な社会における勤労の報酬額又は貨幣価値の変動に比例して決定せらるべきものではなく、同条は罰金不完納の場合の労役場留置期間の割合を、同条所定の期間の範囲内において、裁判官の裁量に委ねているものであることは前記大法廷判決の趣旨とするところである。しかるに所論は、刑訴四九五条及び罰金等臨時措置法七条四項と刑法一八条とを比較して、独自の見解の下に、違憲を主張するのであるから、その前提を欠くものであつて採用できない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。昭和二八年六月一一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入江俊郎

裁判官 真野毅

裁判官 斎藤悠輔

裁判官 岩松三郎

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/65026/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1349074)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。