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最高裁第一小法廷判決棄却集民30号115頁

最一小判 昭和33年1月23日

昭和30年(オ)第243号 賃借権確認及び工作物収去並びに明渡請求

裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
昭和33年1月23日 (1958-01-23)
事件番号
昭和30年(オ)第243号
事件名
賃借権確認及び工作物収去並びに明渡請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
集民30号115頁
原審
広島高等裁判所  昭和29年12月15日
分野
民事

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人弁護士森井孫市の上告理由第一点について。

所論の点に関する原判示は必ずしも明瞭ではないが、これを熟読検討すれば次の如き趣旨を判示しているものと解するを相当とする。すなわち、原判決は被上告人外三名は上告人Aから本件倉庫を賃借していたが、判示の頃上告人Aから被上告人外三名に対し右賃貸借を合意解約したき旨の申入あり、被上告人を除く外三名はこれを承引したが、被上告人のみは右申入れに応じなかつたものであるとの事実を確定の上、従つて右賃貸借契約は右三名に対しては合意によつて解約せられ、三名は右賃貸借関係から脱退したが被上告人に関しては右関係がなお持続しているものと判断しているのである。そして、右のような判断は所論被上告人の従来の主張の範囲を逸脱しているものとは認められないから所論その一の主張は採用できない。そして前示認定は、その認定に供せられた原判決挙示の証拠に鑑み首肯できないものではないから所論その二はひつきょう原審の専権に属する証拠の取捨選択、並びにこれに基づく事実認定を非難するものでしかなく上告適法の理由となすを得ない。また、所論その三は原判示に副わない所論独自の想定に基づく主張であるから採用に由がない。所論引用の判例は本件に適切ではない。

第二点について。

しかし、前示のように数人の賃借人の中一部のもののみが賃貸人と合意の上賃貸借契約を解約して、その賃貸借関係から脱退することは毫も民法五四四条一項の規定に抵触するものとは解し難いからこれに反する見解を前提とする所論も採用の限りではない。

第三点について。

所論の点に関する原判示は所論主張の如きものではなく、上告人組合は上告人Aから本件倉庫を賃借したが、その引渡を受けなかつたもので、ただ被上告人からその賃借権に基いてこれが使用を許されていたに過ぎないものであると判示していることは、原判文上明らかであるから原判決には所論の違法ありというを得ない。所論も採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条一項本文に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下飯坂潤夫

裁判官 斎藤悠輔

裁判官 入江俊郎

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/65327/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。