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地裁判決

大阪地判 令和8年9月10日

令和7年(ワ)第1068号等 意匠権侵害差止等請求事件(本訴)、差止等請求権不存在確認請求事件(反訴)

裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
令和8年9月10日 (2026-09-10)
事件番号
令和7年(ワ)第1068号等
事件名
意匠権侵害差止等請求事件(本訴)、差止等請求権不存在確認請求事件(反訴)
裁判の種類・結果
判決
判例集等
—
分野
民事・知的財産・意匠権

令和8年9月10日判決言渡同日原本領収裁判所書記官

令和7年(ワ)第1068号意匠権侵害差止等請求事件(本訴)

同第7435号差止等請求権不存在確認請求事件(反訴)

口頭弁論終結日令和8年6月30日

判決

本訴原告兼反訴被告

A

(以下「原告」という。)

訴訟代理人弁護士山田威一郎

訴訟復代理人弁護士松本響子

補佐人弁理士村井康司

同魯佳瑛

本訴被告

JFE商事鉄鋼建材株式会社

(以下「被告JFE商事」という。)

代表者代表取締役

訴訟代理人弁護士太田大三

同鷲野泰宏

同荒井康弘

同若林功

同加藤将平

本訴被告兼反訴原告株式会社横山基礎工事

(以下「被告横山基礎工事」といい、

被告JFE商事と併せて「被告ら」

という。)

代表者代表取締役

訴訟代理人弁護士中村直

同小池眞一

訴訟代理人弁理士生川芳徳

主文

1 原告の本訴請求をいずれも棄却する。

2 被告横山基礎工事の反訴のうち、被告横山基礎工事による別紙被告製品目録記載3の製品の製造、輸入、使用、譲渡、貸渡し及び譲渡の申出について、原告が被告横山基礎工事に対して別紙意匠権目録記載の意匠権に基づく損害賠償請求権及び差止請求権を有しないことの確認を求める訴えを却下する。

3 被告横山基礎工事による別紙被告製品目録記載3の製品の製造、輸入、使用、譲渡、貸渡し及び譲渡の申出について、原告が被告横山基礎工事に対して別紙意匠権目録記載の意匠権に基づく不当利得返還請求権を有しないことを確認する。

4 訴訟費用は、本訴反訴を通じ、原告の負担とする。

事実及び理由

第1 請求

1 本訴

(1) 被告らは、別紙被告製品目録記載1ないし3の製品を製造、輸入、販売、使用若しくは貸与、又は輸入、販売若しくは貸与の申出をしてはならない。

(2) 被告らは、別紙被告製品目録記載1ないし3の製品を廃棄せよ。

(3) 被告らは、原告に対し、連帯して、5500万円及びこれに対する令和7年2月13日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。

2 反訴

被告横山基礎工事の別紙被告製品目録記載3の製品の製造、輸入、使用、譲渡、貸渡し及び譲渡の申出について、原告が被告横山基礎工事に対して別紙意匠権目録記載の意匠権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差止請求権をいずれも有しないことを確認する。

第2 事案の概要

1 本判決で用いる呼称(略語)

・本件意匠権:別紙意匠権目録記載の意匠権

・本件意匠:本件意匠権にかかる意匠

・被告各製品:別紙被告製品目録に記載の各製品(目録の番号に即して被告製品1ないし被告製品3という。)

・被告各意匠:被告各製品にかかる意匠(目録の番号に即して被告意匠1ないし被告意匠3という。)

2 請求の概要

本訴事件は、本件意匠権を有する原告が、被告らに対し、被告らによる被告各製品の製造、輸入、販売等が本件意匠権を侵害するとして、意匠法37条1項に基づき被告各製品の製造、輸入、販売等の差止め、同条2項に基づき被告製品の廃棄、不法行為に基づき損害金5500万円及びこれに対する不法行為後の日である本訴状送達の日の翌日(令和7年2月13日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。反訴事件は、被告横山基礎工事が、原告に対し、被告横山基礎工事による被告製品3の製造、輸入、販売等が本件意匠権を侵害するものではないとして、原告の被告横山基礎工事に対する本件意匠権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差止請求権を有しないことの確認を求める事案である。

3 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲の各証拠(いずれも枝番を含む。)又は弁論の全趣旨により容易に認められる事実)

(1) 当事者等

原告は、各種の鋼材の企画、開発、製造、販売を行っているドイツ法人であるSteelWallISHGmbHの代表者(マネージメントディレクター)であり、本件意匠権の意匠権者である(甲1、2)。被告JFE商事は、一般鋼材の仕入、販売、加工等を目的とする株式会社である。

被告横山基礎工事は、土木工事業等を目的とする株式会社である。

(2) 本件意匠権

原告は、本件意匠権(その概要は別紙意匠権目録記載のとおり。)を有している。

本件意匠は、土木・建築工事において、護岸や土留め等に用いられるシートパイル(鋼矢板)を連結するための「シートパイル用連結具」の意匠であり、別紙意匠権目録7項「意匠の形態(図面)」記載の各図面のとおりの形態からなる(甲2)。

(3) 被告各製品

ア 被告横山基礎工事は、平成23年頃より、マイクロジョイントパイル(MJP)工法による鋼管矢板の施工工事を、米国PileProグループからTypeⅠ(large)及び同(small)と呼ぶ特殊継手(以下「旧継手」という。)を購入して、実施してきた(乙B4、7)。

イ 被告各製品は、いずれも旧継手の後継となる新たな特殊継手であり、マンシュタット社が製造し、被告JFE商事が羽田興産株式会社(以下「羽田興産」という。)を通じて輸入して、被告横山基礎工事に販売している。

被告各商品の製造・輸入の開始時期は、被告製品1(TypeⅡ(large))が遅くとも平成30年以降、被告製品2(被告製品1のマイナーチェンジ版)が令和6年以降、被告製品3(TypeⅡ(small)が令和元年11月以降であった(乙A4ないし9、乙B53、弁論の全趣旨)。

(4) 訴訟提起等(当裁判所に顕著な事実)

ア 原告は、令和7年2月4日、被告らに対し、「『基礎工』(総合土木研究所発行)2022年8月号(2022 Vol.50,No.8)の裏表紙に『特殊継手』として掲載されている『シートパイル用連結具』」の製造、輸入、販売等が本件意匠権を侵害するとして、侵害行為の差止め、上記製品の廃棄及び損害賠償金の支払を求める本訴を提起した。

イ 被告横山基礎工事は、同年7月16日、原告に対し、被告製品3について、原告の被告横山基礎工事に対する本件意匠権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差止請求権が存在しないことの確認を求める反訴を提起した。

ウ 原告は、令和8年2月9日、本訴について、本訴提起時に上記アのとおり特定した製品を被告製品1と特定し直すとともに、被告製品2及び被告製品3についても、それらの製造、輸入、販売等が本件意匠権を侵害するとして、被告らに対して侵害行為の差止め、製品の廃棄及び不法行為に基づく損害賠償を求める旨、請求を拡張して、請求の趣旨を前記第1の1のとおりに変更した。

4 争点

(1) 被告各意匠が本件意匠に類似するか(争点1)

(2) 日本国内に先に存在する物の抗弁の成否(争点2)

(3) 被告らによる先使用権の成否(争点3)

(4) 新規性欠如による無効(争点4)

(5) 原告の損害額(争点5)

第3 争点に対する当事者の主張

1 争点1(被告各意匠が本件意匠に類似するか)について

【原告の主張】

(1) 本件意匠及び被告意匠1の構成態様

ア 本件意匠の構成態様は、別紙本件意匠の構成態様(原告の主張)記載のとおりである。

イ 被告意匠1の構成態様は、別紙被告意匠1の構成態様(原告の主張)記載のとおりである。

(2) 本件意匠と被告意匠1との類似性

ア 本件意匠と被告意匠1は、その基本的構成態様が共通している。

イ 本件意匠と被告意匠1は、具体的構成態様において、以下の差異点がある。

(ア) 具体的構成態様(h)の差異点

本件意匠の継手部の略横長楕円形の空洞部分の下面の中央部には溝が設けられていないのに対し、被告意匠1の継手部の略横長楕円形の空洞部分の下面の中央部には、正面図に対して垂直方向に延びる正面視が角丸略長方形状の溝が設けられている。

(イ) 具体的構成態様(i-2)の差異点

本件意匠の継手部の最も膨らんだ部分と下辺の端部を結んだ直線と、下辺の両端を結んだ直線の角度は約70度であるのに対し、被告意匠1の継手部の最も膨らんだ部分と下辺の端部を結んだ直線と、下辺の両端を結んだ直線の角度は約75度である。

(ウ) 具体的構成態様(j)の差異点

本件意匠の継手部の下辺から接合部の下辺までの左右のそれぞれの輪郭線は、いずれも略直線状に伸びているのに対し、被告意匠1の継手部の下辺から接合部の下辺までの左右のそれぞれの輪郭線は、いずれも内側に向かって緩やかに湾曲した曲線からなっている。

ウ 本件意匠の要部は、基本的構成態様(a)、(b)、(c)で特定される骨格的な形態と、具体的構成態様(d)、(e)、(f)、(g)、(i-1)で特定される継手部の輪郭形状を組み合わせた形態にあるが、これらの構成態様は、本件意匠と被告意匠の共通点である。そして、これらの共通点が意匠全体に与える印象は非常に強く、本件意匠と被告意匠1に接した需要者は、両意匠から共通する印象を感じ取るといえる。

また、本件意匠と被告意匠1は、具体的構成態様(k)及び(l)の点でも共通しているが、かかる点も両意匠の印象の共通性をより一層高めるものである。

一方、両意匠は、継手部の略横長楕円形の空洞部分における溝の有無の点で相違しているが(具体的構成態様(h)の差異点)、かかる差異点の構成は、継手部の抉られた部分の内部における構成にすぎず、需要者の注意を惹きにくいものである。

また、両意匠は、継手部の最も膨らんだ部分と下辺の端部を結んだ直線と、下辺の両端を結んだ直線の角度でも相違しているが(具体的構成態様(i-2)の差異点)、両者の差異はわずか5度の些細な程度であり、意匠全体の美感に影響を与えるものではない。また、両意匠は、継手部の下辺から接合部の下辺までの左右の輪郭線において、湾曲しているか否かという点でも相違しているが(具体的構成態様(j)の差異点)、湾曲の程度は僅かであるし、かかる点も需要者の注意を惹きにくい些細な差異であり、意匠全体の美感に影響を与えるものではない。

よって、両意匠の共通点の方が差異点よりも、意匠全体の美感に与える影響が大きいことから、両意匠の形態が類似しているといえる。

(3) 本件意匠と被告意匠2との類似性

被告製品1と被告製品2は、継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下面に設けられた溝の深さが5mmから7mmに変更になった点で異なるが、本件意匠と、被告意匠1及び被告意匠2の特定において、溝の深さは考慮要素ではないため、被告意匠2の基本的構成態様及び具体的構成態様は被告意匠1と共通である。

したがって、被告意匠2の構成態様及び本件意匠との類否は、前記(2)で主張したとおりであり、被告意匠2と本件意匠は、意匠に係る物品も同一であるから、被告意匠2は本件意匠に類似するといえる。

(4) 本件意匠と被告意匠3との類似性

ア 被告意匠3と被告意匠1では、高さ(正面視上下方向の長さ)と幅(正面視左右方向の長さ)の比率等に差異はあるものの、構成態様の考慮要素となる形態については、具体的構成態様(i-2)の具体的な角度を除いて共通である。

イ 本件意匠と被告意匠3の基本的構成態様に差異点はないが、具体的構成態様においては、構成(h)及び(j)に係る以下の差異点がある。(ア) 具体的構成態様(h)の差異点

本件意匠の継手部の略横長楕円形の空洞部分の下面の中央部には、溝は設けられていないのに対し、被告意匠3の継手部の略横長楕円形の空洞部分の下面の中央部には、正面図に対して垂直方向に延びる正面視が角丸略長方形状の溝が設けられている。

(イ) 具体的構成態様(j)の差異点

本件意匠の継手部の下辺から接合部の下辺までの左右のそれぞれの輪郭線は、いずれも略直線状に伸びているのに対し、被告意匠3の継手部の下辺から接合部の下辺までのそれぞれの左右の輪郭線は、いずれも内側に向かって緩やかに湾曲した曲線からなっている。

ウ 本件意匠の要部は前記(2)ウのとおりであるが、これらの構成態様は、本件意匠と被告意匠3の共通点である。そして、これらの共通点が意匠全体に与える印象は非常に強く、本件意匠と被告意匠3に接した需要者は、両意匠から共通する印象を感じ取るといえる。

また、本件意匠と被告意匠3は具体的構成態様(k)、(i-2)及び(l)の点でも共通しているが、かかる点も両意匠の印象の共通性をより一層高めるものである。

一方、両意匠は、継手部の略横長楕円形の空洞部分における溝の有無の点で相違しているが(具体的構成態様(h)の差異点)、かかる差異点の構成は、継手部の抉られた部分の内部における構成にすぎず、需要者の注意を惹くにくいものである。また、両意匠は、継手部の下辺から接合部の下辺までの左右の輪郭線において、湾曲しているか否かという点でも相違しているが(具体的構成態様(j)の差異点)、湾曲の程度は、被告意匠1及び2と比較してもより僅かなものであり、かかる点も需要者の注意を惹くにくい些細な差異であるから、意匠全体の美感に影響を与えるものではない。

よって、両意匠の共通点の方が差異点よりも、意匠全体の美感に与える影響が大きいことから、両意匠の形態が類似しているといえる。そして、被告意匠3と本件意匠は、意匠に係る物品も同一であるから、被告意匠3は本件意匠に類似するといえる。

【被告らの主張】

(1) 本件意匠の構成態様について

ア 本件意匠の構成態様は、原告の主張を前提に、以下のとおり解すべきである。

(ア) 基本的構成態様(a)について

以下のとおり分説して特定すべきである。

(a-1)正面視において全体が左右対称の形状である。

(a-2)側面視において高さ対長さの割合が約1:2.5の矩形状であり、これを最小単位として、側面視において左右方向

に連結し、長さ方向に継ぎ目が一定間隔で繰り返し形成さ

れることを伴う長尺状の形状からなる。

(イ) 具体的構成態様(i-1)及び(i-2)について

以下のとおり、修正して特定すべきである。

(i-1)継手部の最も膨らんだ部分から、継手部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも下辺に対して、その上半部

分が緩やかな曲線状、その下半部分が略直線状に伸びてい

る。

(i-2)継手部の最も膨らんだ部分と接合部の下辺の端部を結んだ直線と、下辺の両端を結んだ直線の角度は約70度であり、

左右それぞれの前記輪郭線は、いずれも当該直線に対して

外側に向かって膨らんでいる。

(2) 被告各意匠の構成態様について

被告各意匠の構成態様は、別紙被告各意匠の構成態様(被告らの主張)のとおりである。

(3) 被告各意匠と本件意匠の類否

ア 被告意匠1と本件意匠とを対比すれば、基本的構成態様(a―1)、(b)、(c)、具体的構成態様(d)ないし(g)、(k)及び(l)において共通し、基本的構成態様(a-2)、具体的構成態様(h)((h-1)及び(h-2))、(i-1)、(i-2)及び(j)において差異がある。被告意匠2と本件意匠とを対比すれば、共通点及び差異点は、被告意匠1と同様であり、溝部の深さに関する具体的構成態様(h-2)のみがより異なる。

被告意匠3と本件意匠とを対比すれば、基本的構成態様(a―1)、(b)、(c)、具体的構成態様(d)ないし(g)、及び(k)において共通し、基本的構成態様(a-2)、具体的構成態様(h)((h-1)及び(h-2))、(i―1)、(i-2)、(j)及び(l)において差異がある。

イ 被告各製品のいずれにおいても、継手部の形状は、旧継手の形状と略同一の形状であり、本件意匠との当該共通部分はありふれた形状である。

ウ 本件意匠は、六面図により把握される最小単位の意匠を、左側面図の左右方向にのみ、繰り返し連結することによって想定される長尺物意匠である。長尺物意匠全体にわたって形成される「継ぎ目」によって形成される縞模様は、本件意匠において看者の注意を惹くのに十分な美感上の特徴的外観と評価しうる。

他方、被告各意匠は、いずれも高さ対長さの割合が1:170あるいは1:200の連続する長尺物に対して、正面視及び背面視で把握される凹凸を保ったまま、平面、底面、左側面、及び右側面に「継ぎ目」のない連続した面一の美感を形成するものである。

看者にとって、基本的構成態様(a―2)の差異点は、全体の美感に大きな影響があるといわざるをえない。

エ 被告各意匠は、具体的構成態様(h-1)として、止水材を封入するため、略横長楕円形状の空洞部分の下面の中央部には、正面図に対して垂直方向に伸びる正面視が角丸略長方形状の溝部が設けられているところ、当該構成態様は、従来の略倒C字状の継手部にはなかった構成態様であり、かつ、ユーザがその使用に際して注視すべき部位であるから、看者の注意を惹くべき要部と把握される構成態様であり、本件意匠の美感とは明らかに混同を惹起せしめない差異点と評価されるべきである。

オ 継手部から接合部への連続性に関しては、外観に表れる輪郭線の把握が最も重要であって、長尺物(連結物)として、本件被告製品と本件意匠とを対比した場合、具体的構成態様(i-1)、(i-2)、及び(j)における差異点は、従来になかった接合部を採用する関係で看者の注意を惹かざるをえない継手部と接合部との連続性を確保する部位であり、少なからざる印象の相違を与える差異点と評価されるべきである。

カ 以上によれば、本件意匠と被告各意匠との共通点と差異点とによる全体美感の異同を検討した場合、差異点が共通点による印象を凌駕していることが明らかであるから、両者は非類似と評価されるべきである。

2 争点2(日本国内に先に存在する物の抗弁の成否)について

【被告らの主張】

被告製品1に関しては、本件意匠権の優先日である平成30年11月6日より前に、第1回発注に基づき、1653本(長さ約11.4m、約328t)、及び、第2回発注に基づき、同2133本(約411t)の合計3786本(約740t)が、平成30年4月20日までに日本国内に存在していた(乙A4ないし9、16ないし19、乙B10、23、53、54)。そして、その後に被告製品1は被告製品2に製品仕様が改訂されており、上記以外に被告製品1は存在しない。

よって、意匠法36条及び特許法69条2項2号に基づき、本件意匠権の効力は、被告製品1に関して、被告横山基礎工事が施工者として実施する鋼管矢板施工での使用、並びに施主に対する同被告製品の譲渡、リース取引による貸渡し及び譲渡等の申出に及ばない。

【原告の主張】

争う。

3 争点3(被告らによる先使用権の成否)について

【被告らの主張】

(1) 被告意匠1の独自創作

被告横山基礎工事は、平成28年10月頃に、被告JFE商事より特殊継手の製造委託先としてマンシュタット社の紹介を受け、その後、平成29年3月1日の時点で、被告製品1及び被告製品2にかかる意匠について、「新セクション寸胴型決定詳細図―溝付重量修正」(以下「本件原図1」という。)として、その創作を実質完成させ(乙B26ないし28)、被告横山基礎工事から問合せを受けた被告JFE商事が、マンシュタット社との間で、本件原図1に基づく製品可能性と取引内容を協議した(乙A10、11)。被告横山基礎工事は、平成29年5月29日に、本件原図1について、止水溝の底面等にRを設ける修正をした「新大型セクション図(YJMJ-0002)」及び「新小型セクション図(YJMJ―0001)」(以下、これらの図面を併せて「本件原図2」という。)を作成し、被告JFE商事に送付した(乙B32ないし34)。そして、同月31日のマンシュタット社との協議を経て、同年6月2日、被告横山基礎工事は、被告JFE商事に対し、被告製品1についてのみ、本件原図2のサイズ等についての指示をマンシュタット社の要望に合わせて修正した図面(以下「本件原図3」という。)を発送した(乙B36)。

被告横山基礎工事は、同月7日、被告JFE商事から、マンシュタット社から送付されてきた製造図面の送付を受け(乙B37)、重量等の計算について問い合わせを行い、同月13日、製造図面に承認印を追記して、乙B第3号証の承認製造図面を最終的に確定させ(乙B38)、同承認製造図面と注文書(乙B23)を被告JFE商事に送付した。

被告意匠1が被告横山基礎工事の独自の創作によるものであることは、マンシュタット社による回答(乙A13)からも明らかである。

以上のとおり、被告意匠1は、被告横山基礎工事により独自に創作された意匠である。

(2) 被告意匠1を使用する事業の実施

ア 被告横山基礎工事は、平成29年12月から平成30年1月にかけて第1回発注分にかかる被告製品1を日本国内に輸入しており、被告製品1の製造、輸入の事業を開始した。

なお、本件においては、被告横山基礎工事が、金型設計を行い、金型代を支払い、原材料費を商品代金として負担し、自己専用の製品として100%の納品を受けているのであって、製造しているのが発注者である被告横山基礎工事であることは実務上当然である。

イ そして、前記輸入にかかる被告製品1は、被告横山基礎工事において保管され、マイクロジョイントパイル(MJP)工法によって施工される鋼管矢板の施工事業(使用、譲渡、貸渡し、及び譲渡等の申出)に使用されてきた。

被告横山基礎工事は、平成30年1月から同年5月にかけて、TypeⅡの特殊継手の施工能力について社内で性能実験をし(乙B7、39)、その後、マイクロジョイントパイル工法による鋼管矢板の施工受注に伴う被告製品の譲渡等の申出に係る事業を開始した。

前記性能試験のうち、掘削試験や止水試験は、私企業の私有地とはいえ公開の試験場における試験であって、不特定かつ多数人の前で事業として使用されたといえる。また、前記止水試験にかかる資料は、平成30年10月26日の段階で、日本建設機械施工協会に提出され、審査評価の基礎となった(乙B7、40ないし43)。

ウ また、事業の準備については、どれほど遅く考えるとしても、金型発注があれば、下流側の全ての取引に係る事業については、全て即時実施(使用)の意思が客観的に表明されているものと評価されるべきであり、平成29年12月に既に被告製品1の通関が終了している以上、被告横山基礎工事が計画していた事業は、既に開始されていた事業も含め、事業の準備としても、全て客観的に即時実施の意思が表明されている。全ての事業の即時実施の意思の客観的表明は、2018年(平成30年)10月23日付け建設技術審査証明依頼書(乙B40)によっても明らかであり、貸渡し、再利用の使用については、旧継手で実施されており(乙B2)、被告製品1が旧継手からの切替え製品として予定されていたものであることから、被告製品1についても予定されていたことは明らかである。

(3) 被告意匠2と被告意匠1との類似性

被告製品1と被告製品2を比較すると、①被告製品1の意匠の継手部(ソケット部)の内部に長尺物として連続して面一に直線状に設けられた溝部、②正面視及び背面視で継手部(ソケット部)の中間から接合部(台座部)の左右の輪郭線が直線状ではなく、くびれた曲線状に形成されており、長尺物として連続して面一に形成されるくびれ形状を有すること、及び③接合部(台座部)の正面視及び背面視における下辺左右の大きな角丸形状と鋼管矢板との間に形成される凹みの大きな弧形状は、被告製品1とマイナーチェンジ後の被告製品2とで共通であり、差異点は、実質、止水溝の深さを5mmから7mmに変更した点にしかない。

よって、被告製品1にかかる意匠と被告製品2にかかる意匠は、類似している。

(4) 被告意匠3と被告意匠1との類似性

被告製品1と被告製品3を比較すると、①被告製品1の意匠の継手部(ソケット部)の内部に長尺物として連続して面一に直線状に設けられた溝部、②正面視及び背面視で継手部(ソケット部)の中間から接合部(台座部)の左右の輪郭線が直線状ではなく、くびれた曲線状に形成されており、長尺物として連続して面一に形成されるくびれ形状を有すること、及び③接合部(台座部)の正面視及び背面視における下辺左右の大きな角丸形状と鋼管矢板との間に形成される凹みの大きな弧形状は、被告製品1と被告製品3の間で共通である。

よって、被告製品1にかかる意匠と被告製品3にかかる意匠は、類似している。

(5) 小括

以上によれば、本件意匠権の優先権主張日(平成30年11月6日)より前から、被告横山基礎工事は、本件意匠を知らずして被告意匠1を創作して、日本国内において、その意匠の製造、使用、譲渡、貸渡し、譲渡等の申出、及び輸入する事業をしていたのであるから、以上の事業の目的の範囲内で使用する、被告製品に係る意匠及びこれに類似する意匠について、仮に、これらが本件意匠に類似する場合でも、意匠法29条、68条4項、特許法26条、パリ条約4条(B)項、及び最高裁昭和61年10月3日第二小法廷判決・民集40巻6号1068頁を初めとする確立された国内法に基づき、本件意匠権の法定通常実施権を有する。

なお、意匠の先使用権は、登録意匠と同一の意匠、及び類似する意匠に及ぶ。よって、被告製品2及び被告製品3に関しても、仮に、本件意匠に類似すると判断されても、被告製品1に係る意匠と類似する以上、上記各法規等に基づき、被告横山基礎工事の各実施に本件意匠権の法定通常実施権が成立する。

【原告の主張】

(1) 被告意匠1の独自創作について

被告らは、本件原図1の完成から乙B3の承認製造図確定までの経緯については説明しているものの、本件原図1の創作経緯については何ら言及しておらず、被告製品1にかかる意匠を創作したとされる担当者の陳述書(乙B26)においても、「2017年3月当時、当社製品のデザインの原案を作成したのも私です。」と陳述するのみで、その詳細は不明である。したがって、被告意匠1が被告横山基礎工事により独自に創作された意匠であることは立証されたとはいえない。

(2) 被告意匠1を使用する事業の実施について

ア 被告横山基礎工事は、本件意匠の優先権主張日より前に、被告製品1にかかる意匠の実施行為を何ら行っていない。

被告製品1を製造したのはマンシュタット社であり、輸入を行ったのは被告JFE商事である。被告横山基礎工事は、マンシュタット社が製造し、被告JFE商事が輸入した被告製品1を購入したに過ぎない。

イ 被告横山基礎工事が主張する「性能試験」は、被告製品が製品として十分な施工能力を有するものであるかを確認するための試験であり、当該性能試験に合格して初めて製品として採用されることになるのであるから、このような試験に使用された段階では、未だ「意匠の実施である事業」をしていたとはいえない。また、乙B第7号証4頁の「注1.TypeⅠは、施工実績表(表4.2.1)に示すNo.1~18に採用しているが今後、保有在庫が無くなり次第、TypeⅡへ全面的に移行する。」との記載は、被告横山基礎工事が本件意匠権の優先権主張日より前に被告製品1を使用していたことを基礎づけるものではなく、むしろ、当該書面が作成された段階では、TypeⅠの保有在庫が残存しており、被告製品1を使用していなかったことを基礎づけるものである。

乙B第7号証35頁には、「現場における止水注入作業の省略化」を立会にて確認した結果が記載されているが、令和元年5月8日に行われたとする立会検査では、TypeⅠが使用されており、同日の時点でTypeⅠが残存していたことがわかる。旧製品であるTypeⅠの在庫品が残存していたこの時期に、新製品である被告製品を取引先等に積極的に宣伝するとは考えにくい。

また、被告横山基礎工事による掘削試験及び止水試験は、公開の試験場で行われたとはいえないし、仮に公開の場で行われたとしても、性能試験を行ったことを根拠に、被告製品の譲渡、貸渡し、及び譲渡等の申出のための事業が行われたとは到底いえない。

ウ 以上のとおり、被告横山基礎工事は、本件意匠権の優先権主張日より前に、被告意匠1にかかる製造、使用、譲渡、貸渡し、譲渡等の申出及び輸入する事業を行っていたとはいえない。

(3) 小括

以上のとおり、被告意匠1が被告横山基礎工事により独自に創作された意匠であることは立証されたとはいえないし、被告横山基礎工事は、本件意匠権の優先権主張日より前に、被告製品に係る意匠の製造、使用、譲渡、貸渡し、譲渡等の申出及び輸入する事業を行っていたとはいえない。

したがって、被告横山基礎工事による各実施に対して、先使用に基づく本件意匠権の法定実施権は成立しない。

4 争点4(新規性欠如による無効)について

【被告らの主張】

(1) 被告製品1の意匠が公知であったこと

ア 平成29年3月1日作成の本件原図1は、被告横山基礎工事による作成直後より、少なくとも、被告JFE商事、羽田興産及びマンシュタット社の取引関係者の間で共有され、認識されてきた。同年5月29日に修正された本件原図2、同年6月2日に修正された本件原図3も同様である。同月13日に承認された承認設計図面は、実際の製造を行うにあたって、マンシュタット社の関連者等が幅広く検討を重ねてきたと理解され、不特定かつ多数の者が被告製品1にかかる意匠を認識していたといえる。そして、被告製品の輸入の際の税関の港湾内でのコンテナからの陸揚げに際し、溶接施工される以前の被告製品の形状が不特定かつ多数の第三者に視認される状況が確認されている(乙A1、2、14)。

イ 被告横山基礎工事が、平成30年4月から5月に、公開試験場である被告横山基礎工事岡山第2工場8号地において実施した、被告製品の打設工事及び止水工事に際して、不特定、かつ、特に実際の施工工事の作業態様から多数人と理解される者に対して、被告製品1に係る意匠が知られていたことが明らかである。

ウ 平成30年10月23日に、被告横山基礎工事は、日本建設機械施工協会に対して、審査証明依頼の申請を行っており(乙B40、41)、その添付書類として、被告製品に係る意匠を明記する乙B第42号証の1、及び被告製品に係る意匠の把握が可能な乙B第43号証の1の添付資料を提出しており、日本建設機械施工協会の関係者の被告製品1にかかる意匠の認識の事実は明らかである。

(2) 小括

以上のとおり、本件意匠権の優先権主張日より前から、被告意匠1が公知意匠であった以上、意匠法41条、特許法104条の3第1項、意匠法48条1項1号、3条1項1号に基づき、本件意匠権の権利行使に対しては、新規性欠如の無効の抗弁が成立する。

【原告の主張】

(1) 被告意匠1の公知性について

ア 被告横山基礎工事は、被告JFE商事、羽田興産及びマンシュタット社の取引関係者に知られていたことを根拠に、公知性を主張しているが、上記の取引関係者には、被告横山基礎工事との間で守秘義務が課されているのであるから、上記取引関係者らに知られていることを根拠に、被告製品1に係る意匠が公知になっていたとはいえない。

イ また、被告横山基礎工事が岡山第2工場8号地において被告製品1の掘削試験及び止水試験を行ったとしても、同工場は被告横山基礎工事の私有地であり、誰でも自由に出入りできる場所ではなく、被告製品1の形状や試験中の被告製品1の状況に照らしても、通行人が被告製品1の形状を認識できるとは考えられないこと、同工場が被告横山基礎工事の新技術の開発拠点であることに照らしても、他社が出入りして試験内容を見たりするとは考えられないし、仮に被告製品の形状を認識できたとしても、他社の試験内容に関しては互いに守秘義務を負っているといえることからすれば、前記各試験の実施を根拠に、被告製品1に係る意匠が公知になったとはいえない。

ウ さらに、被告横山基礎工事は、日本建設機械施工協会に対して審査証明依頼の申請を行ったことを根拠に公知性を主張しているが、上述のとおり、岡山第2工場は公開の施工現場ではないし、日本建設機械施工協会に対する審査証明依頼申請を行った段階で、被告製品は未だ「性能試験」を終えた段階であるから、このような状況で、審査委員会の委員等の守秘義務が解除されるとは考えられない。

(2) 小括

以上のとおり、本件意匠権の優先権主張日において、被告製品1に係る意匠が公知になっていたとはいえず、新規性欠如の無効の抗弁は失当である。

5 争点5(損害の額)について

【原告の主張】

被告横山基礎工事は、被告JFE商事から仕入れた被告製品1ないし3を被告工法に使用し顧客から工事代金として対価を得ているが、当該工事代金には、被告製品1ないし3の販売価格が含まれており、本件意匠権の成立後、現在までの当該金額の合計額は5億円を下らない。

本件意匠権に関し、意匠法39条3項の損害賠償額を計算する際の実施料率は、販売価格の10%を下らない。したがって、同項に基づき算出される損害賠償額は、被告横山基礎工事による被告製品1ないし3の販売の売上額5億円に10%を乗じた5000万円を下らない。

また、弁護士費用及び弁理士費用は500万円を下らない。

以上によれば、原告の損害額は、5500万円を下らない。

【被告らの主張】

争う。

第4 当裁判所の判断

1 認定事実

前記前提事実に加え、後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実を認めることができる。

(1) 被告横山基礎工事は、遅くとも平成29年初め頃までに、旧継手の後継となる新たな特殊継手の製造委託先・購入元として、被告JFE商事からマンシュタット社の紹介を受けた(弁論の全趣旨)。

(2) 被告横山基礎工事は、新な特殊継手の図面として本件原図1を作成し、被告横山基礎工事の担当者は、平成29年3月1日にこれをメールに添付して被告JFE商事の担当者に送付した(乙B26ないし28、乙A10)。その後、本件原図1に基づく製品の製作可能性や取引内容等について、被告横山基礎工事、被告JFE商事、羽田興産、マンシュタット社らの間で協議が行われ(乙A11、12、乙B29ないし31)、被告横山基礎工事において本件原図1を修正した本件原図2を作成し(乙B32ないし34)、これをもとに関係者の間で同年5月31日に協議が行われた後、被告横山基礎工事において本件原図2を修正した本件原図3を作成し(乙B36)、本件原図3を基にマンシュタット社が作成した製造図面に、被告横山基礎工事の担当者が「承認済APPROVED」と記載をすることにより、同年6月13日、被告製品1にかかる承認製造図面が確定した(乙B3、37、38)。

(3) 被告横山基礎工事は、平成29年6月12日付けで、前記承認製造図面とともに、被告製品1(メス継手)318トン(1547本)を含む特殊継手を発注する旨の注文書を被告JFE商事に対して送付し、第1回分の発注を行った(乙B10、23、24)。

その後、同年12月から平成30年1月にかけて、第1回分の発注にかかる被告製品1合計1653本(約328トン)が、日本国内に輸入され、被告横山基礎工事に納入された(乙A4ないし9)。

また、被告横山基礎工事は、平成29年10月28日付けで、被告製品1380トン(1849本)を含む特殊継手を発注する旨の注文書を被告JFE商事に対して送付して第2回分の発注を行い(乙B53の2)、平成30年4月までに、第2回分の発注にかかる被告製品1合計411トン(2133本)が日本国内に輸入され、被告横山基礎工事に納入された(乙A16ないし19、乙B54)。

(4) 被告横山基礎工事は、被告製品1を含むTypeⅡ(large)の特殊継手について、平成30年1月に溶接取付け確認試験、同年4月及び5月に止水試験、同年5月に打設試験及び引抜き確認試験からなる掘削試験といった各種の性能試験を社内で行った。前記の各試験のうち、止水試験と掘削試験は、被告横山基礎工事の岡山第2工場で行われた。(乙B7、26、39)

(5) 被告製品2は、被告製品1のマイナーチェンジ版と位置付けられる製品であり、被告製品1の意匠の継手部(ソケット部)の内部に長尺物として連続して面一に直線状に溝部が設けられていること、正面視及び背面視で継手部(ソケット部)の中間から接合部(台座部)の左右の輪郭線が直線状ではなく、くびれた曲線状に形成されており、長尺物として連続して面一に形成されるくびれ形状を有すること、及び、接合部(台座部)の正面視及び背面視における下辺左右の大きな角丸形状と鋼管矢板との間に凹みの大きな弧形が形成されていることは、被告製品1とマイナーチェンジ後の被告製品2とで共通であり、差異点は、上記溝部の深さが5mmから7mmに変更されているなど形状が若干異なる点程度である(乙B22の1ないし3、49)。被告製品1と被告製品3を比較すると、①被告製品1の意匠の継手部(ソケット部)の内部に長尺物として連続して面一に直線状に設けられた溝部、②正面視及び背面視で継手部(ソケット部)の中間から接合部(台座部)の左右の輪郭線が直線状ではなく、くびれた曲線状に形成されており、長尺物として連続して面一に形成されるくびれ形状を有すること、及び③接合部(台座部)の正面視及び背面視における下辺左右の大きな角丸形状と鋼管矢板との間に形成される凹みの大きな弧形状は、被告製品1と被告製品3の間で共通であり、差違点は、高さ(正面視上下方向の長さ)と幅(正面視左右方向の長さ)の比率、及び接合部の下辺に存在する円弧状の湾曲の大きさ程度である(乙B3、45)。

2 争点3(被告らの先使用権の成否)について

事案の性質に鑑み、争点3から判断する。

(1) 前記前提事実、前記認定事実(1)及び(2)によれば、被告横山基礎工事は、旧継手の後継となる特殊継手の製造委託先・購入元としてマンシュタット社の紹介を受けた後、自ら新たな特殊継手の図面である本件原図1を作成し、マンシュタット社や被告JFE商事などの関係者との協議を経ながらその図面を修正し、平成29年6月に被告製品1にかかる承認製造図面を作成するに至ったと認めることができるのであって、マンシュタット社の回答書において本件原図1のアイデアが被告横山基礎工事のものである旨が記載されていること(乙A13)にも照らせば、被告横山基礎工事が、本件意匠とは関係なく被告意匠1を創作したものということができる。

(2) そして、前記認定事実(3)によれば、被告横山基礎工事は、被告JFE商事を通じてマンシュタット社に被告製品1の製造・納品を依頼し、平成29年12月頃から被告製品1が日本国内に輸入され、被告横山基礎工事に納入されていたのであるから、同時期から、被告横山基礎工事が、日本国内において被告製品1の製造、輸入にかかる事業をしていたということができる。他方で、本件各証拠を精査しても、本件意匠権の優先日である平成30年11月6日以前に被告横山基礎工事が日本国内に輸入した被告製品1をMJP工法による鋼管矢板の施工に実際に使用していたことを直接的に裏付ける証拠はなく、当該時期に旧継手が依然として施工に使用されていたことをうかがわせる証拠(乙B7)も存在することにも照らせば、被告横山基礎工事が平成30年11月6日以前に被告製品1の使用、譲渡、貸渡し等の各事業をしていたとまで認めることはできない。

しかし、前述のとおり、被告横山基礎工事は、平成29年6月に被告意匠1を完成させ、その後に被告意匠1に基づく被告製品1の製造・輸入を発注し、同年12月には被告製品1の納入を受けており、更には前記認定事実(4)のとおり、平成30年1月から5月にかけて被告製品1の性能試験を実施しているのであるから、同年11月6日の時点で、被告横山基礎工事において、被告製品1にかかる使用、譲渡、貸渡しの事業を即時に実施する意図を有しており、その意図が表明されていたということができ、したがって、被告横山基礎工事において、前記各事業の準備をしていたということができる。

(3) 以上によれば、被告横山基礎工事は、本件意匠権の優先日である平成30年11月6日の時点で、被告意匠1の実施に当たる製造、使用、譲渡、貸渡し、輸入の事業をし、又は事業の準備をしていたと認められる。

(4) また、意匠権者の権利が登録意匠のみならずそれと類似する意匠にも及ぶこと、先使用制度の趣旨が、主として意匠権者と先使用権者の公平を図ることにあることに照らせば、意匠法29条にいう「実施又は準備をしている意匠」には、意匠登録出願や優先日の時点において先使用権者が事業の実施又は事業の準備をしていた具体的意匠に限定されるものではなく、その具体的意匠に類似する意匠も含むものと解すべきであり、先使用権の効力は、当該類似する意匠にも及ぶものと解するのが相当である。

本件においては、前記認定事実(5)のとおり、被告製品2と被告製品3は、その意匠の重要部分が被告製品1と共通しているのであって、原告が本件意匠と被告各意匠がいずれも類似している旨主張していることに照らしても、被告意匠1と被告意匠2及び被告意匠3が類似していると認めることができる。

(5) したがって、本件意匠と被告各意匠が類似しているとしても、被告横山基礎工事は、本件意匠を知らないで自ら本件意匠に類似する意匠を創作し、本件意匠権の優先日である平成30年11月6日の時点で、現に日本国内において原告意匠に類似する意匠である被告各意匠の実施である事業をし、又は事業の準備をしていたと認められるから、意匠法29条により、被告各意匠及び事業の目的の範囲内において、本件意匠権について通常実施権を有すると認められる。

そうすると、被告横山基礎工事が、被告各製品を製造、輸入、販売等する行為は本件意匠権を侵害しないものと認められる。

また、被告JFE商事は、被告横山基礎工事の注文に基づき、もっぱら同社のために被告各製品を輸入し、輸入した被告各製品を同社に販売したものであって、被告JFE商事による前記各行為は、被告横山基礎工事の有する通常実施権を行使したものに過ぎず、被告横山基礎工事の通常実施権行使の範囲内に属するものといえることから、被告JFE商事が被告各製品を輸入、販売等する行為も、本件意匠権を侵害しないものと認められる。

3 結論

以上によれば、原告による本訴請求については、被告らの主張する先使用権の抗弁が成立することから、その余の争点について判断するまでもなく、いずれも棄却することとする。

また、被告横山基礎工事による反訴請求は、被告製品3について、被告横山基礎工事による製造、輸入、販売等が本件意匠権を侵害するものではないとして、原告が被告横山基礎工事に対する本件意匠権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差止請求権を有しないことの確認を求めるものであるところ、前記前提事実(4)のとおり、原告は、被告横山基礎工事による反訴提起の後に、被告製品3についても、本件意匠権の侵害を理由とした侵害行為の差止め、廃棄及び不法行為に基づく損害賠償請求を求める旨、本訴請求を拡張しているのであって、これにより、反訴請求のうち、損害賠償請求権、差止請求権が存在しないことを確認する部分は、訴えの利益を欠くことに帰するから、当該部分の訴えを却下することが相当である。

他方で、反訴請求のうち、不当利得返還請求権が存在しないことの確認を求める部分については、前記本訴請求の拡張の際にも不当利得返還請求権に基づく請求が追加されていないため、訴えの利益を欠くことにはならない。そして、当該不当利得返還請求権の内容は必ずしも明らかではないものの、被告横山基礎工事において本件意匠の正当な使用権限がないのに本件意匠と類似する被告各意匠を用いた被告各製品を使用したことによって得た利得の返還を求める請求権を指すものと考えられるところ、これまで述べたとおり、被告らが先使用に基づき本件意匠権の通常実施権を有すると認められることからすれば、原告は、被告横山基礎工事に対し、前記不当利得返還請求権を有しないというべきである。よって、反訴請求のうち、原告が不当利得返還請求権を有しないことの確認を求める部分は、認容することとする。

第5 結論

以上によれば、原告の本訴請求は、いずれも理由がないからこれを棄却することとし、被告横山基礎工事の反訴請求のうち、原告が損害賠償請求権、差止請求権を有しないことの確認を求める部分は訴えの利益を欠くことから却下することとし、原告が不当利得返還請求権を有しないことの確認を求める部分は理由があるから認容することとし、訴訟費用の負担については、被告横山基礎工事の敗訴部分が僅少であることから、民事訴訟法64条ただし書を適用して原告の負担とすることとして、主文のとおり判決する。

大阪地方裁判所第26民事部

裁判長裁判官

水野正則

裁判官

小野健

裁判官

西尾太一

別紙

意匠権目録

1 登録番号

第1652579号

2 出願日

平成31年4月26日

3 優先日

平成30年11月6日

4 登録日

令和2年1月22日

5 意匠に係る物品

シートパイル用連結具

6 意匠の説明

本意匠は、左側面図において左右方向にのみ連結するものである。

7 意匠の形態(図面)

【斜視図】

【正面図】

【背面図】

【左側面図】

【右側面図】

【平面図】

【底面図】

別紙

被告製品目録

使用工法マイクロジョイントパイル(MJP)工法

製品名TypeⅡ(large)

使用工法マイクロジョイントパイル(MJP)工法

製品名TypeⅡ(large)のマイナーチェンジ版

使用工法マイクロジョイントパイル(MJP)工法

製品名TypeⅡ(small)

別紙

本件意匠の構成態様(原告の主張)

1 基本的構成態様

(a)正面視において全体が左右対称の形状であり、側面視において左右方向に連続する長尺状の形状からなる。

(b)正面視上部には、上端中央部分が開口し、その下が略横長楕円形状に抉られて空洞状になった略倒C字状の継手部が設けられている。

(c)正面視下部には、略逆富士山形状の接合部が設けられている。

2 具体的構成態様

(d)継手部の開口部を形成する「C」字の両先端部分は、角が丸まった円弧状に形成されている。

(e)継手部の開口部の横幅は、継手部の最も膨らんだ部分の横幅の約3分の1程度である。

(f)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の高さは横幅の約6割程度である。(g)継手部の最も膨らんだ部分において、略横長楕円形状の空洞部分の横幅は、全体の横幅の2分の1をやや超える程度である。

(h)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下面に溝は設けられていない。(i-1)継手部の最も膨らんだ部分から、継手部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも下辺に対して略直線状に伸びている。

(i-2)継手部の最も膨らんだ部分と下辺の端部を結んだ直線(参考図の赤線)と、下辺の両端を結んだ直線(参考図の青実線)の角度は約70度である。

(j)継手部の下辺から接合部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも略直線状に伸びている。

(k)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下端から、接合部の下辺までの長さは、全体の縦方向の長さの2分の1をやや超える程度である。

(l)接合部の下辺は、上方に向かって緩やかに湾曲した円弧状からなっており、両端の角は丸みを帯びている。

[具体的構成態様(i-2)の角度を示す参考図]

別紙

被告意匠1の構成態様(原告の主張)

1 基本的構成態様

(a)正面視において全体が左右対称の形状であり、側面視において左右方向に連続する長尺状の形状からなる。

(b)正面視上部には、上端中央部分が開口し、その下が略横長楕円形状に抉られて空洞状になった略倒C字状の継手部が設けられている。

(c)正面視下部には、略逆富士山形状の接合部が設けられている。

2 具体的構成態様

(d)継手部の開口部を形成する「C」字の両先端部分は、角が丸まった円弧状に形成されている。

(e)継手部の開口部の横幅は、継手部の最も膨らんだ部分の横幅の約3分の1程度である。

(f)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の高さは横幅の約6割程度である。(g)継手部の最も膨らんだ部分において、略横長楕円形状の空洞部分の横幅は、全体の横幅の2分の1をやや超える程度である。

(h)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下面の中央部には、正面図に対して垂直方向に延びる正面視が角丸略長方形状の溝が設けられている。(i-1)継手部の最も膨らんだ部分から、継手部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも下辺に対して略直線状に伸びている。

(i-2)継手部の最も膨らんだ部分と下辺の端部を結んだ直線(参考図の赤線)と、下辺の両端を結んだ直線(参考図の青実線)の角度は約75度である。

(j)継手部の下辺から接合部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも内側に向かって緩やかに湾曲した曲線からなっている。

(k)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下端から、接合部の下辺までの長さは、全体の縦方向の長さの2分の1をやや超える程度である。

(l)接合部の下辺は、上方に向かって緩やかに湾曲した円弧状からなっており、両端の角は丸みを帯びている。

[具体的構成態様(i-2)の角度を示す参考図]

別紙

被告各意匠の構成態様(被告らの主張)

1 被告意匠1の構成態様

(1) 基本的構成態様

(a-1)正面視において全体が左右対称の形状である。

(a-2)側面視においてその高さ対長さの割合が約1:170の継ぎ目なく連続する面一の長尺状の形状からなる。

(b)正面視上部には、上端中央部分が開口し、その下が略横長楕円形状に抉られて空洞状になった略倒C字状の継手部が設けられている。

(c)正面視下部には、略逆富士山形状の接合部が設けられている。

(2) 具体的構成態様

(d)継手部の開口部を形成する「C」字の両先端部分は、角が丸まった円弧状に形成されている。

(e)継手部の開口部の横幅は、継手部の最も膨らんだ部分の横幅の約3分の1程度である。

(f)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の高さは横幅の約6割程度である。(g)継手部の最も膨らんだ部分において、略横長楕円形状の空洞部分の横幅は、全体の横幅の2分の1をやや超える程度である。

(h―1)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下面の中央部には、正面図に対して垂直方向に延びる正面視が角丸略長方形状の溝が設けられており、

(h-2)角丸略長方形状の溝の横幅は、継手部の略横長楕円形状の空洞部分の横幅の約3分の1(≑10÷33)程度であり、深さ方向の縦幅は、同略横長楕円形状の空洞部分の縦幅の約5分の1(≑5÷{(47-36.4)×2})程度である。(括弧内の数値は乙B3)

(i-1)継手部の最も膨らんだ部分から、継手部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも下辺に対して、緩やかな曲線状に伸びており、(i-2)継手部の最も膨らんだ部分と接合部の下辺の端部を結んだ直線(参考図の赤線)と、下辺の両端を結んだ直線(参考図の青実線)の角度は約75度であり、左右それぞれの前記輪郭線は、いずれも当該直線に対して、継手部の最も膨らんだ部分から継手部の下辺までが外側に向かって膨らむ曲線、継手部の下辺から接合部の下辺までが内側に向かって窪む曲線からなり、輪郭線全体が逆S字形である。

(j)継手部の下辺から接合部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも内側に向かって緩やかに湾曲した曲線からなっている。

(k)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下端から、接合部の下辺までの長さは、全体の縦方向の長さの2分の1をやや超える程度である。(l)接合部の下辺は、上方に向かって緩やかに湾曲した円弧状からなっており、両端の角は丸みを帯びている。

【具体的構成態様(i―1)の輪郭線及び(i-2)の角度を示す参考図】

2 被告意匠2の構成態様

(1) 基本的構成態様

(a-1)正面視において全体が左右対称の形状である。

(a-2)側面視においてその高さ対長さの割合が約1:170の継ぎ目なく連続する面一の長尺状の形状からなる。

(b)正面視上部には、上端中央部分が開口し、その下が略横長楕円形状に抉られて空洞状になった略倒C字状の継手部が設けられている。

(c)正面視下部には、略逆富士山形状の接合部が設けられている。

(2) 具体的構成態様

(d)継手部の開口部を形成する「C」字の両先端部分は、角が丸まった円弧状に形成されている。

(e)継手部の開口部の横幅は、継手部の最も膨らんだ部分の横幅の約3分の1程度である。

(f)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の高さは横幅の約6割程度である。(g)継手部の最も膨らんだ部分において、略横長楕円形状の空洞部分の横幅は、全体の横幅の2分の1をやや超える程度である。

(h―1)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下面の中央部には、正面図に対して垂直方向に延びる正面視が角丸略長方形状の溝が設けられており、

(h-2)角丸略長方形状の溝の横幅は、継手部の略横長楕円形状の空洞部分の横幅の約3分の1(≑10÷33)程度であり、深さ方向の縦幅は、同略横長楕円形状の空洞部分の縦幅の約3分の1(≑7÷{(47-36.4)×2})程度である。(括弧内の数値は、乙B22の3)

(i-1)継手部の最も膨らんだ部分から、継手部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも下辺に対して、緩やかな曲線状に伸びており、(i-2)継手部の最も膨らんだ部分と接合部の下辺の端部を結んだ直線(参考図の赤線)と、下辺の両端を結んだ直線(参考図の青実線)の角度は約75度であり、左右それぞれの前記輪郭線は、いずれも当該直線に対して、継手部の最も膨らんだ部分から継手部の下辺までが外側に向かって膨らむ曲線、継手部の下辺から接合部の下辺までが内側に向かって窪む曲線からなり、輪郭線全体が逆S字形である。

(j)継手部の下辺から接合部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも内側に向かって緩やかに湾曲した曲線からなっている。

(k)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下端から、接合部の下辺までの長さは、全体の縦方向の長さの2分の1をやや超える程度である。(l)接合部の下辺は、上方に向かって緩やかに湾曲した円弧状からなっており、両端の角は丸みを帯びている。

【具体的構成態様(i―1)の形状及び(i-2)の角度を示す参考図】

3 被告意匠3の構成態様

(1) 基本的構成態様

(a-1)正面視において全体が左右対称の形状である。

(a-2)側面視においてその高さ対長さの割合が約1:200(≑11400÷58)の継ぎ目なく連続する面一の長尺状の形状からなる。(b)正面視上部には、上端中央部分が開口し、その下が略横長楕円形状に抉られて空洞状になった略倒C字状の継手部が設けられている。

(c)正面視下部には、略逆富士山形状の接合部が設けられている。

(2) 具体的構成態様

(d)継手部の開口部を形成する「C」字の両先端部分は、角が丸まった円弧状に形成されている。

(e)継手部の開口部の横幅は、継手部の最も膨らんだ部分の横幅の約3分の1程度である。

(f)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の高さは横幅の約6割程度である。(g)継手部の最も膨らんだ部分において、略横長楕円形状の空洞部分の横幅は、全体の横幅の2分の1をやや超える程度である。

(h―1)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下面の中央部には、正面図に対して垂直方向に延びる正面視が角丸略長方形状の溝が設けられており、

(h-2)角丸略長方形状の溝の横幅は、継手部の略横長楕円形状の空洞部分の横幅の約3分の1(≑10÷29.6)程度であり、深さ方向の縦幅は、同略横長楕円形状の空洞部分の縦幅の約5分の2(≑7÷{(39.9-31.3)×2})程度である。(括弧内の数値は、乙B45)(i-1)継手部の最も膨らんだ部分から、継手部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも下辺に対して、僅かな曲線状に伸びており、(i-2)継手部の最も膨らんだ部分と接合部の下辺の端部を結んだ直線(参考図の赤線)と、下辺の両端を結んだ直線(参考図の青実線)の角度は約70度であり、左右それぞれの前記輪郭線は、いずれも当該直線に対して、継手部の最も膨らんだ部分から継手部の下辺までが僅かに外側に向かって膨らむ曲線、継手部の下辺から接合部の下辺までが内側に向かって窪む曲線からなり、輪郭線全体が逆S字形である。

(j)継手部の下辺から接合部の下辺までの左右それぞれの輪郭線は、いずれも内側に向かって湾曲した曲線からなっている。

(k)継手部の略横長楕円形状の空洞部分の下端から、接合部の下辺までの長さは、全体の縦方向の長さの2分の1をやや超える程度である。(l)接合部の下辺は、上方に向かって急峻に湾曲した円弧状からなっており、両端の角は丸みを帯びている。

[具体的構成態様(i―1)の形状及び(i-2)の角度を示す参考図]

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/97052/detail7/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。