令和8年8月25日東京地方裁判所刑事第8部宣告
令和8年(わ)第10961号、同第11235号、同第11843号麻薬及び向精神薬取締法違反、窃盗被告事件
主文
被告人を拘禁刑7年に処する。
未決勾留日数中90日をその刑に算入する。
東京地方検察庁で保管中のコカイン2袋(令和8年東地領第1116号符号1及び2)、別名デルタ9テトラヒドロカンナビノール2本(同号符号3及び5)、大麻1袋(同号符号4)、警視庁上野警察署で保管中の現金801万円(東京地方裁判所令和8年(む)第81810号没収保全請求事件で没収保全に係るもの。当該現金は犯罪被害財産)をいずれも没収する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、
第1 分離前相被告人A、同B、同C、同D及び氏名不詳者らと共謀の上、令和8年1月29日午後9時26分頃、東京都台東区(住所省略)先路上において、Eほか2名から依頼を受けてFらが管理していた現金約4億2300万円在中のスーツケース3個(時価合計約3万円相当)を窃取した。
第2 みだりに、同年2月11日、千葉県山武郡(住所省略)G方において、麻薬であるコカインを含有する粉末約0.656グラム(令和8年東地領第1116号符号1及び2はその鑑定残量)、麻薬である6a・7・8・10a-テトラヒドロ-6・6・9-トリメチル-3-ペンチル-6H-ジベンゾ[b・d]ピラン-1-オール(別名デルタ9テトラヒドロカンナビノール)を含有する粘性液体約0.612グラム(同号符号3及び5はその鑑定残量)及び麻薬である大麻を含有する乾燥植物片約0.654グラム(同号符号4はその鑑定残量)を所持した。
第3 法定の除外事由がないのに、同日頃、前記G方において、麻薬であるコカイン又はその塩類を含有する粉末若干量を吸引し、もって麻薬を施用した。
(量刑の理由)
量刑の中心となる窃盗の犯行を見ると、被害額は4億円を超えるなど窃盗事犯としては類例に乏しいほど極めて高額であり、結果は重大である。被告人らは、現金運搬の日時、場所や被害者らが使用する車両の特徴等を上位者から事前に伝えられ、現場への移動や逃走に用いる車両等を準備した上で、実行役及び運転手役に役割分担して犯行に及んだ。本件は組織的背景のうかがわれる計画的で悪質な犯行である。被告人は上位者の誘いを受けて本件犯行に及んだものであり、組織全体から見れば末端の関与者であるが、実行役という必要不可欠な役割を果たし、本件犯行により1500万円という多額の報酬を得ていることも踏まえると、その責任を軽く見ることはできない。
また、麻薬の所持・施用の犯行についても、被告人は、令和8年2月3日に同種の犯行により拘禁刑2年6月、4年間執行猶予の判決を受けたにもかかわらず、それから10日もたたないうちに本件犯行に及んだものであり、違法薬物への親和性、依存性は否定できず、規範軽視の姿勢も無視できない。
そうすると、被告人の刑事責任は重いが、他方、被告人がいずれの事実も認めて反省の態度を示していることや前刑の執行猶予が取り消される見込みであることなども併せ考慮し、主文の量刑とした。
(求刑拘禁刑9年、主文同旨の没収)
令和8年8月25日
東京地方裁判所刑事第8部
裁判官 小川一希
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/97071/detail4/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。