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国会審議›第2回国会›閣法第63号
閣法第2回国会 第63号成立修正あり

経済査察庁法案

昭和23年法律第206号 経済調査庁法
提出昭和23年5月14日 内閣
付託参議院 決算委員会
衆議院 決算委員会
参議院 決算・治安及び地方制度連合委員会
成立
昭和23年法律第206号
審議会議 20回・発言 1,051(政府答弁等 400)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院決算委員会・決算委員会司法委員会連合審査会

  1. S23.5.24趣旨説明決算委員会 5118
  2. S23.5.25質疑決算委員会 655
  3. S23.5.26質疑決算委員会 770
  4. S23.5.27質疑決算委員会 849
  5. S23.5.31質疑決算委員会 960
  6. S23.6.4質疑決算委員会 112
  7. S23.6.5質疑決算委員会 12128
  8. S23.6.10質疑決算委員会 1325
  9. S23.6.12質疑決算委員会 143
  10. S23.6.14質疑決算委員会司法委員会連合審査会 1100
  11. S23.6.15質疑決算委員会司法委員会連合審査会 2129
  12. S23.6.17質疑決算委員会司法委員会連合審査会 3171
  13. S23.6.26修正案趣旨説明・討論・採決(修正)決算委員会 2270
  14. S23.6.29委員長報告・討論・採決(修正)本会議 73123
  15. S23.7.5参議院回付案同意・参議院回付案本会議 79194

参議院決算・治安及び地方制度連合委員会・決算委員会

  1. S23.5.28趣旨説明・質疑決算・治安及び地方制度連合委員会 156
  2. S23.6.1質疑決算・治安及び地方制度連合委員会 279
  3. S23.6.3質疑決算・治安及び地方制度連合委員会 332
  4. S23.6.30議案(衆議院修正部分)決算委員会 27142
  5. S23.7.5委員長報告・採決(修正)本会議 60262
  6. S23.7.5修正案趣旨説明・討論・採決(修正)決算委員会 3162

提案理由

西村榮一 政府委員(経済安定本部政務次官) 昭和23年5月24日

本日長官が予算閣議に出ておりますので、私が代理で御説明申し上げたいと存じますので、御了解を願いたいと存じます。経済査察庁設置に関する法律案を提出するにあたりまして、これを必要とする理由、組織の大要、任務の範囲並びに職務遂行の権限等に関して概要を御説明申し上げます。経済統制の励行を確保するためには、全国的または地域的に統一ある企画のもとに、同一歩調をもつて取締りに当らなければ、これが目的を達成することは不可能であります。しかるに警察は、警察法によつて、各都道府県の国家地方警察と、各市又は町ごとの自治体警察にわかれ、それぞれ個別的に運営されることとなつた結果、全国一元的に経済統制の励行をはかることが極めて困難になつたのであります。さらに経済統制の励行確保は、いわゆる検挙取締りのみによつては、これが効果を十分に期待し得られないのでありまして、取締り以外にも啓発、宣博、指導、予防的措置等、種々な行政的手段によつて、統制の励行をはかることが必要でありますが、取締り以外にかような広汎な任務を警察機関にもたせることは、過去の実績に鑑み、種々の弊害も予想せられ、又新日本建設の精神に照らし適当でないと存じまして、これらはすべて警察の任務の外におくに至つたのであります。従つて全国的に統一のある経済取締りを行い、あるいは種々の行政的方法によつて、総合的に経済統制の励行確保をはかる任務を遂行するために、警察機関とは別個の、全然性格を異にする経済査察庁を設置することが必要になつてまいつた次第であります。

 しかして、経済査察庁を設置するに件いまして、従来経済安定本部監査局において実施しておりました、行政監査及び隠退蔵物資の摘発事務は、経済査察庁の任務ときわめて密接な関係がありますので、これを経済査察庁に統合したいと考へます。すなわち行政監査を実施することによつて、経済違反行為の根源が突きとめられ、経済違反取締りの重点及び方法が明らかになりますとともに、逆に経済違反の調査を実施することによつて、違反そのものの原因としての行政施策の不備欠陥の所在及びその改善策が発見されることが多いのでありまして、行政監査と違反行為の調査との運営が密接な連絡のもとに行われることによつて、より一層の効果があげ得られるからであり、また隠退蔵物資の摘発事務も不正保有物資の調査発見及び供出の促進によつてやみの根源を閉塞するごととなり、経済統制の励行を確保するための重要な一翼をなしているからであります。また経済査察庁は、経済統制の励行確保をはかるための総合的企画立案及び実施の官庁でありますから、経済統制そのものに関する企画官庁である経済安定本部とは緊密な連絡を必要とするのでありますが、これを別個の組織とすることにいたしましたゆえんは、任務の範囲が広汎であり、性質は実施を主とし、組織は相当に大きく、経済安定本部に包摂するときは、安定本部があまりにも膨大なるものとなるからであります。しかしながら経済統制に関する企画と統制励行確保方策とが常に表裏一体の関係になければ、経済統制の円満な運営は期待することができませんので、経済安定本部総務長官が経済査察庁長官を兼務することにしまして、両者の関係の緊密一体化をはかつております。

 次に、本庁の任務、組織及び権限を簡単に申し上げます。第一に任務でありますが、経済査察庁の任務は物資の生産、配給及び消費並びに物価(賃金を除く)に関する経済統制の励行を確保することにあるのでありまして、それがために次のような項目の事務を掌るのであります。

一、経済統制の励行を確保するための計算の立案

二、一般国民に対する啓発

三、経済法令に関する違反行為の調査

四、警察その他の行政機関の行なう予防及び捜査に対する勧告及び協力

五、警察官及び警察吏員に対する教養

六、警察その他の行政機関の行なう予防及び捜査の状況並びに、その改善についての情報の収集

七、経済行政監査

八、隠退蔵物質の調査及び供出の促進

第二に組織の大網を申し上げれば、中央に中央経済査察庁、また全国を八管区にわかち、管区ごとに管区経済査察庁、さらに各都道府県の区域ごとに地方経済査察庁を設置し、これ各庁と関係各庁の間の事務の連絡調整をはかるため、それぞれ中央管区並びに地方の査察庁に経済査察委員会を附置することといたしております。

 第三は経済査察官の定員及び権限に関する事項でありますが、経済査察庁に前述の任務を遂行するために経済査察官を置き、その定員は五千名といたします。しかして経済査察官が統制違反の調査の対象といたしますのは、特に重大な違反事件でありまして、これを調査するのも行政的方法による通常調査を原則とします。やむを得ない場合には強制調査も行いますが、これは裁判官の許可状の交付を受けて行うのでありまして、その場合には臨検、捜索、差押または違反嫌疑者の逮捕をすることができますが、その際も警察官または警察吏員の同行を求め、許可状の執行に従はせることを必要条件といたしております。すなわち経済査察官が直接実力を行使しない点が警察的でない新機構の性格の一面であります。

 第四に申し上げたいのは、警察その他との関係について特に注意を要する諸点であります。その一は経済査察官は、違反事件を調査するため実力を必要とする場合には警察長に対して応援を求めることができることであります。次には経済違反事件について、警察その他の行政機関の行う予防及び捜査の措置が相当でないと思料するときは、中央経済査察長官は関係行政機関の最高監督機関にその改善に関して勧告し得る権限が与えられておることであります。

 本法案の内容の大略は、以上のようなものでありますが、経済査察の運営にあたりましては、従来の強権的取締り観念を根本的に払拭して、まつたく新たなる行政的方法によつて経済秩序を確立し、国民経済の安定とその復興の促進に資してまいりたいと存じます。

 以上概略の御説明を申し上げましたが、この際一言附け加えて御了解を求めたいと存じまするのは、何がゆえに国家行政組織法とは別に御審議を当委員会に懇請するかと申しまするならば、皆様すでに御承知の通り、三月八日警察法が実施せられまして、その後経済警察は解体後において空間を生じておるのであります。そこで経済警察的な仕事は四月一日からこの経済査察庁的な任務が実施される予定でございましたが、いろいろな関係から今日まで延びのびになつてまいつておるのでございます。三月八日以来経済警察に関する問題はまつたく空間を生じておるのが現実でございまして、特に予算の関係におきましては、すでに安定本部におきまする監査局の予算は五月一ぱいしか盛られていないのでありまして、五月三十日をもつてその予算がもうなくなるという状態であるのであります。特にまたお聴きとめを願いたいことは、本経済査察庁法案につきましては、すでに六月の暫定予算においては予算案としては両院において御承認を願つておることでございまして、その他人事関係にいたしましても、相なるべくならばひとつ皆様の御了解を求めまして、国家行政組織法とは別に六月一日から発表いたしたいと存じておるのであります。これはわれわれが法案提出をいたしまするにおいてなるべく避けたい言葉ではございますが、特にこの三月八日以来経済警察の取締りが空間を生じておるという現実に照らしまして、関係各方面から一日も早くそれは実施するように、四月一日の予定が延びのびになつおるのが五月一日になり、また六月一日になりまして関係各方面からのそれぞれの切なる要望がございますし、人事との問題、予算との問題、特にこの経済取締りの現下国家的な緊急なる事態を御了解を願いまして、はなはだ勝手なお願いでございますが、国家行政組織法とは切り離して御審議を願いまして、本法案が六月一日から発足できるように御配慮願いますならば、たいへん幸いだと存じます。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。

第2回国会衆議院決算委員会議録第5号4頁(昭和23年5月24日)〔西村榮一政府委員発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100201063)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。