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閣法第7回国会 第156号成立

恩給法等の一部を改正する法律案

昭和25年法律第184号 恩給法等の一部を改正する法律
提出昭和25年4月5日 内閣
付託衆議院 内閣委員会
参議院 内閣委員会
成立
昭和25年法律第184号
審議会議 9回・発言 214(政府答弁等 73)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院内閣委員会

  1. S25.4.7趣旨説明内閣委員会 168
  2. S25.4.14質疑内閣委員会 1761
  3. S25.4.17質疑・討論・採決内閣委員会 1880
  4. S25.4.18委員長報告・採決本会議 3845

参議院内閣委員会

  1. S25.4.10趣旨説明・質疑内閣委員会 1599
  2. S25.4.18質疑内閣委員会 1953
  3. S25.4.20質疑内閣委員会 21118
  4. S25.4.21採決・討論内閣委員会 2270
  5. S25.4.24委員長報告・採決本会議 4557

提案理由

増田甲子七 内閣官房長官・国務大臣 昭和25年4月7日

ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を説明申し上げます。

 今回政府がこの法律案によりまして、恩給法等に改正を加えんといたしまする事項は、およそ次の諸点にこれを要約することができるのであります。

 第一点は、現行給與法令が適用される前の俸給を基礎として計算されている恩給年額の改訂に関するものであります。現在支給されておりまする恩給は、その年額計算の基礎となつておりまする俸給の点から見ますると、およそ次の三つにこれを大別することができるのであります。すなわちその一は、昭和二十三年六月三十日以前に給與事由の生じた恩給でありまして、昭和二十三年七月法律第百九十号、恩給法臨時特例別表第三号表に掲げられている仮定俸給年額を基礎として計算された年額に改訂されておるものであり、その二は昭和二十三年七月一日以後に給與事由の生じた恩給でありまして、現行給與法令が適用される前の俸給を基礎として計算されておる年額のものであり、その三は現行給與法令による俸給を基礎として計算されておる年額の恩給であります。この三つに大別された恩給につきまして、その年額計算の基礎となつている俸給の支給水準について考えますると、その三に属するものは、その二に属するものよりも、またその二に属するものは、その一に属するものよりも、高くなつておるのであります。従つてその恩給の支給水準は、その三に属するものは、その二に属するものよりも、またその二に属するものは、その一に属するものよりも、高くなつているのであります。言いかえますと、俸給の支給水準のかわつたことによりまして、現に支給されている恩給の支給水準に、退職の時期により差異ができているのが実情であります。しかして現行給與法令による俸給を基礎として計算された恩給の金額でさえも、現在におきましては必ずしも十分な金額であるとは断言しがたいように考えられますので、この恩給よりも低い支給水準に属する恩給の金額につきましては、なお一層その感を深くいたす次第であります。この低い水準に属する恩給、すなわち前に述べました、一及び二に属する恩給につきまして、その年額計算の基礎となつている俸給に対応する現行給與法令に基く俸給を推定し、その推定された俸給に相当する額を基礎として計算しました場合の恩給年額にこれを改訂いたしまして、昭和二十五年一月分から支給いたそうとするのであります。この法律案の附則第二項から第四項までがこれに関する規定であります。

 第二点は、増加恩給、または傷病年金の家族加給及び扶助料の扶養遺族加給の増額に関するものであります。現行恩給法臨時特例によりますると、増加恩給または傷病年金の家族加給及び扶助料の扶養遺族加給の金額は、扶養家族または扶養遺族一人に対して、年額二千四百円になつておるのでありますが、先ごろ公務員の在職給與たる扶養親族手当が増額されましたのに伴いまして、これらの加給の金額につきまして、右の年額二千四百円を四千八百円に増額することとし、現に支給されているこれらの加給につきましては、昭和二十五年一月分からこれを支給いたそうとするのであります。この法律案の第二條中の恩給法臨時特例第七條第一項及び第八條第二項の改正規定、並びに附則第五項から第七項までの規定がこれに関する規定であります。

 第三点は、いわゆる多額所得者の普通恩給の一部停止に関する規定の改正であります。現行恩給法臨時特例によりますると、普通恩給年額一万五千円以上で、恩給外の所得年額十五万円を越えるものにつきまして、普通恩給年額と恩給外の所得年額の合算額に応じ、普通恩給の一部を停止することになつておるのでありますが、この法律案によりまして、現行給與法令適用前の俸給を基礎として計算されている普通恩給の年額が改訂されることになりますることと、最近の経済状況の推移にかんがみまして、これをあらためて、普通恩給年額三万円以上で、恩給外の所得年額二十万円を越えるものにつきまして、現行法のような割合で、普通恩給の一部停止を行うことといたそうとすることであります。この法律案の第二條中の、恩給法臨時特例第三條第一項及び第二項の改正規定がこれに関する規定であります。

 第四点は、官吏制度の改正に伴い、新たに恩給法上の公務員となつたものに関する恩給法上の措置に関するものであります。海上保安庁の職員の中で、海上警備の第一線に勤務する一等海上保安士、二等海上保安士および三等海上保安士たる海上保安官は、その職務の態様からいたしまして、恩給法上、警部補、巡査部長及び巡査たる警察官と同じような取扱いをすべきものと考えられますので、これらの海上保安官を、これらの警察官と同じように取扱い、恩給法上、警察、監獄職員として指定いたそうとするのであります。この法律案の第一條中の、第二十三條第五号の改正規定が、これに関する規定であります。

 また特定郵便局長は、従来恩給法上、準文官たる準公務員として取扱われておつたのでありますが、先般特定郵便局制度が改正されまして、恩給法上文官たる公務員となつたのであります。現行恩給法上の取扱いといたしまして、準公務員たる準教育職員が引続き公務員たる教育職員になりました場合には、公務員としての在職に引続いておる準公務員としての在職年の二分の一を、公務員としての在職年に通算することになつておりますので、この現行恩給法上の取扱いにならいまして、特定郵便局制度の改正に伴い、準公務員たる特定郵便局長から引続き公務員たる特定郵便局長になつたものにつきましては、その準公務員としての在職年の二分の一を、公務員としての在職年に通算することといたそうとするのであります。この法律案の附則第八項がこれに関する規定であります。

 第五点は、地方公務員に対する恩給法の準用規定の整備に関するものであります。地方自治、警察、消防、教育等の諸制度の改正に伴いまして、恩給法上の公務員、国家公務員の身分から地方公務員の身分にかわつた場合におきましては、これら地方公務員の退職後の給與制度につきまして、何分の決定を見まするまでの暫定的の措置といたしまして、なお当分の間、従来通り恩給法上の公務員の身分のまま在職するものとして取扱い、その地方公務員を退職いたしましたときに、恩給法を準用して恩給を支給することとし、各制度改正の際のそれぞれの法律の中にこれに関する規定が設けられておるのでありますが、これらの法律の規定につきまして、その実施後の事務取扱いの実情にかんがみ、今後一層恩給事務の円滑なる運営をはかるため、この際注釈的規定を加えまする等、所要の改正をいたそうとするのであります。この法律案の第三條から第八條までの規定がこれに関する規定であります。

 第六点は、図書館法の制定並びに建設省建築出張所及び教護院の職員の都道府県移管に伴う恩給法上の善後措置に関するものであります。地方自治法の施行に伴いまして、公立図書館職員の身分は、政府職員の身分から都道府県職員の身分にかわつたのでありますが、地方自治法施行の際、恩給法上の公務員であつた者が、引続き公立図書館職員になりました場合には、昭和二十二年法律第七十七号恩給法の一部を改正する法律、附則第十條の規定により、従前の身分のまま勤続するものとみなし、当分の間これに恩給法の規定を準用することになつておるのであります。しかしてこのたび新たに図書館法が制定されますると、図書館法施行の際、現に市町村の設置する図書館に勤務する職員で、地方自治法施行の際官吏であつた者は、別に辞令を発せられない限り、当該図書館を設置する市町村の職員に任命されたものとされることになりましたので、市町村の職員になりましたこれらの者をも従前の恩給法上の教育職員の身分のまま勤続するものとみなし、当分の間、恩給法の規定を準用することといたそうとするのであります。この法律案の附則第九項の規定がこれに関する規定であります。

 次に、先般建設省の建築出張所が廃止され、その事務及びその事務に従事していた職員が、国から都道府県に移管され、また今回都道府県立の教護院の職員の身分が、政府職員の身分から都道府県の職員の身分にかわることになりましたので、これらの職員につきましても、前述の公立図書館の職員の場合と同じように、当分の間恩給法の規定を準用することといたそうとするのであります。この法律案の附則第十項および第十一項の規定がこれに関する規定であります。

 第七点は、恩給法上の特殊公務及び在職年の加算に関する規定の改正であります。恩給法上の公務員が、職務をもつて、海難、火災その他の災害による危險を救助または防止するにあたりまして、その危險を予断し得るにかかわらず、あえてこれを冒して、その職務を執行いたしましたために受けました傷痍疾病及び職務をもつて機雷の掃海作業に従事中に受けました機雷による傷痍疾病を、特殊公務による傷痍疾病として取扱い、また海上保安庁の排水量百五十トン以下の木造巡視船や、排水量二百五十トン以下の木造掃海船の乗組員の勤務につきまして、その不健康な勤務の実情にかんがみ、これを不健康業務の加算のつく業務として指定し、また静岡県加茂郡神子元島及び福岡県糸島郡鳥帽子島につきまして、その辺陬にして不健康な環境にかんがみ、これを「辺陬又は不健康の地域」の加算のつく地域として指定いたそうとするのであります。この法律案の第一條中の恩給法別表第一号表の三、恩給法第三十八條の四及び恩給法別第一号表の改正規定がこれに関する規定であります。

 以上のほか、人事委員会規則が人事院規則に、また法務庁事務官が法務府事務官に改められましたことに伴う字句の修正のごとき簡單な改正その他制度の改正に伴い不要となりました條項の整理等をいたそうとするのであります。この法律案の第一條中の恩給法第十三條、第二十三條第三号及び第四号、第八十二條、第八十二條の二の改正規定、この法律案の第二條中の恩給法臨時特例第一條第二項の改正規定並びにこの法律案の第九條の規定が、これに関する規定であります。

 以上がこの法律案を提出するに至りました理由であります。なお詳細なことにつきましては、御質問に応じまして説明申し上げたいと存じます。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。

第7回国会衆議院内閣委員会議録第16号5頁(昭和25年4月7日)〔増田甲子七内閣官房長官発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100701156)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。