中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案
参議院 通商産業委員会
昭和26年法律第138号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
首藤新八 政府委員(通商産業政務次官) 昭和26年3月13日今回提案いたしました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
中小企業等協同組合法には、商法の規定、特に株式会社法の規定を若干準用しておりますので、本年七月一日より実施になります商法の一部改正に伴い、所要の改正を行う必要があるのでありますが、なおこの機会に中小企業等協同組合法施行後一年有半の経験にかんがみ、所要の改正を同時に行おうとするものであります。改正商法につきましては、現在組合法において準用いたしております会社法の規定は、組合制度の本質に反しない範囲内において、あとう限りこれを準用する方針をとつておりますが、改正の條文を準用することが組合の性格上困難な場合につきましては、新たに規定を設けることにいたしております。
商法改正に伴う改正の主要な点を申しますと、まず第一に、改正商法に従い、理事会の制度を設け、組合の業務執行の決定は理事会が行うこととするとともに、各理事が組合を代表する現行の制度を改め、組合を代表すべき理事を選定することを要することにいたしております。第二に監査役に関する改正商法の規定を準用いたしまして、監事の権限を会計監査に限定いたしております。その結果、従来監事が有した業務監査的な機能を一般の組合員に認める必要が生じましたので、各組合員に対して、理事に対し責任を追究する訴えを提起する権限及び必要ある場合に理事の業務の執行の停止を求める権利を認めております。第三に、理事の責任につきましては、あとう限り会社の取締役の責任に関する規定を準用することにいたしておりますが、組合制度の特殊性にかんがみ、取締役の無過失賠償責任を認める改正商法の規定をそのまま準用することは不適当と認められますので、この点については、現行法同様任務を怠つた場合にのみ責任を追究する規定を新しく設けております。
次に組合法自体の改正中、主要な点を申し上げますと、現行法におきましては、公証人が定款の認証をすることになつておりますが、従来の経験にかんがみ、組合制度に関する知識経験の乏しい公証人よりも、組合に関する指導に多年の経験と多大の関心を有する行政庁にこの認証を行わせる方が適当と考えられますので、定款の認証は行政庁が行うことに改めておるのであります。この点は組合の大多数を管轄いたしまする全国都道府県より強い要望のあるところでありまして、その結果は、行政庁において組合の実態を常時把握することが可能となり、組合の健全な発達に資するところが多いと信ずる次第であります。
次に現行法におきましては、行政庁は組合員からの申出がなければ、組合の業務または会計の状況を検査することができないのでありますが、現在二方に上る協同組合の中には、その運営が適当でないものも相当見受けられ、その結果組合員である中小企業者に不測の損害を与えるばかりでなく、ひいては組合制度全般の普及発達に対する重大な障害となるおそれがなきにしもあらずと考えられますので、この弊害を除去するためには、組合の業務または会計が法令、定款に違反し、または組合の運営が著しく不当であると認められるときは、組合員の申出がなくとも、行政庁が積極的に組合を検査して、適当な勧告を行うことができる道を開くこととしておるのであります。
以上が今回の改正を必要といたしまする理由と、その内容の要点でございます。何分よろしく御審議のほどをお願いいたします。
第10回国会衆議院通商産業委員会議録第15号4頁(昭和26年3月13日)〔首藤新八政府委員発言・発言番号12〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101001097)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。