連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律案
衆議院 文部委員会
昭和27年法律第302号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院文部委員会
- S27.4.1趣旨説明文部委員会 22328
- S27.4.3質疑文部委員会 23180
- S27.4.15参考人招致文部委員会 2539
- S27.4.17質疑文部委員会 2623
- S27.4.24質疑文部委員会 27112
- S27.4.25質疑文部委員会 2880
- S27.5.8質疑文部委員会 3080
- S27.5.15修正案趣旨説明・討論・採決(修正)文部委員会 3358
- S27.5.19委員長報告・討論・採決(修正)本会議 4131
衆議院文部委員会
- S27.4.2趣旨説明文部委員会 15140
- S27.4.11質疑文部委員会 1788
- S27.4.22質疑文部委員会 1934
- S27.6.6質疑文部委員会 2861
- S27.6.9議案(参議院修正部分)・質疑文部委員会 29121
- S27.6.17参考人招致文部委員会 3531
- S27.6.21質疑文部委員会 3858
- S27.7.30討論・採決・附帯決議文部委員会 4330
- S27.7.31委員長報告・採決・附帯決議本会議 70221
提案理由
天野貞祐 文部大臣 昭和27年4月1日只今政府から提出いたしました連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律案について、その提案理由及び内容について御説明申上げます。
この法律案は、日本国との平和條約第十五條(C)の規定に基くものであり、同條約に規定されている事項と同一事項を規定するものでありますが、このような法律案を提出するに至りました理由は次の通りであります。即ち、対日平和條約のこの規定だけでは一般国民の理解に不十分な点もあり、又実施上の細目について欠けるところもあります。そこで條約上の義務を日本国及び日本国民が誠実に履行するために、又将来において起り得べき問題をできるだけ避けるためには、同條約同規定の解釈を法律で定める必要を認めたわけであります。
次にこの法律案の内容について主な点を申上げます。
第一は、著作権に関する日本国との條約又は協定が廃棄又は停止された場合においても、連合国及び連合国民が戰時中に取得した著作権はこれを保護する旨を明確にいたしました点であります。第三條は、これに関する規定であります。
第二は、この法律案は著作権法に規定する著作権の保護期間に関する特例を定めたことであります。即ち(イ)昭和十六年十二月七日に日本国において存在した連合国及び連合国民の著作権は、著作権法に規定する期間に、戰争期間に相当する期間を加算した期間、継続することといたしました。又(ロ)戰争期間中に生じた連合国及び連合国民の著作権は、著作権法に規定する期間に著作権が取得された日から日本国と当該連合国との間に対日平和條約が効力を生ずる日の前日までの期間に相当する期間を加算した期間継続することといたしました。第四條はこれらに関する規定であります。(ハ)著作権のうち特に翻訳権に関する保護期間については、上記(イ)(ロ)による加算期間を加え、更におのおの六カ月を加算することになりました。具体的に申しますと、著作権法第七條第一項に規定している翻訳権に関する十年という期間は、この十年に上記(イ)(ロ)による戰争期間を加え、更におのおのの場合において六カ月を加えた期間となります。第五條はこれに関する規定であります。
第三は、前述の連合国及び連合国民の著作権の保護期間延長の利益は、日本国と当該連合国との間において、対日平和條約が効力を生ずる日に、連合国及び連合国民が有する著作権のみが受けることと規定いたしましたことであります。即ちその日に非連合国又は非連合国民が譲渡を受けて権利者となつている著作権は、本法による期間延長の利益を受け得ないのであります。第六條はこれに関する規定であります。
第四は、連合国及び連合国民の著作権に関する讓渡については、著作権法に定める原則通り登録をしなければその権利を第三者に対抗できないこととし、又この登録については、連合国及び連合国民に対しても登録税を課することといたしましたことであります。第七條はこれに関する規定であります。
以上がこの法律案の提案理由及び内容であります。何とぞよろしく御審議の上速かに御可決下さるよう御願いいたします。
―――――――――――――
第13回国会参議院文部委員会会議録第22号2頁(昭和27年4月1日)〔天野貞祐文部大臣発言・発言番号9〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
本委員会は連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律案に対し、次の附帯決議を附する。
一條約施行のための法律案の作成に当つては、政府は先ずその條約文の條理に基く正解に立脚し、その真義を明示するに努めるべく、苟くも條約文と異る内容を含むが如き観を呈する法案は、極力これをさけるべきであることは、今更多言を要しない筈である。本案件は、外国人の著作権に関する條約についてのものであり、現行著作権法には既に、條約が法律に優先するという原則も存在するがために若干考究の余地なきを保し難い。政府はこれらの諸点に留意し、近く適宜の措置を講ずるべきである。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101301145)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。