事業者団体法の一部を改正する法律案
衆議院 経済安定委員会
参議院 経済安定委員会
昭和27年法律第291号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院経済安定・通商産業連合委員会・経済安定委員会
- S27.4.17趣旨説明・経過説明経済安定・通商産業連合委員会 29
- S27.4.24参考資料説明・質疑経済安定・通商産業連合委員会 325
- S27.6.11衆議院修正部分趣旨説明・質疑経済安定・通商産業連合委員会 49
- S27.7.9質疑経済安定委員会 2638
- S27.7.11修正案趣旨説明・質疑・採決(修正)経済安定委員会 2744
- S27.7.11委員長報告・採決(修正)本会議 6666
衆議院経済安定委員会
- S27.4.24小委員長報告・趣旨説明経済安定委員会 216
- S27.5.7小委員長報告経済安定委員会 2249
- S27.5.17参考人招致経済安定委員会 2535
- S27.5.20質疑経済安定委員会 2663
- S27.6.4質疑・修正案趣旨説明経済安定委員会 2831
- S27.6.10討論・修正案・採決(修正)経済安定委員会 319
- S27.6.10修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 5256
- S27.7.31参議院回付案・参議院回付案同意本会議 70221
提案理由
横田正俊 政府委員(公正取引委員会委員長) 昭和27年4月17日只今上程されました事業者団体法の一部を改正する法律案についてその提案の理由を説明いたします。
昭和二十三年七月に事業者団体法州公布、施行されまして早くも約四年を経過致しました。公正取引委員会はこの間本法の施行に当つて参つたのでありますが、その施行の経過に徴しまして、本法中の若干の規定で日本経済の実態に副わないものがあることが認められたのでございます。殊に中小企業の協同化又は組織化及び事業者団体の正当な活動の促進等の問題に関連いたしまして、現行法第二條の事業者団体の定義の規定並びに現行法第四條及び第五條の規定による事業者団体の活動の規制の方式が問題となつたのでございます。従いまして今回これらの点を検討しました結果、この法律の究極の目的でありますところの公正且つ自由な競争を阻害いたしません限り、これらの規定を緩和して、中小企業の協同化、団体活動の促進等の障害を除去することとなつたのであります。なおこのほか今回の改正を機会にいたしまして、昭和二十四年六月に改正されました私的独占禁止法の規定、それから本法施行四カ年の経験に照らしまして、第八條の排除措置の規定と第九條以下の手続規定に検討を加えました結果、これらの諸規定を適当に調整することとなつたのでございます。
次に本改正法律案の内容について御説明申上げます。先ず今回の改正の尊点を挙げますと、それは次の三点に尊約することができます。先ず第一は、現行法第二條の事業者団体の定義の組定が余りに広汎に失しまして、そのために会社等の共同企業体の存立を不可能にいたしておりました点を是正いしまして、事業者団体法の適用を受ける事業者団体の範囲を、原則として本来の事業者団体でありまするところの産業団体や同業組合に限定し、事業者の共同企業体である会社などを本法の適用から除外することにいたしたことでございます。
第二は、現行法が事業者団体の活動を、第四條の許容活動及び公正取引委員会の認可を必要とする行為並びに第五條の禁止行為の三つの面から嚴格に規制し、団体の活動を狭い枠の中に封じこめておりましたのを改めまして、第五條に規定する禁止行為以外の行為は、すべて自由にいたしたことでございます
第三は、現行法第五條の禁止行為の規定が、公正且つ自由な競争の秩序を直接侵害する廃れのない行為までも規制しておりまして、そのために団体の正常な活動をも阻害する結果を招来しております点を是正いたしまして、これらの行過ぎの規定を削除いたしたことでございます。
次に、本改正法律案の内容につきまして、少しく詳細に御説明申上げます。先ず第一に、第二條第一項を改めると共に、同項の次に新たに一項を設けまして、二以上の事業者の結合体又はその連合体であつても、資本又は構成事業者の出資を有し、営利のために商業、工業、金融業その他の事業を営むことを主たる目的とし、且つ、現にその事業を行なつておりますものを事業者団体に含まないことといたしました。従いまして、二以上の事業者が株主又は出資者となりまして、共同の事業を誉むことを目的とし、且つそれを現に行う会社でございますとか、商法上の匿名組合、営業目的の民法上の組合などは、いずれも、それが構成事業者の共通の利益を増進することを目的とするものでありましても、本法の適用はこれを受けないことになるのでございます。
次に、第四條につきましては、現行法が若干の項目を限定的に列挙しておりまして、事業者団体はここに掲げられている行為以外は行なつてはならないこととなつておりますのを改めまして、事業者団体の模範的な活動を例示する趣旨の規定にいたしました。従いまして、今後事業者団体は、第五條第一項に掲げる禁止行為の規定と私的独占禁止法の規定に該当しない限り、如一何なる活動でも自由に行うことができるようになるのでございます。
次に、第五條につきましては、現行法が十八項目に亘つて事業者団体の活動を禁止しておりますのを改めまして、これらの規定の中から自由競争秩序を直接侵害する慮れのない行為を削除いたすと共に條文の整理をいたしまして、これを十二項目に縮小いたしました。即ち、現行法では、第五條第一項の第一号から第八号までの規定は、事業者団体の統制的な行為やカルテル的な活動を禁止しておりますので、これらの規定は原則として現行法のまま存置いたしまして、第九号以下の、株式又は社債の所有、自然科学の研究施設の所有又は経営、構成事業者その他の者のための融資、営業に至らない單なる取引の代理、集金及び構成事業者その他の者の間の紛争の仲裁又は解決などの禁止に関する規定を削除いたしました。従いまして、現行の第九号以下の規定で今後も残されますものは、特許権の所有又は支配、営業用の施設の所有と営業行為、不当な対政府活動及び入札を規制する行為の四項目でございますが、これらの行為は、営業行為を除いていずれも、事業者団体が自由競争秩序を侵害する手段として往々用いているところでありますので、依然として規制する必要があるのでありまして、又営業行為につきましては、営利を主たる目的とする団体が本法の適用から除外されることになりますと、本法の対象は、社団法人、財団法人、人格のなき社団、非営利目的の組合など、社会通念上から見まして本来営業を行うべきでないもののみとなりますので、これに対しては営業行為を認める必要はないという理由から存置することといたしました。なお、この存置される四項目のうちで特許権の所有又は支配及び入札の規制に関する規定につきましては、不明確な点を是正するため若干の修正を加えました。
以上申上げましたほか、第六條及び第七條に関しましては、適用除外団体或は適用除外行為の根拠法令の改廃などに基きまして條文を整理いたし、第八條に関しましては、従来の本法運用の経験に鑑みまして、本法違反事件について、必要に応じて事業者団体だけではなく、その役員や構成事業者にも適当な排除措置を命ずることができる旨の規定を新たに設け、本法の運用を適正ならしめることといたし、又第九條以下におきましては、以上の改正及び昭和二十四年六月の私的独占禁止法の手続規定の改正に伴いまして各條文の整理をいたしました。
終りに、第十四條の罰則につきましては、私的独占禁止法の罰則に照らし、新たに偽証の罰を加えましたほか、條文の整理に基く改正をいたしました。
以上本改正法律案の目的及び要旨につきまして御説明いたしました。何とぞ御審議の上、速かに御協賛あらんことをお願いいたします。
第13回国会参議院経済安定・通商産業連合委員会会議録第2号1頁(昭和27年4月17日)〔横田正俊政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101301167)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。