外務省設置法の一部を改正する法律案
参議院 内閣委員会
昭和30年法律第58号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
園田直 政府委員(外務政務次官) 昭和30年5月28日ただいま議題となりました外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容を説明いたします。
まず提案理由を説明いたします。
今般の改正において、外務省といたしましては、本省内部部局及び付属機関につきまして、次の方針を持っております。
一に移住局を設置すること。二に賠償部を設置すること三に横浜移住あっせん所を新設すること。
まず移住局の設置について説明をいたします。
本邦人の海外移住に関しましては、昭和二十九年度中、三千七百余人の計画移民を送り出し、また本年度は、五千五百人の送り出しを計画する等年々著しい増加を見ておりますが、一方、中南米の請受け入れ国の受け入れ計画ないし受け入れ態勢は、一般的対日感情の好転とともに、わが国にきわめて有利になってきております。政府といたしましては、この好機を逸せず、わが国民の海外移住を一そう促進する方針でおりますが、このために外務省の移民関係担当部局を統合強化する必要があると認められますので、現在欧米局が所掌しております移民、渡航関係事務を同局から分離し、新たに移住局を設置し、同局にこれらの事務を統合所掌せしめたい所存であります。
次に賠償部の設置について説明いたします。ビルマ国との賠償及びこれに伴う経済協力に関する協定は、去る四月十六日効力を発生し、目下同国との間に実施に関する細目取りきめを交渉中でありまして、これに基き、近く協定実施の段取りとなる予定であります。政府といたしましては、誠意に持って賠償義務を履行する方針でおりますが、この実施業務を関係各省と密接な連絡、協力を保持しつつ総合的かつ円滑に遂行するため、アジア局に賠償部を設置したい所存であります。なお、インドネシア、フィリピン等との間の賠償交渉が妥結いたしました際には、その実施業務も、この賠償部に所掌せしめる予定でおります。
最後に横浜移住あっせん所の設置について説明いたします。
さきに申し述べました通り、海外移住は年々増加の趨勢にあり、政府も大いにこれを促進する方針でおりますが、これら移民に対しまして移住に必要な教養を与え、及び渡航に必要な手続をあっせんする機関といたしましては、現在神戸移住あっせん所一カ所であります。これでは、増大する移住あっせん業務に支障を来たすおそれがあるばかりでなく、東日本方面からの海外移住者にはきわめて不便であり、かたがたボリビア、コロンビア等の国が、横浜にのみ領事館を設置しているという関係もありまして、この際、外務省付属機関として、新たに横浜移住あっせん所を設置し、あっせん業務の円滑化をはかりたい所存であります。
以上の方針をさらに実施に移すには、法律上、外務省設置法の一部を改正する必要がありますので、今般この改正法律案を提出する次第であります。
以上が本法律案の提案理由の説明であります。
次に本法律案の内容の説明をいたします。
まず移住局の設置につきましては、外務省設置法第五条に本省内部部局として移住局を追加し、新たに第十三条の二といたしまして同局の所掌事務を規定し、同時に第九条の欧米局所掌事務から移民、渡航に関する事務を削除いたしました。
次に賠償部の設置につきましては、第五条第二項といたしましてアジア局に賠償部を置く旨規定し、さらに第八条のアジア局所掌事務に賠償実施関係事務を追加し、同条第二項に賠償部が右の事務を所掌すべき旨、規定いたしました。なお、賠償部設置のためには、国家行政組織法の一部改正を要しますので、これを本法律案附則第二項に規定いたしました。
最後に、横浜移住あっせん所の設置につきましては、第十五条の二を改正しまして、神戸移住あっせん所に並ぶものとして、横浜移住あっせん所を規定した次第であります。
以上をもちまして本法律案の提案理由及び内容の概要の説明を終ります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あらんことをお願いいたします。
第22回国会衆議院内閣委員会議録第11号2頁(昭和30年5月28日)〔園田直政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102201075)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。