農業災害補償法の一部を改正する法律案
衆議院 農林水産委員会
昭和30年法律第95号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
吉川久衛 政府委員(農林政務次官) 昭和30年6月7日農業災害補償法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
農業災害補償制度の改正については、かねて農業災害補償制度協議会において検討中であり、昨年十二月に至り農作物共済の改正等について、中間申し合せが行われたのでありますが、その実施については、諸般の事情から制度改正に資するための基礎的な農作物被害調査の拡充、一筆石建のための準備措置としての基準収量調査等のみを本年度から実施することとし、その他については、なお慎重に今後検討を続けることといたしたいと存じているのであります。しかしながら、家畜共済の臨時特例に関する法律が本年十月一日に失効することになりますので、その失効に伴う措置を定めることと、市町村の合併に合せて農業共済組合の合併が望ましく、かつ合併後の運営の円滑化のため法律措置が必要となりますので、この法律案を提案する次第であります。
以下この法律案の主要内容について御説明申し上げます。
その第一は、農業共済組合の総代会が総会にかわって議決することができる事項の範囲を拡張することであります。
今日この制度運営の現状を見ますとき、農業共済組合は規模の零細なものが多く、これが制度の十全な運営をはばんでいるところがあると考えられますため 本年三月原則として市町村合併後の市町村の区域を農業共済組合の区域とするよう指導方針を定め、目下組合の合併を進めております。これが行われますと、その結果、組合の規模の拡大に伴い事実上総会の開催が不可能に近くなる組合があることと、組合の運営について組合員との連絡を緊密に保持する必要があることのために、今後は従前に増して総代会を活用する必要が生ずると考えられますが、現行の規定では総代会が総会にかわることができる事項が限られておりますので、この際これを拡張し、組合の解散にかかる事項以外はすべて総代会を処理できるように改正いたそうとするものであります。
第二は家畜共済の改正であります。
家畜共済のうち死亡廃用共済と疾病傷害共済とを一元化することにつきましては、臨時特例法に基き、昭和二十八年十月以降一部の組合につき死廃病傷共済の実験を行なってきたのでありますが、その結果ほぼ所期の効果を上げることができ、これを全面的に実施しても差しつかえない段階に達しましたため、本年十月一日以降、家畜共済は、従来死亡廃用共済、疾病傷害共済、生産共済の二種でありましたのを改め、臨時特例法に基いて実験いたしましたものにさらに一部内容の改善を加えた死廃病傷共済と従来通りの生産共済との二種とするよう改正をいたそうとするものであります。
臨時特例法に基く死廃病傷共済の場合には、疾病及び傷害の共済金について診療費中のすべてを給付するものと、診療技術料以外の診療費を給付するものとを定め、その選択は、これを組合員に行わせたのでありますが、今後は組合員に対しては疾病及び傷害の事故にかかる共済金は、その損害に相当する金額を一律に給付し、前述の選択は、保険関係の成立の際に農業共済組合が農業共済組合連合会と協議して行わせることとし、疾病及び傷害の共済事故にかかる組合員に対する給付の改善をはかったのであります。そのため、家畜共済の共済掛金率、共済金、保険金、保険料及び保険金等の規定に必要な改正を加えた次第であります。
なお、臨時特例法に基く死廃病傷共済については、指定組合の組合員に対し共済掛金の一部補助を行なっていたのでありますが、全面実施に際しましては、かかる指定組合の組合員に対する補助金は、その交付の必要がなくなりますため、これを廃止し、そのかわり当分の間、農業共済組合に対し死亡及び廃用事故の低下に応じ算出される一定の補助金を交付することといたしたのであります。
以上がこの法律案の大要でございますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
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第22回国会参議院農林水産委員会会議録第15号12頁(昭和30年6月7日)〔吉川久衛政府委員発言・発言番号101〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102201124)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。