学校給食法の一部を改正する法律案
参議院 文教委員会
昭和31年法律第41号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文教委員会
- S31.2.23趣旨説明文教委員会 956
- S31.3.16質疑・附帯決議・採決文教委員会 1633
- S31.3.22委員長報告・採決本会議 2575
- S31.6.3附帯決議本会議 1
参議院文教委員会
- S31.2.28趣旨説明文教委員会 5122
- S31.3.27質疑文教委員会 1291
- S31.3.29質疑・採決・討論・附帯決議文教委員会 13379
- S31.3.30委員長報告・採決本会議 2856
- S31.6.3附帯決議本会議 1
提案理由
竹尾弌 政府委員(文部政務次官) 昭和31年2月23日このたび政府から提案いたしました学校給食法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその改正の内容の概略を御説明申し上げます。
まず本法提案の理由の第一は、学校給食法の適用を中学校等義務教育諸学校に及ぼすことであります。すなわち現在小学校等において行われている学校給食は、昭和二十九年第十九回国会において成立いたしました学校給食法に基き実施されているのであります。この法律が、施行されて以来、小学校等におきまする学校給食は、教育の一環といたしまして実施されるべきであるという教育的な認識が深まり、これが普及の状況もきわめて順調な進展を示しているのでございます。しかしながら、この現行法の適用は、ただいまのところ小学校等に限定されておりますので、小学校におきまする教育に引き続くべき中学校等の生徒に対しましては現行法を適用することができないことになっております。本法の適用をすみやかに中学校等の生徒にも及ぼし、広く義務教育諸学校におきまして、学校給食の実施を容易ならしめることは、強い世論でございまして、かつまた現行法成立の際の付帯決議の御趣旨にも沿うゆえんと存ずる次第であります。
提案の理由の第二は、準要保護児童の学校給食に要する経費の一部を国において補助しようとすることでございます。すなわち現行の学校給食の実施上、一つの支障となっているものに、いわゆる準要保護児童の給食費の問題があるのであります。これら準要保護児童の給食費について教育的見地から何らかの援助の方途を講ずべきことが、かねがね強く要望されていたのであります。申すまでもなく学校給食を実施する学校におきましては、その学校に在学する全児童の参加のもとに実施することを建前といたしているのでありますが、児童のうちで、その家庭が経済的に困窮いたしているために、給食を受ける児童の保護者が負担すべき学校給食費を、学校に持参することができない児童が若干認められるのであります。従いましてこれらの児童のために何らかの措置を講じない限り、学校給食に全児童が参加するという建前はくずさざるを得ないことになるのでございます。
学校給食の実施上、このような事態が生ずることはまことに遺憾であると申さなければなりません。もとより国といたしましては、このような困窮家庭の児童に対しましては、その貧困度に応じ生活保護法による教育扶助の制度を通じて、学校給食費を給与しておるのでありますが、この教育扶助の対象となる児童のほかに、なおその家庭の貧困度が生活保護法の適用を受ける者と同等またはこれに準ずるものと認められるいわゆる準要保護児童が、その学校給食費の負担に耐えかねている実情であります。国といたしましては、さしあたり公立小学校におけるこれら準要保護児童の学校給食費の一部を補助するため必要な経費を昭和三十一年度の予算に計上いたし、この法律案に基き、補助制度を発足させようとするものであります。
次にこの法律案の内容の概要を御説明申し上げます。この法律案の内容といたしますところは、まず第一は、現行法の適用を義務教育諸学校に及ぼすための改正であります。すなわち現行法各条中におきまして「小学校」もしくは「小学校等」と規定されているものを、すべて「義務教育諸学校」に改め、第三条に新たに一項を加えまして、この法律でいう「義務教育諸学校」の範囲を定義し、また現行法各条中に「児童」と規定されているのを、それぞれ「児童及び生徒」または「児童又は生徒」のいずれかに改めたのであります。
次に、さきに説明いたしました準要保護児童にかかる学校給食費に関する国の補助につきましては、第七条に新たに一項を設けまして、これを規定いたしました。すなわち、公立の小学校の設置者が、給食を受ける準要保護児童の保護者の負担すべき学校給食費の全部または一部を補助する場合におきましては、国はその設置者に対しまして当分の間政令で定めるところにより、予算の範囲内におきましてこれに要する経費の一部を補助することができることといたしたのでございます。
以上この法律案を提案いたしました理由及びその改正の内容の概略を御説明申し上げました。何とぞ十分御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。
第24回国会衆議院文教委員会議録第9号3頁(昭和31年2月23日)〔竹尾弌政府委員発言・発言番号19〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
従来、学校給食の実施上、大きな障害となっていた準要保護児童の給食費の問題は、今般の法改正の措置により、解決の端緒を得ることとなるが、これがために要する経費は、昭和三十一年度予算において、僅かに五千万円計上されているに過ぎない。このような予算では、給食費を払い得ない家庭の児童の一部を救済できるのみであって、誠に遺憾というべきである。よって政府は、昭和三十二年度以降において、給食費を払い得ない家庭の小学校児童は勿論、中学校生徒のすべてを救済し得るよう、法律的予算的措置を講ずるよう特段の努力をなすべきである。ただいま朗読の通り、本法律案に附帯決議を行うことに御異議ございませんか。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401065)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。