漁港法の一部を改正する法律案
衆議院 農林水産委員会
昭和31年法律第122号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
大石武一 政府委員(農林政務次官) 昭和31年3月6日ただいま上程せられました漁港法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
漁港法は、御承知の通り、水産業の基盤である漁港に関する基本法といたしまして、昭和二十五年に制定、公布を見ましたのでありますが、それ以来本法に基き、漁港の指定は二千六百五港の多きに達し、漁港整備計画は第十回及び第二十二回の両国会に御承認を得、これに従い漁港修築事業の施行を推進いたしておりますとともに、漁港管理者の指定等により、漁港の維持管理の適正化をはかります等、本法の運用によりまして、着々と漁港整備の実を上げ、わが国水産業の発展に大いに寄与しているものであります。
しかしながら、五カ年間にわたる本法施行の経過にかんがみまして、本法に規定する手続中、簡素化して差しつかえないものは、これを整理いたしますとともに、漁港整備の進捗に伴い、二、三の規定を設けて本法の充実をはかり、また漁港の実情に即して、多少現行制度を改正する措置を講じますことが、今後の漁港行政の一そう円滑なる運営を期するゆえんと存じまして、この際漁港法の一部を改正することとし、本法律案を提案いたしました次第であります。
以下、この法律案の内容について、概略御説明申し上げます。まず第一に、手続の簡素化に関する改正規定でありますが、その一は、漁港の指定の内容の軽微な変更については、漁港審議会の議を要しないものとし、その二は、漁港修築計画の軽微な変更については、農林大臣に対する事前許可制度を届出制とし、その三は、漁港管理者が定めることとなっている漁港管理計画及び漁港管理規程は、これを統合して漁港管理規程とし、その四は、従来の第一種漁港に加えて新たに第二種漁港においても、その区域内の公有水面の埋め立ての免許については、農林大臣の認可を要しないものといたしました。これらは、いずれもその手続を簡素にいたすことにより、事務の一そうの円滑化を期したものであります。なお、これらとあわせて、従来明文を欠いておりました漁港整備計画の変更の手続は、その制定の手続に準ずべきものといたしました。
第二に、新設の規定といたしましては、その一は、昭和二十七年以降実施しております国の直轄漁港修築事業のうち、完成をみるものもありますので、これによって生じた土地または工作物に関する規定を設けることとし、これらは農林大臣において管理、処分を行い、そのうち漁港施設については、漁港管理者に管理を委託することができるものとし、これらの国有施設を漁港管理者がみずからの施設とあわせて一体的に維持管理を行うことにより、漁港の運営に遺憾なからしめようとするものであります。その二は、漁港管理者において漁港台帳を調製せしめることとし、これによって漁港の現況を常時明確に把握し、適正な漁港管理の基礎といたしたい所存であります。
第三に、現行制度の改正に関する規定といたしましては、その一は、漁港管理者が漁港の管理につき種々の公法上の規制を行う権能が与えられていることにかんがみ、漁港管理者となることができるものは地方公共団体のみといたしました。これによって漁港管理権の性格を一そう明確にし、今後の漁港管理の適正を期します上にも望ましいものと存じます。その二は、漁港管理会でありますが、漁港運営の実態にかんがみまして、その利用範囲が全国的にわたって重要である第三種漁港については、従来通り義務設置とし、その他の漁港については、これを任意設置といたしますことが適当と考えられ、そのように改正しようとするものであります。その三は、漁港の機能施設のうちに野積場を加え、これを漁港管理の対象としようとするものであります。このほか、これらの改正に応じまして所要の関係条文の整理を行なっております。
以上が、この法律案を提案する理由でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます次第であります。
第24回国会参議院農林水産委員会会議録第14号1頁(昭和31年3月6日)〔大石武一政府委員発言・発言番号8〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401090)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。