食品衛生法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和32年法律第175号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
小林英三 厚生大臣 昭和31年4月17日次に、食品衛生法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。
まず、改正の第一点は、添加物の概念を明確にしようとしたことであります。御承知の通り、近時食品工業が飛躍的に発展したことに件い、食品の製造の過程において添加使用されるものが年とともに増加して参っておりますが、かかるものについて食品衛生法の適用上添加物として取締りの徹底を期することができないことは危険なことであります。先般の森永ドライミルク事件にもかんがみまして、食品の製造の過程において添加、混和、浸潤その他の方法によって使用される物質を、添加物として取り扱うよう添加物の概念を明確にいたしまして、添加物による食品の危害を未然に防ぎたいものと考えております。
改正の第二点は、食品衛生管理者を設けようとしたことであります。御承知の通り、乳製品、化学的合成品たる添加物等の食品及び添加物は、その製造または加工についてきわめて高度の技術を必要といたしますとともに、その製造または加工の過程における取扱いを誤まりますれば、製造されまたは加工された食品に及ぼす危険性が大きく、かつ、その被害が広範囲に及ぶことが予想されます。従いましてこれらのもののうち、このような危険性の特に大きいものとして政令で定めるものの製造または加工を行なっている営業者は、その製造または加工を衛生的に管理させるため、その施設ごとに、専任の食品衛生管理者を設置しなければならないこととしたのであります。この食品衛生管理者が職務を怠ったことにより、右の違反が起きた場合には罰則が適用せられることとすること等により、右の食品衛生管理者がその職務を十分に全うすることを期待するものであります。
第三に改正いたしたい点は、食品、添加物、器具または容器包装に関する標示についてであります。食品、添加物等はそのものがいつどこで製造されたか不明でありましたり、また、添加、混和、浸潤等の方法によって食品に使用することを目的として製造、加工されたかどうかが判明いたしませんでは、使用者にとりましてきわめて不安であります。かかることを明確にいたしますために、食品、添加物等につき公衆衛生の見地から必要な標示についての基準を定めまして、この基準が定められた食品、添加物等であって、その基準に合う標示がないものはこれを販売したり、販売の用に供するために陳列したり、または業務上使用してはならないことといたしたいと考えております。
第四の改正点は、化学的合成品について、その定義を法律上明確に規定しようとすることであります。
最後に改正いたしたい点は、罰則の整備についてであります。食品衛生法に規定してある罰則には従来から不均衡な点がありましたので、今回の改正を機としてこれが整備を行い、均衡を失することのないようにしようとするものであります。
以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
第24回国会参議院社会労働委員会会議録第24号1頁(昭和31年4月17日)〔小林英三厚生大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401123)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。