駐車場法案
参議院 建設委員会
昭和32年法律第106号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
南條徳男 建設大臣・首都圏整備委員会委員長 昭和32年4月12日ただいま議題になりました駐車場法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明いたします。
わが国における自動車の保有台数は、毎年三十万台をこえる増加を示し、現在では百六十万台余に達しておりますが、大都市ことにその中心部にこれらの自動車が集中し、これがため市街地の道路交通は著しく混雑して参り、もはやこれを放置することを許さない状態に立ち至っております。
都市内の自動車交通が混雑し、道路交通が円滑を欠くに至りますと、都市における業務機能を低下せしめ、ひいては、公衆の利便を著しく阻害することとなるのであります。
都市内の道路交通の混雑を招来している大きい原因は、道路上に自動車が無秩序に駐車していることにより、他の自動車の通行や駐車が阻害されていることになるのであります。大都市においては、従来も一部において自動車駐車場の建設が進められて参っておりましたが、これらのみによってはとうてい都市の中心部における自動車の駐車の需要を満たすことができない現状であります。
政府といたしましては、以上申し述べました現状に対処するため、都市の中心部における自動車の駐車のための施設の整備に関し総合的施策を講ずることとし、ここに駐車場法案を提出した次第であります。
次に、この法律案の要旨について御説明いたします。
まず第一に、駐車場整備地区の制度を設けたことであります。建設大臣は、商業地域内において自動車交通が混雑する地区について、都市計画法の定める手続によって、都市計画の施設として駐車場整備地区を指定することができることとし、路上駐車場及び路外駐車場の整備と大規模建築場に対する駐車施設の付置を総合的に行うことといたしたのであります。
第二に、路上駐車場を設けることができることといたしたことであります。都道府県知事は、駐車場整備地区について路上駐車場設置計画を定めて建設大臣の承認を受けるものとし、道路管理者である地方公共団体は、この計画に基いて路上駐車場を設置し、その利用者から駐車料金を徴収することができることといたしました。
第三に、路外駐車場の整備について所要の規定を設けたことであります。建設大臣は、駐車場整備地区内の路外駐車場の配置及び規模を都市計画として決定し、地方公共団体はこれに従って路外駐車場の整備に努めなければならないことといたしました。
また一定規模以上の路外駐車場の構造及び設備は、政令で定める基準によらなければならないものとし、路外駐車場に駐車する自動車の安全をはかることといたしました。
次に、一定規模以上の有料の路外駐車場を設置する者は、都道府県知事にその設置及び管理に関する事項について届出を行うものとし、その駐車場を一般公共の用に供するように管理するとともに、寄託された自動車の保管に関する賠償責任を加重して、利用者の利益の保護をはかるようにいたしました。
なお都道府県知事は、路外駐車場の施設の維持、保全または業務の運営が本法の規定に違反していると認めるときは、その施設または業務の改善命令を発する等の監督のための措置を定め、あわせて利用上危険な施設について供用停止を命ずることができることといたしました。
第四に、大規模の建築物における駐車施設の付置に関し定めたことであります。地方公共団体は、駐車場整備地区及びその周辺において一定規模以上の大建築物が建築されるに際して、その建築物に駐車のための施設の付置を義務づける条例を制定することができるようにいたしました。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決されるようお願いいたします。
第26回国会衆議院建設委員会議録第17号4頁(昭和32年4月12日)〔南條徳男建設大臣発言・発言番号10〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102601142)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。