航空法の一部を改正する法律案
参議院 運輸委員会
昭和33年法律第63号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
木村俊夫 政府委員(運輸政務次官) 昭和33年2月18日ただいま上程されました航空法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。
御承知のごとく航空法は民間航空の再開とともに昭和二十七年制定公布されまして、自後昭和二十九年に一部の改正を見たのみで今日に至っておるのであります。しかるにこの間、航空の発達は日進月歩まことに目ざましいものがありまして、今後においてもさらに飛躍的な発展を遂げるものと思われるのであります。この目ざましい航空界の発展に即応いたしまして、かつ最近における航空機の運航の実情及び数年来の航空法施行の実情にかんがみまして、本法に所要の改正を加える必要が生じたのであります。
まず航空の安全の確保につきまして、政府といたしましても種々努力を重ねて参ったのでありますが、航空機の高速化、航空交通の頻繁化に伴い、現行の規定のみでは安全の確保に万全を期し得られないうらみがありますので、この際これらに関する規定を整備する必要を認めるのでございます。
また一昨年制定されました航空整備法に基きまして、空港の整備も着々その実を上げつつあるので、その円滑な運用を期するため、飛行場の管理等に関する規定を整備する必要があるのであります。さらに飛行機の大型化等に伴いまして、耐空証明等の手数料の額を適正化する必要があるのであります。以上がこの法律案を提案いたします理由であります。
次に、この法律案によります主要な改正点につきまして御説明を申し上げます。
第一は、運輸大臣が耐空証明を行う場合の指定事項を追加するように改正いたしまして、航空機自体の安全性の強化をはかったことであります。
第二は、飛行場及び航空保安施設の管理基準を、従来は単なる技術上の基準でありましたが、これを保安上の基準に改め、さらに公共の用に供する飛行場につきましては、その設置者が管理規程を定めまして、運輸大臣の認可を受けることにいたしますとともに、飛行場内で施設を損傷したり、航空機に向って物を投げたりする危険行為及び特定区域への立ち入りを禁止することにいたしまして、航空の安全の強化及び飛行場の運営の円滑化をはかったことであります。
第三は、定期航空運送事業の用に供する航空機の機長の路線資格につきまして、新たに運輸大臣の認定及び定期的審査の制度を設けることにいたしまして、定期航空運送事業の公共性にかんがみ、特にその安全性の向上をはかったことであります。
第四は、航空機の機長が出発前に整備の状況、気象情報等の航空機の運航に必要な事項を確認しなければならないことを法律上の義務といたしまして、機長の責任を明確にし、安全性の確保をはかったことであります。
第五は、飛行場及びその周辺の上空におきましては、航空機は運輸大臣の定める航行の方法に従って航行しなければならないことにいたしまして、特に航空交通の頻繁であります飛行場周辺における秩序の維持と安全の確保をはかったことであります。
第六は、運輸大臣が航空機の運航のため必要な情報を航空機乗組員に提供することを法律上明定するとともに、ロケット、花火の打ち上げ、その他航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為を行う者は、事前に運輸大臣に通報しなければならないことにいたしまして、その情報の提供の万全を期した次第でございます。
第七は、最近における大型機の導入等に伴いまして、検査手数料の最高額を改めるなど、一部の手数料の額の適正化をはかったことであります。
なお、定義規定の一部を明確化いたしますとともに、その他所要の改正を加えた次第でございます。
以上、この法律案の提案理由及び主要な改正点につきまして御説明いたしました。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第28回国会衆議院運輸委員会議録第6号3頁(昭和33年2月18日)〔木村俊夫政府委員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102801049)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。