恩給法の一部を改正する法律案
参議院 内閣委員会
昭和34年法律第140号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会
- S34.2.3趣旨説明内閣委員会 428
- S34.3.25質疑内閣委員会 2486
- S34.4.3質疑・修正案・採決(修正)・修正案趣旨説明・附帯決議内閣委員会 2782
- S34.4.7修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 3646
- S34.5.2附帯決議本会議 1
参議院内閣委員会
- S34.4.8委員長報告・採決本会議 25138
- S34.4.8趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・質疑・採決内閣委員会 19257
提案理由
松野頼三 政府委員(総理府総務長官) 昭和34年2月3日次に、ただいま議題となりました恩給法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
戦没軍人遺族並びに戦傷病者の処遇の改善と老齢退職公務員の処遇の向上につきましては、一昨年六月設置されました臨時恩給等調査会の答申に基き、昨年法律第百二十四号をもって公布されました恩給法等の一部を改正する法律により、所要の措置を講じた次第であります。ところで戦傷病者の恩給上の処遇につきましては、現在の傷病恩給は外形の症状に重点が置かれ、内部疾患については軽視の傾きがあるとの同調査会からの御指摘がありましたのにかんがみ、昨年三月以来、傷病恩給症状等差の調査のため、専門家の会同をわずらわし、検討をお願いしておりましたが、その結果が同年九月三十日政府に報告されましたので、政府は今回この報告をもととして、傷病恩給に関し必要な法的措置をとろうとするものであります。
その第一点は、内部疾患の査定基準を定めようとするものであります。肺結核、精神障害等のいわゆる内部疾患につきましては、従来恩給法別表第一号表ノ二または同別表第一号表ノ三に掲げる精神的または身体的作業能力の制限という抽象的な規定を類推解釈して、妥当と認められる増加恩給または傷病年金を給与して参ったのでありますが、これら従来の内規あるいは裁定例を再検討し、ここに近代医学の観点から合理的な基準を明白にすることによって、症状の実態に即する適切なる給与を行うことができるようにしようとするものであります。
その第二点は、有期の増加恩給または傷病年金の期間五年を三年以上五年以内の期間に改めようとするものであります。現行法におきましては、増加恩給または傷病年金の裁定をするに当り、内部疾患のように、長期的に見て症状に動きのあるものにつきましては、五年の期間を定めた恩給を給与し、五年目ごとに再調査をするという措置がとられておりますが、今日のように医学の進歩に伴い、内部疾患の療法が変化し、疾病の経過が長いもの、短いもの等、多種多様の形をとっているときに、すべての疾患について五年を単位として恩給を給することは、実情にそぐわないものがあります。そこで恩給の査定が常に疾病の消長に対応するようにするため、不具廃疾の程度に変動のあるべきことの認められるようなものについては、三年以上五年以内の期間を定めて合理的な恩給を給することができるように改めようとするものであります。
以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
第31回国会衆議院内閣委員会議録第4号30頁(昭和34年2月3日)〔松野頼三政府委員発言・発言番号20〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
一第二十八国会昭和三十三年四月四日の内閣委員会において、「恩給法等の一部を改正する法律案」の可決されるにあたり、特に内閣委員長より質疑したる各項目については、総理府総務長官より「政府としては十分検討の上善処する」との言明を得ているので、この際本問題解決のため、すみやかに具体的方策をたつべきである。
二傷病恩給の症状等差の是正については、昨年政府に「傷病恩給症状等差の調査に関する専門調査会」が設置され、学識経験者等により専門的な調査研究がなされたが、短日月のため肺結核、精神障害など僅か三ッの分野に止まつたと報告している如く、その範囲が誠に狭隘であるから、その他の傷病についても引続き調査研究を行い恩給法の別表第一号表の二及び三を改正しもって諸般の不均衡を是正すべきである。
三戦傷病者の医療制度は誠に不備であり、今回の国立箱根療養所の入所料の増額問題を見ても明かである。依って、次期国会において戦傷病者戦没者遺族等援護法の必要なる改正を行い、再発者を含め戦傷病者の根本的な医療制度を確立すべきである。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103101049)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。