警察法の一部を改正する法律案
参議院 地方行政委員会
昭和34年法律第20号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
青木正 国家公安委員会委員長・自治庁長官 昭和34年1月29日提案理由の説明を申し上げます前に一言ごあいさつを申し上げます。私、今回再び自治庁の長官を仰せつかりましたので、またいろいろ皆さんに御指導、御鞭撻をいただきたいと存じますので、この機会にごあいさつ申し上げます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
この法律案は、警察法についてその一部を改正しようとするものであります。すちわち、最近における少年の非行の著しい増加と悪質化の傾向、交通状況の著しい変化等に対応するため、少年の非行防止、交通事故の防止等に関する研究及び実験を行い、これにより科学的な警察活動を推進するため、警察庁に付置されている科学捜査研究所を拡充し、その名称を科学警察研究所といたしたいと存じます。
次に、本案の主な内容について御説明いたします。
犯罪特に少年の非行は、近年、量、質ともに悪化の傾向にあり、これに対しては、単に刑罰をもって臨むだけでなく、これを未然に防止し、またはその常習化を防ぐための根本的な対策を講ずる必要性が広く認められ、また強く唱えられてきております。犯罪の予防を責務とする警察といたしましては、犯罪特に少年非行の応急的鎮圧作用のみでなく、少年の非行的傾向その他犯罪的傾向を助長する要因等について科学的に研究し、それを基礎として、合理的な少年非行の防止その他犯罪の防止のための技術及び対策を発見することに努めなければならないと存じます。
また、最近の交通に関しましては、自動車数の著しい増加によって交通量が飛躍的に増加しておりますので、それに伴つて交通事故の発生も年々増加の一途をたどつております。それらの事故を未然に防止し、交通を円滑にするため、交通警察は、非常に複雑かつ困難なものとなってきております。この交通警察を適正に運営していくためには、道路交通の規制に関する研究及び実験、交通安全をはかるための施設、材料等に関する研究及び実験のみならず、運転者等の心理的、肉体的要件等の検討等科学的な研究及び実験を行い、それを基礎として交通警察に関する恒久的かつ抜本的な対策を講ずる必要があるのであります。
このため、警察法第二十八条を改正して、警察庁の付属機関である科学捜査研究所に、従来の科学捜査に関する研究、実験等のほか、新たに少年非行の防止その他犯罪の防止に関する研究及び実験並びに交通事故の防止その他交通警察に関する研究及び実験をつかさどらせることとし、科学捜査研究所という名称を科学警察研究所に改めることといたしました。
以上が改正法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。(拍手)
第31回国会衆議院地方行政委員会議録第5号2頁(昭和34年1月29日)〔青木正国家公安委員会委員長発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、警察活動の科学化を推進することの必要性にかんがみ、科学警察研究所の機 構施設を更に一層整備し、所期の目的達成に遺憾なきを期すべきである。右決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103101050)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。