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閣法第38回国会 第37号成立

中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案

昭和36年法律第28号 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律
提出昭和36年2月15日 内閣
付託参議院 社会労働委員会
衆議院 社会労働委員会
成立
昭和36年法律第28号
審議会議 9回・発言 681(政府答弁等 279)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院社会労働委員会

  1. S36.2.28趣旨説明社会労働委員会 965
  2. S36.3.15質疑社会労働委員会 14212
  3. S36.3.22質疑・採決社会労働委員会 1658
  4. S36.3.23採決・委員長報告本会議 1849

参議院社会労働委員会

  1. S36.3.2趣旨説明・補足説明社会労働委員会 969
  2. S36.3.16質疑社会労働委員会 12175
  3. S36.3.23質疑社会労働委員会 14135
  4. S36.3.28採決・附帯決議社会労働委員会 16123
  5. S36.3.29委員長報告・採決本会議 1551
  6. S36.4.1附帯決議本会議 1822

提案理由

石田博英 労働大臣 昭和36年2月28日

ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の大綱を御説明申し上げます。

 中小企業退職金共済制度は、中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興に資するため、昭和三十四年十一月に発足したのでありますが、今日までの普及状況は、昭和三十六年一月末で企業数が二万二千六百九十七、従業員数が二十七万八千百二十三人という実績をあげております。しかしながら、この制度が中小企業労働福祉対策の柱の一つとして、今後一そうの普及発展をはかるべきものであることにかんがみますとき、現行制度には、中小企業の実情に照らして若干の改善すべき点があると考えられるのであります。

 すなわち、その一といたしまして、現行制度では適用事業の範囲は、製造業で常用従業員数百人、商業またはサービス業で三十人以下の事業に限られているのでありますが、これをこえる中小企業においても退職金制度のないところが相当数あるのが実情であります。その二として、中小企業においては短期離職者が比較的多いのでありますが、これらに対する給付が薄い等のため、比較的勤続年数の短い従業員を雇用している企業においては、勢い加入を渋りがちという事情があります。そこでこれらの点につきまして改正を行ない、本制度の一そうの普及発展をはかりたいと存じまして、この法律案を提出した次第であります。

 次に、法案の内容について概要を御説明申し上げます。

 この法案の要旨は、右に述べた趣旨に基づきまして四点ございます。すなわち第一点は、本制度の適用事業の範囲について、現行制度では前に述べましたように、製造業等が常用従業員数百人、商業またはサービス業が三十人以下でありますのを、製造業等では常用従業員数二百人、商業またはサービス業では五十人までが拡大することといたしたことであります。

 第二点は、退職金の給付額について、現行制度では掛金納付月数が三年半に達しないと掛金相当額とならないのを、掛金納付月数二年から掛金相当額とし、また掛金納付月数五年から五%の国庫補助を行なうこととなっているのを、三年から五%の国庫補助を行なうことにいたしたことであります。

 第三点は、一の企業から他の企業に従業員が転職した場合の本制度適用上の企業間の期間の通算につきまして、現行制度では、自己都合で退職した者でない等一定の条件を満たした上にさらに掛金納付月数二十四カ月以上の者に限って通算することになっておりますが、この掛金納付月数二十四カ月以上の者に限るという条件を削除することにいたしたことであります。

 第四点は、適用事業の範囲の拡大に伴い、従来事業主団体等における自主的な共同退職金積立事業に参加していた事業主が、本制度へ加入する際、従前の積立事業の引き継ぎ措置につき便法を講ずることといたしたことであります。

 なお、法案の内容につきましては、学識経験者及び労使それぞれの代表者をもって構成されています中小企業退職金共済審議会の答申を十分尊重して作成したものであります。

 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。

 次に、失業保険法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。

 日雇失業保険制度は、日雇労働者の失業時における生活の安定をはかることを目的として、昭和二十四年第五回国会における失業保険法の一部改正によって創設され、社会保障政策並びに雇用失業対策の一環としてその機能を果たして参ったところであります。

 現行の日雇失業保険の保険金日額は、昭和三十二年における失業保険法の一部改正によって定められたのでありますが、最近における日雇労働者の賃金の実情にかんがみ、今般その保険金日額の引き上げ等を行なうとともに、あわせて日雇失業保険と一般失業保険との受給資格の調整制度の改正を行ない、制度の改善をはかることとしたのであります。

 以上が、この法律案を提出いたしました理由でありますが、以下その概要を御説明いたします。

 第一に、日雇失業保険金の日額の引き上げについてであります。

 現行制度では、日雇い失業保険金の日額は、第一級二百円、第二級百四十円の二段階とされておりますが、現行の日額は、すでに申し上げましたように昭和三十二年に定められたものでありまして、その後現在までに日雇労働者の賃金額も相当に上昇しており、現行の二段階制をそのままとした場合は、実情にそぐわないうらみがありますので、この際新たに保険金日額を一段階設け三段階制をとることとし、第一級三百三十円、第二級二百四十円、第三級百七十円とし、給付内容の改善をはかることとしたのであります。

 第二に、日雇失業保険の保険料日額の改正についてであります。

 保険料日額につきましては、保険金日額の引き上げに伴い、日雇労働者の負担能力、保険経済等を勘案し、現行二段階制とされております保険料日額を三段階制に改め、現行第一級十円、第二級六円の保険料日額を第一級十六円、第二級で十二円とし、第三級については従来通り六円といたしたところであります。また、新しい第一級、第二級及び第三級の保険料日額の区分は、日雇労働被保険者に支払われた賃金が四百八十円以上の場合は第一級、二百八十円以上四百八十円未満の場合は第二級、二百八十円未満の場合は第三級といたしたところであります。

 なお、保険料日額の改正に伴い日雇労働被保険者及び事業主の負担すべき保険料額は、それぞれ、第一級については八円、第二級については六円、第三級については三円といたした次第であります。

 第三に、保険金日額の算定方法の改正につきましては、今回の保険料日額の三段階制の採用に伴い、それぞれ三段階制に即応した算定方法に改めますとともに、第一級、第二級及び第三級の保険料が混同して納付されている場合でありましてその平均額が第二級の保険料の額以上であるときは、第二級の保険金が受けられることとするよう制度の改善をはかったところであります。

 第四は、日雇失業保険と一般失業保険との受給資格の調整制度の改善についであります。

 現行制度におきましては、日雇労働被保険者が二月の各月において十八日以上同一事業主に雇用され、その翌月において離職いたしました場合は、その離職の日の属する月の前二月を一般失業保険の被保険者期間として計算することとしておりますが、これを単に翌月に離職した場合に限らず、その者が当該同一事業主に引き続き雇用された後において離職した場合には、その二月を一般失業保険の被保険者期間として計算することとし、一般失業保険の被保険者に切りかえられた日雇労働被保険者が一般の失業保険金の支給を受けやすくなるようにし、また、できるだけ保険料の掛け捨てがないように制度の改善をはかることとしたところであります。

 以上がこの法律案の要旨でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに可決せられますようお願い申し上げます。

第38回国会衆議院社会労働委員会議録第9号10頁(昭和36年2月28日)〔石田博英労働大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

参議院 社会労働委員会昭和36年3月28日

改正する法律案に対する附帯決議案政府は、本改正法の実施に当り、次の対策を強力に進めることを要望する。

一本法の運用については、法の精神に則り特に小規模企業に重点を置くこと。

二法第十四条の企業間の通算の場合における「自己の都合による退職」の取扱いについては、できるだけ労働者の利益を尊重し、苛酷にわたらざるよう運用すること。

三中小企業退職金共済事業団の業務委託金融機関には、労働金庫をも含めるよう善処すること。以上。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103801037)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。